父島返還祭

 父島での返還祭も本番である。 いつもは夕食は5時半から6時半までなのだが、南国荘のお嬢ちゃんたちが出演するというので、5時40分からにさせて下さいと説明を受けていたので、その時間あたりに一旦宿に戻ることにした。 映像クリエーターの人も同宿で、やはり一旦食事をしてから出直そうとしたとの事で、色々参考になる話を聞きながら宿に戻ると、娘さんが気がかりだったようで、ご飯のスイッチが入っておらず、食事は6時からとなった。 映像クリエーターの人も、それはそれで一休みしてもいいか、という気分でいたようで、いい幕間劇ともいえるのだろう。
 ゆったり休んでから、再びお祭り広場に向かった。 占領時代のスクールの校長だったジョージ横田氏の話が始まっていた。 映像クリエーターの人も、これはしっかり撮影しようと考えていたようで、正面にしっかり構えていた。 通訳を交えて30分近い話であったが、実に味わいのある内容の濃い話だった。 まるでミサのように、皆しっかりと聞き入っていた。
 ダンスや歌が始まったので、少しだけど花火が上がるというので、大神山展望台に上って待つことにした。 すると、青灯台の前に沢山の警備をしている人たちがいるのが目に入ってきた。 そちらで打ち上げるようだが、安全を考えてか、割と離れたところから規制をしているのだ。 これも、アバウトだった母島とは違うなあと思いながら待っていたが、意外と長く待つこととなり、あちこち蚊に刺されてしまった。
 大神山展望台に向かってスピーカーがあり、返還祭の音ははっきりと聞こえていた。 花火の前にスチールパンの演奏があったのだが、これが実に見事な演奏で、花火の後にアンコールが行われるというので、急いで展望台から降りて行った。
 7年前は気がつかなかったスチールパンだが、演奏は難しそうなので、素人の演奏ではたいしたことないだろうと思っていたのだが、これがまた実に素晴らしい演奏だったのだ。 こちらもスチールパンに関しては素人で、評論するほどのものではないのだが、音がきれいで揃っていて、練習量の多さが見て取れるほどしっかりとしたものだった。 明るいうちに練習していた様子も見たが、若い人が多くて、まじめに取り組んでいる姿勢が伝わってきた。 どのような経緯で始まったのか不明であるが、なんだか新しい文化が生まれる島小笠原に定着するのではないかとの予感がする。 アンコールの祭に、沢山の人が舞台の前に押し寄せ、みんなノリノリになっていたのを見れば、演奏者にも励みになったのではないのだろうか。 ますます練習にも熱が入るだろうし、十分評価に値するカルチャーになると思うのだ。 また次の楽しみが出来た。

返還祭が始まりそう いろいと準備
スタッフだか誰だか 場所取り
本部席 舞台の前
続々と集まる お店の準備
速くも雰囲気を楽しむ 美味しそうだけど、まだ
記念撮影 出番待ち
親たちが最前列に 注目を集める
本部の人たちも しっかり見つめる
後ろの方の人は別のことに だんだん日も暮れてくる
こっちが目的 ジョージ横田氏のトーク
ジョージ横田氏の話を聞き入る 村長さんたち
みな真剣に聞いている 大神山展望台より
スチールパンのアンコールが始まる 舞台の前は大盛り上がり

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