湿度が高いとなぜ暑い
サウナのひみつ
サウナの中の温度は100度近い。人間の体はほとんどが水分で、水の沸騰する温度は100度。だからふつうに考えればとんでもないことになってしまいそうに思えるが実際にはそんなことはなくて中にあるテレビなどを見てふーふー言いながらがまんすることができる。
これはなぜかというとサウナの中は湿度が極端に低いからだ。
湿度はこのような式で表される。これはその温度での飽和水蒸気量に対してどれだけ空気の中に水分を含んでいるかということ。
飽和水蒸気量というのはむずかしいことばだが、ぶっちゃけていうとこれ以上は空気の中にためとけないよ、という限界の量のことで、空気の中の水分が多くなって飽和水蒸気量と同じになると湿度100%である。
つまり湿度が低いというのはそれだけ水分を受け入れる余裕があるということで、この余裕がサウナがえらいことにならないひみつである。
小学校の校庭の隅っこなどに1mほどの四角い白い箱が設置されている。ハトの巣箱でもないし、うさぎのねぐらにしては高いところにある。
なんなんだと思った人も多いことだろう。
この箱は百葉箱というものであけてみると中には温度計が2本入っている。
一本は乾球、もう一本は湿球といって乾球よりも低い温度をさしている。
湿度はこの2本の温度の違いから出すことができる。
例えば乾球が20度で湿球が16度なら乾球の読みの20のところを横に見ていって、乾球と湿球との目盛りの読みの差4(20−16=4)と交わった64%が湿度ということ。
同じ乾球20度でも湿球が18度ならば横20、たて2で湿度は81%になる。
乾球はふつうの温度計だが、湿球には水をしみ込ませたガーゼがまいてあるようなつくりで、水が空気中に蒸発するときには熱をうばう(液体から気体にかわるためのエネルギーとして)から湿球の方は低い温度を示す。
乾球と湿球の差が大きい
→多くの熱をうばった
→水分がたくさん蒸発した
→空気の中に水分をためられる余裕が大きかった
→湿度が低い
乾球と湿球の差が小さい
→あんまり熱をうばっていない
→水分がちょっとしか蒸発しなかった
→余裕があまりなかった
→湿度が高い
人間の体はうまくできていて、暑くなると汗が出るようになっている。湿度が低ければそれだけ汗はたくさん蒸発できるからそれによって体温を下げることができるわけだ。
さて、ここでもとの湿度の式にもどってみよう。
分母の飽和水蒸気量というのは温度が高くなるにつれて大きくなっていく。
これは熱いコーヒーほどたくさん砂糖をとかすことができるのと同じりくつである。
分子(空気中にある水分)が同じでも温度が高くなれば分母が大きくなるわけで当然暑いけど湿度は下がって汗はどんどん蒸発だらだらだら。
こうしてめでたくサウナから生還して水風呂でさっぱり。水分を蒸発させた体にカーッ、ビールがうまい(おっと、失礼)ということになるわけである。
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