小杉町射水郡待望論を検証する
<原文そのままです〜現在HPより削除されています。2004.3.14再>
合併枠組みについての小杉町の考え
市町村合併の枠組み論議が正念場を迎えています。
合併する場合は、平成17年3月までに合併すれば国・県の財政支援があり、これに間に合わせるには、準備に2年かかることから、遅くとも14年度末、つまり15年3月までに、合併協議会を立ち上げる必要があるからです。
小杉町は、町民の意思を受け、すでに町と議会で方向を定めています。
1.合併する
2.枠組みは射水4町村
これが小杉町民の意思であり、町と議会が確認した方向です。
これは、この5月から7月末までに行なった57回にわたる住民懇談会、引き続く自治会、商工会、農協、消防団、婦人会、青年団、PTA、体育協会、文化協会、医師会、ボランティアなど各種団体代表者との懇談会を経て実施した精度の高い町民アンケート調査の結果を踏まえた結論です。
合併には、合併しようとする他の町村の合意が必要です。9月定例議会後、そのための協議に入っていますが、まだ全体の一致をみていないのが実情です。
しかし、射水4町村民の意思は、小杉町民の意思とかけ離れたものではないと思っています。これまでの各種調査はそのことを裏付けており、合意に向け、さらに努力を続けます。
いま射水4町村でほぼ合意しているのは、
1.合併する
2.「射水郡は一体である」ということです。
新湊市を入れた5市町村案も、射水4町村プラス新湊なのであって、射水4町村がまずあって、その上で、新湊との合併なのか、高岡まで拡大するのか、の選択であったはずです。
つまり一致しているのは、射水4町村が一緒になることです。最大公約数は、射水4町村の合併であって、射水郡から離れて新湊と一緒になる、ということではないはずです。射水郡から離れて新湊と一緒になることを、郡内の他の町村民が望んでいるとは到底考えられません。
大事なのは、射水4町村の協調です。その上で、新湊とどうするか、高岡とどうか、という問題であるはずです。
新湊市とは、広域行政をしています。斎場やし尿、ごみ処理に介護保険、企業団として上水道などです。
これらは今後とも、広域行政・企業団として続けることで何の不都合もありません。サービスを維持しながら効率化も進みます。
県内のどこの広域圏も、広域圏だからといって丸ごと合併できる状況ではありません。
砺波広域圏(砺波・城端・平・上平・利賀・庄川・井波・井口・福野・福光)しかり、新川広域圏(魚津・黒部・宇奈月・入善・朝日)も同じです。富山広域圏(富山・滑川・大沢野・大山・舟橋・上市・立山・八尾・婦中・山田・細入)、高岡広域圏(高岡・氷見・小矢部・福岡)はご承知の通りです。
どこを見ても掛け声はありますが、それぞれにそれぞれの事情を抱え、苦悶しています。中には、早々と合併しないと宣言しているところさえあるのです。
広域圏だからまるごと合併、という短絡した考えでは収まらない住民の思いや望みに、真摯に向き合う姿勢が必要です。
射水消防組合(新庁舎が16年度中に完成)を組織している射水4町村でまず合併し、2市で広域行政を続け、機が熟せばさらに合併すれば良いのです。17年3月までの期限を前に、異論があるのに、しゃにむに広域合併だと強弁する理由が分かりません。
人口5万人はだめで、9万人ならいいという理由はどこにあるのでしょうか。 射水にとって、とりわけ小杉町にとって、新湊市と一緒になることのスケールメリットは乏しく、町民の意思である射水4町村合併方向を修正しなければならない要素は見出だせません。
いろいろに夢物語は語れるでしょうが、住民の暮らしの目線が抜け落ちていては、絵空事になってしまいます。
小杉町民の生活圏交流でみると、通勤・通学は48.9%が射水郡内で、新湊市へは
6.5%、あとは、富山市22.0%、高岡市 15.4%です(平成7年国勢調査)。
消費動向でも、郡内が74.8%で、新湊市へは 0.6%にしかすぎません(平成11年度消費動向調査)。
通院では、郡内が54.5%、富山市25.1%、高岡市15.1%で、新湊市は 1.6%にとどまっています(平成11年度県国民健康保険団体連合会調べ)。
この傾向は、射水郡内は、ほぼ同じです。
つまり、郡内の人の流れは、南北ではなく、東西が主流であり、新湊市との交流は一般的ではないことを物語っています。今後は、2市での広域行政運営を通じて、婦人会やPTAなど各種団体交流を含め、お互いの理解を深めるなかで違和感なく合併できる環境をつくりあげていくことが重要かと考えます。
小杉町は大学があり、インターがあり、年間70万人以上訪れる太閤山ランドもあって自然に恵まれ、文化の薫りも高く、富山・高岡の中心軸にあります。
人口も(財)国立社会保障・人口問題研究所などのデータによると、当面3万2千から3万3千人台をキープ、平成37年でも、3万2千人台を維持します。新湊市の人口は、下降線をたどり、平成22年に3万4千、32年に3万、37年には2万8千人になると推計されています。
小杉町は、まだまだ発展途上です。歴史と伝統、文化を守り、これら価値観を共有する射水郡一体のなかでさらなる飛躍が期待されています。このせっかくの勢いをだいなしにするようなことがあってはなりません。住民の願いを願いとして、大切にはぐくんでいきたいと思っています。
人は心豊かな暮らしを求めており、歴史や文化、自然などから醸し出される風土も、居住地選択の大事な要素です。行政効率や財政力だけで判断できるものではないでしょう。「住みたい町」「住み続けたい町」とはどんな町なのか−の視点を忘れないようにしたい、と思っています。
さらにひとつ付け加えたいことがあります。
今回の合併は、明治(20年代)の合併、昭和(20年代から30年代)の合併と違って、住民が自ら考えて決める合併です。ですから、住民の皆さんが判断できるよう、町が持っている情報のすべてを提供し、情報を共有するなかで決めていくようにしなければなりません。
小杉町は町民の皆さんに判断資料を提供することに務めてきました。2年前の平成12年10月号の「広報こすぎ」を皮切りに、今年9月号まで6回にわたり合併特集を組み、ケーブルテレビや町のホームページも活用して情報をお届けしています。
住民懇談会もこの趣旨に沿って開きました。懇談会で判断資料は提供しても、当初に枠組みについての町の考えを明らかにしなかったのは、この理由からです。よく考えていただき、自分の町を自分たちでつくることを徹底したいのです。これが住民自治の出発点です。この姿勢は今後も守り、発展させます。
こんな難しいことは、住民は分かりはしない、だから行政と議会で決めればいい、というものではありません。
住民が分からなければ、分かるように説明する、この姿勢こそが、いま行政にも議会にも求められているのです。
先ごろまで旧自治省事務次官だった大門町出身の二橋正弘氏(自治体国際化協会理事長)も言っています。
「合併は大きくなればいいというものではない。意見を出し合って行政に反映できる規模がいい」「例えば5万人の市をつくるならいい。大きければいいと金太郎アメのような町になっては取り返しがつかない。また泣く泣く合併することもばかげている。やり直しがきかない。自分たちのことは自分たちで決め、つくることが大事だ」(北日本新聞、平成14年9月28日付、北日本政経懇話会講演会・「民意反映する規模に」)。
この言葉をかみしめたいと思っています。
時代が行政に求めているのは、ハードからソフトへの転換です。射水郡はコンパクトにまとまり、生活基盤は整っています。市街地も近接しており、それぞれの公共施設を有効に使うことが可能です。
これに反して、新湊と一緒になると、そうはいきません。市街地が分散することになる結果、市役所位置をどこにするかでもめることになります。射水郡では既に着手して解決ずみの消防庁舎の改築も迫られてきます。現にある市民会館や図書館をどうするのか、人口重心地にこれらセンター的建物を建てることにならないのか、そうすると合併特例債(509億円)をどんどん使うことになりはしないか、心配は尽きません。合併特例債の3割は借金です。特例債を全部使うと新たに150億円を超える借金となります。孫子に過度の負担を強いることは避けねばなりません。今さえ良ければいいというものではないからです。
小杉町は、既にソフト重視に切り換えています。平成12年度以来、町民参画を基軸として、男女平等社会推進条例の制定と計画の推進、情報公開条例の全面的改定、町議会議員・町長等特別職の政治倫理、職員の倫理条例の制定をはじめ、来年3月には県内では初めての「子どもの権利条例」を制定する段取りです。町民と協働で暮らし良いまちづくりに取り組んでいるのです。
さらに先ごろ、町民とのまちづくりをシステム化するために「まちづくり基本条例」の制定に向け、町民参画による委員会を立ち上げました。この基本条例は、町の憲法ともいうべきもので、町民と行政との情報の共有、行政の透明性の確保、住民主体の行政の実現―を目標に、まちづくりにおける町民の権利と責任を明らかにし、自治の実現をはかることを目的にするものです。
合併は、これらの取り組みを前進させるものでなければならないと考えます。小杉町は、住民の暮らしを目線に置いたまちづくり、キラリと光る自治体づくりを目指します。
平成14年11月 総務企画課(電話 0766-56−1511)
◇小杉町への反論、私はこう考えます! 2003.11.27
昨年10月、小杉町は早々と、アンケ−ト調査の結果を踏まえ合併の最大公約数を射水郡と定めたが、小杉町以
外の大門町・大島町・下村は、合併の枠組みを射水郡4町村ではなく、新湊を含めた射水広域圏1市3町1
村を主張していて、小杉町が仕掛けた思枠(射水郡合併構想)の通りにはいかず、小杉町は失速してしまっ
た。平成の合併は対等合併であり、どんな小さな村であろうと町であろうと自治体を布いている。相手にも
民意があるのに、2町1村に打診せず自分(小杉)の民意だけを主張してしまった。小杉町は思枠の段階で
あるにも拘わらず、お互い合意のないまま、勝手に枠組みを公表したことが今だ合併相手を見いだせずにい
る。
その時、新湊市は小杉町の思枠(射水郡のまとまり)を静観しつつ、単独を含め中核都市・特例市・県が
示した合併枠以外も視野にいれ、合併の最小単位・射水広域圏を絞り込んでいた。ただ言える事は、射水郡
の4町村長は射水郡を割ってはいけないとの思いでいたことは事実である。
しかし、小杉町は大門町・大島町・下村を時間を掛ければ合併枠組みに合意出来ると思っていた節がある。
小杉町総務企画は平成14年11月付けとし、小杉町の公式サイトホ−ムペ−ジに「合併枠組みについて
の小杉町の考え」を掲載した。
小杉町は合併相手新湊市をどのように見ているか
上記抜粋は「合併枠組みについての小杉町の考え」より 2002.11
今年に入り、小杉町(土井町長)の思枠(射水郡合併構想)と異なり、2月の住民投票結果(協議会に入
る)を踏まえて、合併枠を「射水郡」から「射水広域圏」へと政策転換を余儀なくされた。その後、後押し
するように射水広域圏の5市町村で住民発議が行われ、3月定例議会本会議において各々の議会で合併法定
協議会設置の議決をした。
合併はあくまで対等合併であことは言うまでもない。田所発言の「射水は
まとまっている。だけど、新湊が入りたいと言っていおられる。」の発言が、いかに不適切であったかお解
りのはずである。
対等合併は、お互いの民意を大切にしなくてはならない。田所発言やHP掲載(土井発言)の内容は一つ
一つ見逃すわけにはいかない。政策、手順、イデオロギ−の違いはあるにせよ、市を良くしていこうと言う
気持ちに代わりはないはずである。新湊市の認識を、何か合併のお荷物のように見られているようである。
合併相手を思いやる気持ちが本当に欠けているのではないかと思う。しかし一部に異論はあったにしても、
合併に向けて、お互いの情熱は失わず9万4千人の市民の幸せの為に激論をすべきである。ただ『枠組み』
を、これからも拘るとしたら小杉町は『単独』の選択肢しか残っていないはずである。合併は私心があって
はいけない、更に政治色があってはいけない。合併するかしないかの議論を早く抜け出し、方向転換し、協
議会に参加して欲しいものだ!
又、財政力(普通会計・特別会計)が強いとか、弱いとかの議論で合併をするかしないかの判断材料であ
ってはならない。それなら財政豊かな近隣市町村とのみ合併すれば良い。それらの判断を必要とするなら小
杉町議会の中で議論をしてもらいたい。1市2町1村は、そのハ−ドルを乗り越えて合併しようとしている。
それが真の運命共同体だと思う。