「しるべ」とは、みちびき、指南、案内等の意味を持ちます。都市のなかでの人間の行為に直接指示を与えるのです。信頼を受けた選良として常に最良の行為を支持して欲しいとの願いを込めて「しるべ」と名付けました。 新湊市の市町村合併を見据えて! | 地方交付税法 | 地方交付税発表 | 財政力指数 | 県市町村課 | 財政用語 |

しるべ政策研究会




 私は新湊市議会議員 菊民夫 です。 ■しるべ9月号 2001■
市政談議 
市町村合併を見据えて

市の財源と、地方交付税について




地方交付税とは


 地方自治体間の財源の不均衡を是正し,すべての地方白治体が合理的かつ妥当な水準の行政を行うのに必 要な財源を保障するもので,国税のうち,所得税,法人税及び酒税の収入見込額の32%と消費税の収入見込 額の29.5%,たばこ税の収入見込額の25%を合算した額に前年度以前の年度分の精算額を加減した額を総額 とし,その94%が普通交付税,6 %が特別交付税として各地方自治体に交付される。
 普通交付税は,基準財政需要額が基準財政収入額を超える場合に,その超える額を財源不足額として交付 されるものであり,一方,特別交付税は,特別な財政需要に対応するもので普通交付税の算定に反映するこ とのできなかった具体的な事情を考慮して交付されるものである。


新湊市の平成13年度予算歳入構成比(%)
市税(自主財源) 41.6% 地方交付税 21.1% 市債 8.2% 諸収入 7.6% その他の収入 21.4%

市町村合併には国と地方の税源の分離必要!
地方消費税は自主財源になりえるの!




 地方債と地方交付税について!



 全国3300余りの自治体がある。その自治体の850余りが歳入の地方税比率が10%に満たない町 村である。自主財源だけで住民の公共サービスを受けることが出来ない自治体である。だから財源の多くを 交付税や補助金に頼らざるを得ないのである。
 今まで、自治体が公共事業を行う場合、地方債でまかなうことが多く、その償還財源に交付税が充てられ てきた。交付税措置が保障されるから、各自治体は競って社会資本整備の充実を図ってきたのである。その 結果、所狭しと文化会館・福祉会館・勤労青少年ホ−ム等、様々である。地理的条件や歴史的条件があった にせよ行政区域を少し跨いだだけで同じような「ハコモノ」が目立つのである。合併を推進していく中で 辛口評論家の住民には「無駄遣い」としか写らないのではないか!

 小泉首相の「聖域なき構造改革」で、地方の関心が一番高いのは、財源問題である。予算編成で、地方へ の歳出と公共事業費の削減を打ち出し、そのための地方交付税や補助金を削る方針である。「国の税源委譲 を明示せず、痛みだけ押し付けられてはたまらない」との声である。だから交付税や補助金制度を見直す必 要があろのである。
 国は、自治体が財政面で自立できる「改革」はまさに「市町村合併」と言わんばかりの答えである。地方 分権時代にふさわしくという観点からも、補助金や交付税の縮小に対して、その分、所得税の一部など国税 を地方税に移譲する。このことが基本であるはずだ。
 この問題について

  • 「交付税の簡素合理化。自治体の意見を反映」(自民)
  • 「国―地方の税収比率を半々に。交付税の見直しと透明化」(民主)
  • 「所得税、住民税を統合し、地方へ税源移譲」(社民)
  •  など、各党の主張は分かれている。
    地方の自立は、自治体の自主財源の充実が前提であることは間違いないと思う。もう少し国の動きを見極め たいと思う。


    2001年国一般会計歳出予算構成比(%)
    社会保障費21.24% 公共事業関係費 11.42% 文教・科学振興費 8.04% 軍事費 6.00% 他の一般歳出 12.17% 国債費 20.78% 地方交付税 20.35%

    は歳入不足の恒常化、財政体質の悪化!
    一般会計歳入82兆6,523億円(前年対比−2.7)
    歳出の20.35%、17兆1,705億円が地方交付税である。




    平成13年度、地方交付税制度の見直しとは!
    地方交付税の財源不足を交付税特別会計の借入で


    【制度内容】 「従来、地方交付税特別会計に不足が生じた場合、これを埋めるために地方交付税特別会計で 借金を行っています。その結果、国では地方交付税特別会計が42兆円にものぼる借入残高を抱えることに なった。これに対処するため大きな見直しが行われ、平成15年度までの3年間、地方交付税特別会計の不 足の一部は、これまでのように特別会計で借金するのではなく、国と地方が折半して負担することになった。 このため、地方負担分については、これまで特別会計が借金をして地方公共団体に交付していた分減額し、 そのかわり、各地方公共団体が臨時財政対策債(特例債)を発行することが認められるようになった。
     これは地方公共団体の側から見れば、地方負担分については、これまで地方交付税として現金給付を受け ていたものが、特例債という借金に変わることになるのである。これはいわゆる赤字地方債である。今回の 制度改正では、地方への激変緩和措置として平成13年度に限り、地方交付税の減額幅を本来の1/2にす ることとしたが、それでも地方負担分は全国で1兆4,400億円にも上るのである。」

     この減額分を埋めるため、各地方公共団体には特例債の発行が認められていますが、それを発行した場合 には、将来、元利償還金が地方交付税で措置されることになっており、将来債務の増大に対応できるとされ ているのである。
     しかしながら、特例債(市で設定した起債制限額)を発行すれば、市財政にとって重要な指標になる経常 収支比率、起債制限比率に悪影響を及ぼす事が考えられる。また、交付税制度自体の存続が危ぶまれている 状況の中で、はたしてこれに手を染めて良いものか、財政当局も判断に苦しむところであると思う。市の将 来債務の拡大を抑えるためにも、平成13年度は特例債を発行するかしないかの判断が必要となっています。 行政改革大綱に基づく経費の縮減施策及び財政調整基金(貧血)の投入等で、切り抜けたとしても財政事情 は変わらないはずである!
     平成13年度分に対する県及び他市の対応を充分検証する必要がある。基本姿勢としては行政改革大綱に 基づく将来債務の膨張抑制を堅持しつつ、今年度スタ−トした新総合計画事業の見直しも含め、市民生活に 直結する行政サービスを低下させることのないように努力されたい。 現段階では不確定ではあるが、来年度以降の地方交付税の減額についても、財政運営の効率化と市町村合併 は斬っても斬れない問題として残るのである。

      菊民夫は、市町村合併を前向きに考えています。
         財政難と真綿で首絞め、後押しを!
              市町村合併、横目で見ながら、知らぬ振り!

    <国の思惑と市町村のスタンス>

    川柳 tamio 2001.9.29


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    【参考資料1】財政用語解説


    実質収支・単年度収支

     実質収支は,一会計年度の決算において,収支が赤字であったか黒字となっているかをみるための指標で,当該年度の歳入決算額から歳出決算額を差引いた額から,翌年度へ繰り越すべき財源を控除して算出する。これは,本来当該年度に属すべき支出及び収入が,当該年度に実際に執行されたものとみなすことにより,実質的な収支の状況を見ようとするものである。
     実質収支には,当該年度以前の財政運営の結果として累積された赤字や黒字の要素が含まれている。そこで,当該年度の決算による実質収支から前年度の実質収支を差し引き,当該年度一年だけの収支を表したものを単年度収支という。

    自主財源

     地方自治体が自主的に収入し得る財源をいい,地方税,分担金及び負担金,使用料及び手数料,財産収入,寄付金,繰入金,繰越金等がこれに該当する。

    依存財源

     国(市町村の場合は,都道府県を含む。)の意思により定められた額を交付されたり,割り当てられたりする収入をいい,地方交付税,国庫支出金,都道府県支出金,地方譲与税等がこれに該当する。

    国庫負担金

     地方自治体又はその機関が行う事務のうち,国が地方自治体と共同責任又は共通の利害関係がある事務に対 して,経費の負担区分を定めて国が義務的に負担する金銭給付をいう。
     具体例としては,義務教育費国庫負担金,生活保護費国庫負担金,道路・河川・港湾等新設・改良費国庫 負担金,災害救助事業費国庫負担金などがある。

    国庫補助金

     地方自治体が行う事務で,国がその実施を奨励するため,又は財政上特別な必要がある場合で国が必要と 認めたときに支出されるものである。補助対象事業は多岐にわたり,幼稚園就園奨励補助金,組合区画整理 事業補助金,埋蔵文化財発掘調査補助金等がある。

    国庫委託金

     本来は国が行うべき事務を,国民の利便,経費の効率化等の観点から地方自治体に委託する場合,その経 費の全額を国が地方自治体に交付するものである。具体例としては,国会議員の選挙,国勢調査,外国人登 録等がある。

    義務的経費

     性質別経費のうち義務的・非弾力的性格の強い経費で,一般には人件費,扶助費及び公債費を指す。人件費は経常的に支出を予定せざるを得ないし,扶助費は生活扶助をはじめ  法令の規定によって支出が義務づけられており,また,公債費は負債の償還に要する経費であって,いずれも任意に節減できない経費である。
     義務的経費の増加傾向は財政構造の硬直化を招く恐れがあるので,その内容,動向に注意する必要がある。

    消費的経費

     人件費,扶助費,物件費,維持補修費,負担金補助及び交付金等で,その経費の支出効果がその年度限り又は極めて短期間に終わるものをいい,後年度に形を残さない性質の経費である.

    投資的経費

     経費支出の効果が,施設等のストックとして後年度に及ぶ性質の経費で,普通建設事業費,災害復旧事業費,失業対策事業費があり,この割合が高いほど財政構造に弾力性があるといわれる。

    公債費

     市債の元金の償還及び利子の支払いに要する経費をいう。市債は,ある程度活用すべきであるが,後年度の財政負担となる。このため,公債費の一般財源に占める割合を算出し,その限度を計数的に見ることとしており,この割合が一定割合を超えると,市債の発行が制限されることになる。
     また,公債費は,消費的経費のうちの人件費及び扶助費とともに,義務的経費と呼ばれ,その増嵩は財政硬直化の要因となるため,留意が必要である。

    繰出金

     国民健康保険,市場,基金等の特別会計,病院,水道,公共下水道,自動車運送,高速鉄道事業の公営企業会計に対し支出される経費で,内容的には,公共下水道,高速鉄道建設にかかる投資的なもの,国民健康保険会計等に対する財政支援的なもの,基金会計に対する積立金的なものなどがある。

    一般財源

     財源の使途が特定されず,どのような経費にも使用することができるものをいい,地方税,地方譲与税,地方交付税などがこれに当たる。これに対して,国庫支出金,都道府県支出金,地方債,分担金,負担金など財源の使途が特定されているものを特定財源という。

    特定財源

     財源の使途が特定されているものを特定財源という。
     特定財源に分類されるものとしては,国庫支出金,地方債,分担金,負担金,使用料,手数料,寄付金のうち使途が指定されているもの等である。

    基金

     特定の目的のために財産を維持し,資金を積み立て又は定額の資金を運用するために設けられる資金又は財産で,条例により設置することができ,例えば社会福祉事業基金のように基金の運用による収入を各種の社会福祉事業に充てるなど,設置目的に基づき活用を図っている。
     また,財政調整基金は,予期しない収入減少や支出増加といった,年度間の財源の不均衡を調整し,長期的視野に立った計画的な財政運営を行うために設置している。

    財政調整基金

     年度間の財源の不均衡を調整するための基金で,長期的視野に立った計画的な財政運営を行うために,財源に余裕のある年度に積立てを行い,財源不足が生じる年度に活用するためのものである。また,各年度において決算上剰余金を生じたときは,その全部又は一  部を積み立てることとなっている。

    都市計画事業基金

     都市計画事業及び都市施設の整備事業の実施に必要な財源に充てるために設置している基金で,財政調整基金と同様,財源の年度間調整を図る機能を有している。

    普通会計

     各地方自治体の財政状況の把握,地方自治体間の財政比較等のために用いられる統計上,観念上の会計をいう。地方自冶体における会計は,一般会計及び特定の場合に設置される特別会計とによって構成されているが,個々の地方自治体ごとで各会計の範囲が異なって いることなどから,財政比較等においては,この普通会計を用いている。具体的には,一般会計と特別会計(公営企業会計など特定の特別会計を除く。)を合算し,会計間の重複 等を控除したものである。

    基準財政需要額

     各地方公共団体が実際に支出した額あるいは支出しようとする額を算定するものではなく,地方自治体が合理的かつ妥当な平均的水準で行政を行った場合に要する財政需要を一  定の合理的な方法で算出した額をいう。

    基準財政収入額

     地方自治体が標準的に収入し得ると考えられる地方税等のうち,基準財政需要額に対応する部分で,標準税率で算定した地方税等の収入見込額のうち,都道府県にあっては80%, 市町村にあっては75%の額とされている。 (この残りの20%又は25%は,各地方自治体の独自施策の実施のために留保されているものである。)

    標準財政規模

     普通交付税の算定の仕組みを通じて表されるその団体の標準的な一般財源の規模をいう。

    実質収支比率

     標準財政規模に対する実質収支額の割合で示され,団体の財政規模やその年度の景況などによって一概には言えないが,経験的には3%〜5%程度が望ましいと考えられている。

    経常収支比率

     人件費,扶助費,公債費等の義務的性格の経常経費に,地方税,地方交付税,地方譲与税を中心とする経常的な収入である一般財源がどの程度充当されているかを見ることにより,地方自治体の財政構造の弾力性を判断するための指標として用いられているものである。 これが大きくなるほど,新たな財政需要に対応できる余地が少なくなり,一般的には,都市にあっては75%,町村にあつては70%程度が妥当で,これが各々+5%を超えると,その地方自治体の財政は弾力性を失いつつあると言われている。

    公債費比率,起債制限比率

     いずれも,公債費(地方債の元利償還金)の負担の程度を,「公債費に充当される一般財源」の「一般財源」全体に占める割合で示すもので,通常,財政の健全性がおびやかさ れないためには,公債費比率が10%を超えないことが望ましいとされている。
     また,起債制限比率については,これが20%以上になると地方債の発行に制限を受けることとなっている。

    財政力指数

     地方交付税法の規定により算定した基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の過去3年間の平均値をいい,地方自治体の財政力を示す指数として用いられている。



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