田舎暮らし
恐怖の巻





2000年の敬老の日(9月15日、夜7時半頃から8時頃)、牧丘町と塩山市との境界付近(新隼橋北交差点)から塩山市・塩山警察署までの出来事:


只ならぬ気配。後方より車が接近してきた。何事かと思い、道の左側に止めて道を開けた。だが、その車は私の車の後部に、接触するようにして止まった。そして、絶え間無くクラクションを鳴らして威嚇する。接近しすぎている為、ナンバーも車種も分からない。

恐怖を感じた。

さて困った。家に戻れば、家内を巻き添えにしてしまう。
雁坂道に沿って約4キロ行けば日下部警察があるが、道中人家もまばらで、かえって危険だ。

それならばと、近くの新隼橋北交差点を左折して恵林寺、三日市場、塩山高校西、向岳寺を経由し、中沢ガード北交差点を右折して塩山警察署へたどり着く道を選んだ。

ただ、ひたすら逃げ捲った。しかし、対向車線に車が来なくなると、彼は右側に出てきて、私の顔を睨みながら威嚇する。対向車が来ると、今度は後部にぴったりと、つきながらクラクションで脅す。また、ルームライトを点灯して自分の顔を故意に浮き上がらせ、それで私を脅す。早く塩山警察署に駆け込みたい。

信号機は、ずーっと青でいて欲しい。
しかし、運悪くも、中沢ガード北交差点の信号機が赤になった。

彼は、車から降りて私の車の運転席側へやってきた。

コノヤロー・コノヤロー
殺スゾッ・コノヤロー
殺スゾッ・殺スゾッ
出テコイッ・コノヤロー

と、叫びながら、敵は私の乗っている車のドアを蹴る。十数回であろうか、車が左右に揺れる。はじめは恐怖と狼狽。しかし恐怖と興奮が少しおさまると、今度は、抑制し難い、激しい怒りの渦が湧き上がってきた。敵を横目で睨みながら、精神を落ち着かせる努力をする。敵が蹴るたびに、草履の裏についているゴム底の模様が、鮮烈に私の眼に飛び込んでくる。まるで、スローモーションの画像を見る如く、はっきりと、そして妙に鮮やかに、ゴム底の波形模様が私の脳裏に焼き付く。この顔は、牧丘町の何処かで見た覚えがある。

蹴り疲れたのか、今度は素手で窓ガラスに、空手の突きを入れだした。「ガラスが割れたらどうしようか」が心配となった。

やっと、信号が青になった。赤信号がこんなにも恨めしく思ったことはない。青信号が嬉しく、地獄に仏の感があった。

この交差点を右折し、「恐怖と怒り」を必死に堪えながら、ただひたすら、塩山警察署へ向って車を走らせた。

前方右手に塩山警察署が見えた途端、後続の敵は、なんの躊躇も無くパチンコ店の駐車場へと消えて行った。パチンコ店の常連客であろう。

塩山警察署で一部始終を話した。直ぐにでも、あのパチンコ店へ取って返し、敵を逮捕してもらいたかったが、証拠調べや、被害者である私の指紋採取が優先した。ドアの凹みを撮影し、窓ガラスに残っている指紋を指紋用テープに転写した。それから状況説明があり、数十分が経過した。その後、警官2名とパチンコ店へ行ったが、既に遅しであった。警察に対する印象は、劇的に大きく変わった。

翌朝、ドアと窓ガラスの写真を自分で撮った。新車同然のRV車のドアが凹んでいる。また、窓ガラスには”突き”による脂肪と指紋が付着していた。

敵の行った脅迫行為と財物損壊の状態(写真)等を概説する 。

1.指紋が採取された。
2.上の写真に見られる如く、強度が高いと思われる部位にも拘わらず、鉄板製ドアには、足蹴りによる凹みがくっきりと観察される。ゴム底の草履を履いていても、この様な破壊力を発揮するのであるから、敵の凶暴性には計り知れぬ恐ろしさがある。すなわち、脅迫者の蹴る力は極めて強く、脅迫者の肉体そのものが刀剣類と同等な凶器とみなされる。また、脅迫時の言動等を分析すると、未遂に終ってはいるが、十分な殺意を持った殺人未遂行為と解釈される。
3.一連の執拗な脅迫行為を分析すると、常習者であるとも解釈される。
4.脅迫者は、依然として野放し状態にある。


田舎暮しの極意