都立入試はこうして決まる
その1 都立入試内申のマジック
5教科(英・数・国・理・社)オール5だが、実技4科が3のAくんと、5教科が3で4科が5のBくん。
Aくんの合計は5×5=25と3×4=12で37。
Bくんは3×5=15と5×4=20で35。
ふたりが同じ高校を受けたとして、本番の都立入試は5教科だから力的にもAくんが断然有利、と思ったら実はそうではない。
都立入試は1000点満点で判定される。本番テストと内申点が5対5の高校が一般的で、その場合テストの得点と内申を500点満点に換算したものの合計がその生徒の総合得点になる。
都立入試における内申点は3年2学期の通知票の成績+特記事項(生徒会、部活動での際だった成績、など)が使われるわけだが、英・数・国・理・社はそのまま、実技4科は1.3倍して合計される。
ここでふたりの成績を換算内申にしてみてみると、Aくんは5科25と4科12×1.3=15.6で40(小数点以下切り捨て)、500点満点になおすと(換算内申×500÷59)338点。かたやBくんは5教科15と4科20×1.3=26で41、500点満点では347。本番のテストに臨んでのふたりの持ち点(?)は完全に逆転している。
音楽や美術は受験科目ではないからといって授業をいいかげんに受けていたり提出物を出していなかったりするととりかえしのつかない痛い目をみるということがおわかりでしょう。
その2 本番都立入試と偏差値の関係
Aくんはもともと5科目オール5なのだから本番では高得点をあげてBくんとの差を再びひっくり返すということも考えられるが、そこは一発勝負のテストだけに実力通りの点数がとれないということも十分起こりうる。本番に強いかどうかということもあるし、学校の通知票が5だったとしてもそれは学校の中で限られた範囲の中でのもので、そのまま入試で相応の点数がとれるということにはならない。テストの得点というのは実際に受けてみないとわからないのである。
さて、そこで登場するのが例のごとく偏差値である。
偏差値46なら本番では260点、48だと280点、50で298点といった具合に自分ののテストでの「とれそうな」点数を予測してそれを目安にすることになる。ここでの偏差値はあくまでもそのテスト会社のデーターをもとにしているが、過去に中学校内で行われていた学力テストの実績、現在でもその年に高校を受験する多くの生徒が受けていることを考えるとかなり(もちろん絶対ではないが)信頼できる数字と言えよう。
まわりに全く知らない他校の生徒がたくさんいる中でテストを受ける。本番のためのリハーサルとしてももちろん模擬テストというのは大事な場であるが、それ以上に早い段階で何度も受けてみてよかったりわるかったりの中から平均してどれぐらいの点数がとれそうなのかを知るための目安をつけるためのものと考えておくべきだろう。
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