また来ます小笠原

 出発の日が来た。 何をしに来たのか問われたとき、ボケーッとしに来たと答えていたが、果たしてボケーッと出来たのだろうか。 何もしていなくても、何かをしていても、きっと帰るときは物足りなく思うのだろう。 島を離れる事自体が心残りなのだろうから。 同宿だった人も話していたが、ここにすむことは容易いが、ここで生活することは難しいのだ。 自分に何が出来るのかが問われている。
 また沢山の人たちが見送りに来てくれた。 いろんな船からなる船団がエスコートしてくれる。 小笠原ミュージカルもフィナーレだ。 見送る人も、見送られる人も、全員立ち上がって再会を約束する歌を唄っている。 観光客は、このミュージカルの役者であり観客であるのだが、いつの日か裏方となる日を信じて言おう。 また来ます小笠原。

出航前のスコール 遠くは晴れている
大粒の雨 やんできた
地元農家の直売 おがさわら丸乗船
タラップが外される もやいも外す
離岸 出港です
聟島列島が見えてきた
雲が出て 夕日は見られず
波は穏やか 竹芝桟橋に到着

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