小浜温泉 -個性豊かな小浜の共同浴場-

茜の湯

宿を発つ際、「これから共同浴場へ行ってみようと思ってます」と告げると、「それならここで券を買っていくといいですよ」と‥‥。茜の湯という海辺の風呂の入浴料が、通常300円のところ宿泊者は100円になるのだとか。もちろん即購入。丁寧に見送られ宿を後にすると、茜の湯へ向かった。おー、海上露天風呂と書かれた木囲い。こりゃ海辺というより海っぺりだなぁ。防波堤の外側、消波ブロックの中の露天風呂。海面との差は最小で20センチ、波が高ければもちろん入浴不可だ。目の前から聞こえる波音、湿った潮風、臨場感たっぷり。きっと落陽時には夕陽に照らされて、文字どおり茜の湯になるんだろうなぁ。

海上露天風呂の文字

茜の湯


脇浜温泉浴場

小浜温泉の共同浴場は茜の湯を含め3つある。宿から少し歩いたところで一軒見つけた。茜の湯にはつかった。もうひとつはどこにあるのだろう? 温泉街の中を目を凝らしながらゆっくり車を進める‥‥。あっ、あれっ‥。脇浜温泉の文字が目に飛び込んだ。そこには‥‥。

こ、こいつはすごい! 長年雨風に耐えてきた木造の浴舎、どこかカビ臭さの漂う脱衣場。昭和初期、いや大正で時が止まったかのような空間だ。木枠のガラス引き戸の向こうが浴室。コンクリートの湯舟と床、裸電球がたったひとつ天井からぶら下がるだけの浴室。湯舟には高温の源泉と水を適当に混ぜて注ぐ。水でかなり薄めているにも関わらず、しっかりとした感触のある塩化物泉。湯口からちょっと味をみると、塩気とわずかな甘味を感じる。

こんな浴場が現存していること自体ワクワクする! これだから止められない! 唸ってしまう程匂いたつ雰囲気をもつ共同浴場だが、若い女の子は絶対に引くだろう。

脇浜温泉浴場

脱衣棚

ガラスの引き戸の向こうが浴室

裸電球ひとつだけの浴室


長崎といえばちゃんぽん!

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