国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度


対象帳簿書類

この制度の対象となる帳簿書類は、国税関係帳簿書類のうち、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿及び自己が一貫して電子計算機を使用して作成する書類とされます。(電子帳簿保存法4、5)

国税関係帳簿書類

国税関係帳簿書類とは、国税関係帳簿(国税に関する法律の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿で、輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律に規定する帳簿以外のもの)及び国税関係書類(国税に関する法律の規定により保存をしなければならないとされている書類)をいいます。(電子帳簿保存法2二)

「自己が」作成する帳簿書類

この制度の対象となる国税関係帳簿書類は、「自己が」作成するものでなければならず、相手方から受け取る領収書、請求書等は対象となりません。しかし、この「自己が」とは、「保存義務者が主体となってその責任において」という趣旨であり、「自ら」あるいは「自分自身が」というよりは広い意味合いで用いられています。すなわち、帳簿書類の作成のために電子計算機を使用するのは、必ずしも保存義務者自身である必要はなく、その従業員はもちろんのこと、委嘱契約等に基づく会計事務所・税理士事務所等の職員に電子計算機を使用して作成させる場合もこれに該当します。

「最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する」帳簿及び「一貫して電子計算機を使用して作成する」書類

この帳簿に係わる「最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する」とは、帳簿を備え付けて記録を蓄積していく段階の始めから終わりまで電子計算機の使用を貫いて作成するということを意味します。また、書類に係わる「一貫して電子計算機を使用して作成する」とは、書類の作成の始めから終わりまで電子計算機の使用を貫いて作成するということを意味します。つまり、記録過程において電子計算機を使用しない過程(結局のところ手書き)を含まずに作成する、ということになります。したがって、手書きで作成した帳簿や手書きで作成して相手方に交付する書類の控えは対象となりません。

対象帳簿書類の具体例
  1. 自己が電子計算機により作成する仕訳帳、総勘定元帳、補助元帳などの帳簿
  2. 自己が電子計算機により作成する損益計算書、貸借対照表などの決算関係書類

自己が電子計算機により作成して相手方に交付する領収書、請求書の控え(例えばレジペーパーの控えや現金自動預金支払機(ATM)の取引記録)

(注意)
既に紙で保存している帳簿書類については、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成したものであっても、それまで保存されてきた紙の帳簿書類と電磁的記録との同一性やその電磁的記録が要件を満たしていて備え付け及び保存がされてきたものであることの確認が困難であることから、この制度の対象とはされていません。



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