円高ってどういうことですか?
期末テストの公民のテスト対策をしている生徒から
「円高がよくわからないんですけど」と質問されまして。
「円は1ドル122円から120円になって、2円の円高です」
−2円で2円高。たしかに「?」な気持ちはわかる。
素朴な疑問ですよね。
これは「1ドルを手に入れるのに昨日は122円必要だったけど、
今日は120円ですむから円の価値が高くなっておりますよ」ってことなんす。
戦後25年間、1ドルは360円で固定されておりました。
それが308円を経て変動相場に移行して、
一時は1ドルが100円をきるところまでいき、
現在の1ドルが120円くらいの相場。
同じ1ドル360円が120円って、これはなかなかたいへんなことですよ。
10000ドルの車を買うのに、日本円では360万円必要だったものが
まったく同じ車が120万円で買えるってことなのですから。
外国に行って買い物するときも、
36000円で100ドルのものしか買えなかったのに、
同じ36000円で300ドル分の買い物が出来てしまうわけですから。
なんかいいことばっかりで、だったらどうして「円高」でたいへんだ!なんでしょう。
このあいだまで360万円の外車が120万円で買えて、
9000円の洋酒が3000円になっちゃうんだから、、
日本の車やお酒のメーカーはたいへんだ、ですよ。
また、
日本で360万円の車をアメリカに輸出するときは10000ドルで売れていたのが、
同じ車が30000ドルになってしまうんだから、これは売るのたいへんだぞ。
実際には外国から入ってくるものに対する関税など、そう単純にはいきませんが、
あえて単純にしてしまうとだいたいそういうことでいいのかな、と。
しかし、そういうきびしい中で生き残ってきた日本のメーカーってものは、やっぱたいしたもんですよ。
(これは2001年時点の原稿です。さて、今は円高になっているかな?)
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