ミーコとマイケル
マイケルという年とった猫をときどき我が家であずかっていた。もともとは外国人の家庭で飼われていて飼い主の帰国とともにのらになった、というのはあとから近所の人に聞いた話。実際「おいでー」と呼んでもしらんぷりだが「Come on!」には反応する。
あまりえさをとるのもうまくなくて近所の小学生が時々えさをあげたりしていたのだが、かなりやせ細っていた。
性格も穏和でとても礼儀正しいマイケルを飼おうという人が現れたのだが、その人は月のうち何度かは家をあけなくてはいけなくてその間うちであずかることになったのだ。
あかんぼうのミーコがうちに来たのは、マイケルの飼い主が決まってからひと月ぐらいしてからで、マイケルがときどきやってきて滞在するときは大はしゃぎしていた。
ミーコがしっぽにじゃれつく。
マイケル、けむたそうにフンと鼻をならす。
ミーコ、さらにしっぽにじゃれつく。
マイケル、しっぽをふってよける。
ミーコ、またまたしっぽにじゃれつく。
ええかげんにせい、というかんじでマイケル押さえ込み。(マイケルはもともととてもでかい猫なので栄養がたりてるととても重い)
ミーコ、じたばたじたばた。
マイケル、ミーコの上からのそのそどいて狸寝入り。
自由になったミーコ、またまたしっぽに・・・
というような一連の動作が繰り返されたのち、マイケルがのそのそと逃げ出していくというのが毎回のパターンであった。
やがてミーコもすくすくと成長していったわけだが、前に書いたごとくよその猫が来たりするとしっぽをふくらませる弱虫である。
でも毛もずいぶん抜けて歯もすかすかしたマイケルが来たときだけはもうじゃれついたりはしないけれどとても落ち着いていたのだった。
マイケルは飼い主の方にとても大切にされて数年を生き、老衰で大往生をとげたという。
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