山陰温泉紀行島根編 −島根県西部をめぐる−


旭温泉

美又温泉ですっかり美人となった私は、峠を越えてすぐお隣の旭温泉を目指した‥‥が、全面通行止。峠のすぐ向うに温泉があると分かっていて、行くことができないのは死ぬより辛い? 歩く? そんなわきゃないでしょ! 回り道決定!

全面通行止

旭温泉は数軒の宿があるだけの小さな温泉街。近年、高速道路の開通で、交通の便が格段に良くなった温泉地でもある。私が訪れたのはかくれの里ゆかり。宿泊も可能な日帰り入浴施設といった感じの施設である。

ゆったりとした造り、広い駐車場、館内には琴の音が流れるというのが、この手の施設のお決まりのパターンだ。ここも例外でない。湯舟は広く、露天も有り悪くない‥‥。

湯上がりに広いロビーで寛ぎながらメモを取っていると、背後に視線が‥‥。おっと! さっき二三質問させていただいた支配人らしき人がこちらを見ている。明らかに怪んでいる眼差し。あくまでゲリラ取材がモットー。正体がバレてはいかん! 早々に引揚げだっ! 

かくれの里 ゆかり

露天風呂


庭で飼われていた地鶏。そういえば館内の食事処のメニューにもあったなぁ。元気が良くって、うまそっ! 

うまそっ!

私は日帰り温泉入浴施設を否定しない。交通の便も良くなり、敢えて泊まることもないという部分もある。しかし、広い風呂が不可欠。大量の湯を必要とするため、湯は循環利用があたりまえ。消毒臭の強い露天風呂などは興醒めしてしまう。何か肉まんの肉の量はそのままに、大きさだけ何倍にもなったような肉まんを、食べさせられているような気がしないでもない(あー、例えが悪いなぁー)。

温泉需要そして交通事情も変化している。温泉という天然資源の利用方法も、見直さなければならないだろう。気軽に日帰り入浴というのも手軽でいい。落ち着いた温泉宿で寛ぐのもいい。原点に立ち返って湯治を見直す必要もあろう。温泉地にはそんな希望を受け止めてくれるバリエーションが欲しい。


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