島原 -水の都-

島原の街を歩いているとあちこちで水が湧いているのを見かける。点在する水場、水路も多い。総称して島原湧水群といい、日本名水百選にも選ばれている。とある水場でペットボトルに湧水を詰める男性は、長崎市内から車を飛ばして汲みに来たとのだいう。ちょっと汲みに来た‥‥にしては遠いと思うのだが、これでお茶を入れると美味しいんですよと‥‥。

島原市内になぜ湧水が多いのだろう? 島原湧水群の多くは、約200年前の雲仙普賢岳噴火に伴う群発地震に誘発されできたという。島原市街のすぐ背後にある眉山もこのとき崩壊し、その際一夜にして現われたというのが白土湖である。地質的には眉山に降った雨が海に向かって地層内を流下し、市街のいたる所で自噴しているのだ。

湧水を汲む人

鯉泳ぐ水路

湧水メカニズム(しまばら湧水館資料)

島原市内で湧くのは水だけではない。温泉も湧く。飲泉場も街中でいくつも見つけることができる。島原温泉の泉質は無色透明な炭酸水素塩泉である。島原温泉の成因は火山と関係があり、あの雲仙、半島反対側の小浜温泉とも無関係ではない。島原、雲仙、小浜はそれぞれ炭酸水素塩泉、硫黄泉、食塩泉と全く違う泉質であるが、もとを正せば一連のメカニズムで造られている。まずマグマ水を起源とする高温の食塩泉が造られ、そこから分離した硫化水素ガスが比較的地表に近い場所で地下水と出会い硫黄泉を造る。またガス成分のうち炭酸ガスは炭酸泉や炭酸水素塩泉を造る‥‥。こんな風に泉質にバリエーションがあるのが火山性の温泉の特徴である。

話が長くなってしまったが、そろそろ今宵の宿へ‥‥。


飲泉場

飲泉場

造泉メカニズム(雲仙岳災害記念館資料)


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