私立入試は推薦抜きには語れない


 私立高校の推薦枠はそれぞれの中学校によって○○高校2名、△△高校3名といったように決まっていて(その高校とのつながり、過去の実績などによる)、本人の希望、成績などにより中学校側が推薦する生徒を選んで高校に送るということになる。
 近年大幅な改革が行われて推薦は定員の50%までという取り決めになったが、正式の推薦でなくても一般受験の生徒と一緒にテストを受けて後から考慮してくれたりということもあって8割から9割が推薦で決まっているところも多いというのが実状であろう。(都立普通科は定員の2割)
 それだけに何もない一般受験で受けた場合の枠は非常に狭く、より厳しいものとなり、競争率は受験雑誌などにのっている以上のものとなるというわけである。
 実際基準よりも偏差値5ぐらい高い生徒が楽勝と思って一般受験して不合格という事例はざらである。(その子よりもだいぶ低い子が推薦で通っているにもかかわらず)
 それだけに私立高校受験を考える場合、「まず推薦」「必ず推薦」というのが大原則となる。
 私立の推薦基準は内申(通知票)の3科目の合計がいくつ以上、5科目の合計がいくつ以上、9科目の合計がいくつ以上、偏差値、欠席日数などで示されていて例えば9教科で基準にたりなくても3教科でクリアしていればセーフである。
 基準を満たしていてまだ枠があいていればそれを高校に送ってだいたいだじょうぶ(内定ということばは使わない)ということになるわけである。
 誰をその高校に推薦するかということは2学期の10〜11月頃に行われる三者(担任・父兄・本人)面談で正式に話し合うということになるが、枠が決まってしまえばそれでおしまいだし、どうしようかと考えている間に他の人が入ってしまうこともあるので志望が固まっている人はできるだけ早い時期に担任や進路担当の先生に相談しておいた方がよいだろう。
 内申については基本的には中3の二学期の成績が送られるわけだが、最近では中学3年間のすべての成績を見る学校も増えている。
 さて、ここで問題なのが偏差値というものの存在である。
 中学校内での学力テスト(いわゆる業者テスト)が廃止されるまでは中3の夏休み後に毎月行われるテストのうち、よかった3つの平均をとって出していたのだが、現在では多くの中学校でその学校独自の実力テストを作って、その中で偏差値らしきもの(本来偏差値は使ってはいけない通達であるから偏差値というものは存在しないことになる)を出してそれに代えるという方法をとっている。
 偏差値というのは全体の集団の中で自分がどの位置にいるかということだから、それが学校内のテストではかられるとすると当然各学校によってかなりのばらつきがでてくる。 できるだけ客観的な数字を、ということで地域の中学校どうしでネットワークをつくったりというようなとりくみもあるようだが、送る側の中学校も受け取る側の高校も手探り状態というのが現状のようだ。
 いずれにしても自分が全受験生の中でどの程度の位置にいるのか、ということを認識していないとどこの学校を狙うかという目安もつかないし、「ここなら推薦で入れる」と提示された場合の判断もつきかねるということになる。
 会場テスト、コンピューターテストなどもおおいに利用して実践力をつけるとともに学校内だけではない相対的な力を知り、具体的な高校の名前を知っておくことが大切である。


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