文節分けと単語分け


中学の文法ではじめに出てくるのが、文節分けと単語分け。
そして、分けた文節の関係はなにか。(主語・述語など)
それぞれの単語の種類についてと細かく勉強していくことになるわけです。
さて、それでは文節、単語とはなんなのでしょうか。

文節に分ける

文節:言語単位の一。読む際、自然な発声によって区切られる最小の単位。
(広辞苑より)
学校の授業などでも「ネ」を入れて区切れるのが文節の分け方、というのは習った経験がある人が多いことと思いますが、これがつまり<読む際、自然な発声によって区切られる>ということです。
例えばこんなふうに。

水をたっぷり吸った大きな球根がきれいな小さい芽を出した。

→水を(ネ)たっぷり(ネ)吸った(ネ)大きな(ネ)球根が(ネ)きれいな(ネ)小さい(ネ)芽を(ネ)出した。
(浦辺粂子調に・・・って、知りませんか?)

これは別にネでなくてもサでもヨでもいいわけで、たとえば

水を〜たっぷり〜吸った〜大きな〜球根が〜きれいな〜小さい〜芽を〜出した〜(ってかんじ〜?)。

というふうにただ間をのばして読むだけでも立派に文節に分けることができます。
このようにネで切っても、あるいは間をのばしても立派に意味が通じるのはなぜなのか。それはひとつの文節には必ずひとつずつ自立語(それだけで意味を持っている言葉)が入っているからなのです。
文を一本の竹と考えると、文節は文字通り竹の節(ふし)で区切られたひとまとまり。ひとつにひとりずつかぐや姫(自立語)がいて光っている、というイメージです。(かえってわかりにくい?)
ふたつ入っていたり、逆に入っていなかったり、あるいはひとつの自立語がふたつの文節にまたがってはいっていたりしたら、それはどこかで切りまちがえていたということになります。
さて、これをさらに単語に切るとどうなるか。(ここがけっこうひっかかるところですね)

単語分け

水/を/たっぷり/吸っ/た/大きな/球根/が/きれいな/小さい/芽/を/出し/た。

単語とは<文法上の最も小さな単位>。つまり単語分けというのは、言葉を ひとつひとつの部品にまで分解してしまおうという作業です。
こうなると、例えば「を」という単語だけ取り出してみても



それだけでは???なんのことだかわかりませんよね。(「を」「た」などは付属語で自立語にくっついてはじめて意味を付け加えたりするものだから)
この例文で切り間違いをしやすいのは(吸っ/た)のところと(出し/た)のところでしょう。どこで切ればよいのかがけっこう迷うところですね。
これらはそれぞれ、「吸う(動詞)」「出す(動詞)」におまけの「た(助動詞)」がくっついたものです。
吸う+た→吸った
出す+た→出した
「吸う」や「出す」などの動詞は下にくっつく言葉によって言いやすいようにおしりを変化させることができます。(これがつまり「活用する」ということで、まあ合体ロボみたいなものと考えてよいでしょう)
だからくっつけた「た」の前までが動詞の部分なので(形はかわっていても)、
吸っ/た
出し/た
というようにきればよいということになります。
さて、文節分けの時に「ネ」をはさむようないい方法が単語分けにもないものか。
これがなかなかむずかしくて、正攻法は文節分けしたものの中から自立語をチェックして、残りの部分をさらに単語に分解していくということになりますが、ひとつの方法として、「ネ」のかわりに「ポン」をはさんで読んでみるというのがあります。(この方法は前の塾にいたときに小林先生という人から教わりました)

水(ポン)を(ポン)たっぷり(ポン)吸っ(ポン)た(ポン)大きな(ポン)球根(ポン)が(ポン)きれいな(ポン)小さい(ポン)芽(ポン)を(ポン)出し(ポン)た(ッポ〜ン)。

これはリズミカルにやるのがコツです。吸っ(ポン)た(ポン)のところはうちの教室でやったらけっこう受けていましたっけ。
同じ「っ」でも(たっポンぷりポン)とはしないように気をつけましょうね。(まあ、しませんよね)


間違えやすい品詞の見分け方につづく

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