普賢岳と平成新山

私は長崎に来て、この目で見てみたいものがあった。雲仙普賢岳、平成2年11月17日におよそ200年ぶりに噴火し、6年に及ぶ噴火活動により多くの被害をもたらした山。そして平成新山と名付けられた巨大な溶岩ドーム。テレビで幾度となく目にしてきた映像、ここで何が起こっていたのか、それをこの目で見てみたかったのだ。

雲仙からさらに山を上り、仁田峠循環自動車道路で仁田峠を目指した。途中の展望所から普賢岳(標高1359m)と平成新山(標高1486m)を臨む。左側に見える普賢岳のピークよりひと際大きい、これが平成新山なのかっ! なんと巨大な山塊、これが噴火活動で全く新たに出現した山だというのか。溶岩ドームという言葉では表現しきれない程のコペルニクス的大きさ。これが地中から溶岩が盛り上がってできたなど、にわかには信じ難い。

もっと間近で見ようと仁田峠まで行く。ここからロープウェーに乗り、さらに1時間歩き普賢岳山頂まで行けば、目と鼻の先に平成新山が臨めるはずだ。しかし、天候は急変。辺りはガスに包まれ視界はゼロ。おまけに雨も降ってきた。これじゃ山に登っても平成新山は臨めそうにない。仕方なく山をおり、島原の街を目指すことにした。

ひと際大きい平成新山の山塊

左が普賢岳、右が平成新山、

崩落時の写真


雲仙普賢岳資料館

島原の街まで下り、雲仙普賢岳資料館を訪れた。ここは国土交通省の施設で入場無料である。普賢岳噴火の様子や復興の歩みをビデオで見ることができ、復興計画が模型や写真で展示されている。

ほぅ、島原市から深江町にかけて災害対策の高架道路が造られたのか。被災時には土石流が山を下り海まで達して、海沿いの鉄道や道路が寸断されたという事があったなぁ。これならいざという時、動線が確保される。他にも土石流の勢いを抑えるための大規模な堤工事や護岸工事。自然との戦いだなぁ。

島原深江道路

土石流被災家屋保存公園

完全に埋もれてしまった民家、これは土石流災害の恐ろしさを教訓として後世に伝えるため、被災した家屋をそのまま保存しているもの。家屋は平均で2.8m埋没している。言葉がでてこない。こうなると人間の力ではどうにもならないのではと思えてしまう。

道の駅「みずなし本陣ふかえ」内 土石流被災家屋保存公園にて


グゾウニとは?

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