「桜窯(さくらがま)」は、藤原正夫・喜一郎の父子の陶房です。
 窯の名は、所在地がかつて「茨城県新治郡桜村」であったこと、また藤原正夫が、桜色の様な斑の紋様(御本手)が出る”粉引手”の作品を制作していることから付けられました。焼成にはガス窯を使用しております。
 陶房(自宅兼)では、常設で作品を展示しております。また陶芸教室も開講しております。

藤原 正夫

(ふじわら まさお)

FUJIWARA MASAO

(1940-2024)

藤原 喜一郎

(ふじわら きいちろう)

FUJIWARA KIICHIRO

(1973- )

 独立後の十数年は、笠間の土や使いながらも自分に合う土を探していましたが、その後は生まれ故郷である、愛媛県四国中央市新宮町(旧宇摩郡新宮村)の塩塚山麓から採取した赤土粘土を主に用いて制作しました。
 作品は、素地に白化粧を施した、いわゆる「粉引手」のものと、赤土に施釉すると深緑色に発色する「灰釉」を用いたものが中心です。
 器物に切り込みを入れ、窯の中でゆがませる「窯変形(ようへんけい)」の技法や、土星の輪からヒントを得た輪付の器など、さまざまな造形的な試行錯誤を繰り返しました。同時に、自宅の庭の草花を、その器と取り合わせるのも大きな愉しみとしながら日々を過ごしました。

 主に瀬戸から取り寄せた磁土で制作しております。色味は青磁・白磁のものが多いですが、色数を少しずつ増やし、淡い緑系の緑青磁、緑黄磁などの作品もあります。
 ロクロによる作品が中心ですが、磁器による手びねりの作品も時々制作しています。また釉薬を二重・三重に施す「掛分(かけわけ)」の技法にも取り組んでいます。

略 歴

藤原 正夫
1940 愛媛県に生まれる
1963 愛媛大学工学部卒業
1967 鎌倉(元北大路魯山人窯跡)其中窯 河村又次郎氏に
陶芸入門
1972 茨城県笠間市芸術の村で築窯
1977-90 池袋東武百貨店・水戸京成百貨店・銀座松坂屋
・いよてつそごう・鹿児島山形屋等で個展
1985 つくば市へ移築 つくば科学万博茨城パビリオン茶室
「双宜庵」の茶碗制作
1988 スイス・トルコ・ギリシャ・エジプトに美術研修旅行
1990 オークラフロンティアホテルつくば(旧・筑波第一ホテル)アネックスの客室およびホワイエの照明器具製作
1991 スペイン・フランス・スイス・イタリアに美術研修旅行
1992- 聖蹟桜ヶ丘京王百貨店にて個展
1994 インドに美術研修旅行
1995 第3回「めん鉢大賞展」入選

第1回「酒の器創作展」あいテレビ賞
1996 第2回「酒の器創作展」特別賞
1997 第5回「めん鉢大賞展」入選
2000 ドイツ・オランダ・ベルギーに美術研修旅行
2004 北海道大滝村「北海道陶芸展」テレビ北海道社賞

うつわの美 I(茨城県陶芸美術館)
2005 第18回「日本陶芸展」賞候補

笠間芸術の森陶芸展カサマソダチ(茨城県陶芸美術館)
2006 かたちの行方(茨城県陶芸美術館)

線をもつ器たち(茨城県陶芸美術館)
2008 窯と焼成 灼熱の創造空間(茨城県陶芸美術館)
2010 The Kasama ルーツと展開(茨城県陶芸美術館)

札幌芸術の森「ビアマグランカイ8」
2011 日本橋タカシマヤ7階 ギャラリー暮しの工芸にて作品展
2019 第27回 テーブルウェア大賞「麺の“器”コンテスト」
2023 三の丸尚蔵館名品展(茨城県陶芸美術館)
2024 1月21日、83歳で生涯を終える

略 歴

藤原 喜一郎
1973 茨城県に生まれる
1996 北海道大学教育学部卒業
2000 金津創作の森「酒の器展」
2001 金沢美術工芸大学工芸科卒業
4月よりつくば市にて創作活動
2002-5 北海道大滝村「北海道陶芸展」
2005・6 第43・44回「朝日陶芸展」
2006 第6回「益子陶芸展」

北海道伊達市「おおたき北海道陶芸展」北海道教育長賞
2008・10・12 札幌芸術の森「ビアマグランカイ」
2011 日本橋タカシマヤ7階 ギャラリー暮しの工芸にて作品展
2012・15 日本橋タカシマヤ7階 和食器にて作品展
2018・19 第26・27回 テーブルウェア大賞
「麺の“器”コンテスト」

【陶房所在地】〒305-0042 茨城県つくば市下広岡1116-1
【電話・fax】029-852-8860
【e-mail】sakuragama.tsukuba@gmail.com

(お越しの際は事前にご連絡頂けるとありがたいです。)

常磐高速道「桜土浦IC」を土浦・霞ヶ浦方面に出て、
最初の信号を左折、約200m先の左手が陶房(自宅兼)です。