四国一人旅 2007年11月13日(土)
オーシャン東九フェリー〜多家良家〜阿波おどり会館〜五右衛門〜高松市
☆2007年11月13日
甲板にて
船は真夜中・明け方まで、そうとう揺れたのだった。
今までの旅の中で一番ひどい揺れだったようにも思う。
前日のビールの酔い止めで、船酔いそのものは
回避することが出来たが、
目覚めると、身体の節々が痛い。
今までの旅にはない、いきなりきつい身体の状態だったが、
これから始まる四国の旅に対し、ここで弱音は吐けない。
全て、挑戦してこその旅なのだ。
午前7時前には目覚めていた身体を起こし、朝食前に甲板へ。
今回は天気が素晴らしく、
青空・青い海が潮風とともに目に飛び込んでくる。
とにかくやってみる!それがテーマの旅と強く自分に言い聞かせる。
レストラン
レストランの中の写真を撮ってみたが、人影が見えないのは、
私はまたここに、一番乗りしているからだ。
昨日の夕食とともに、今朝の朝食も一番乗りで入った。
実はこの事も、この旅に於いて、後々思い出に残る事となるのだが、
それはまたその時に書きたいと思う。
お昼以降は車を運転する関係上、もうアルコールは飲めない。
なので、この朝食も食べ過ぎて船酔い・気分の悪くならない程度、
コーヒーにパンという献立にした。
窓際、窓の外の海は、キラキラと輝いていた。
船から四国へ
時刻もお昼を過ぎ、船は徳島港へ、目の前には眉山が見える。
今回もZさんことゼブラさんがそこにいてくれる。
5年ぶりの再会、事前にメールのやり取りをしたとはいえ、
実際の再会となると、やはり期待と不安が入り交じる。
しかし旅の最初、四国上陸の時にそのドキドキ感を味わえるのは、
とても幸せな事だと痛感もする。
四国の地に下船すると、笑顔のゼブラさんがそこにいた。
その表情、その雰囲気は、5年前のまんまであった。
歳月だけがいきなりタイムスリップしたような、不思議な感覚だったが、
握手をした時の手の温もりは、さらに篤さを増していたように思えた。。。
徳島ラーメン(多家良家)
徳島到着が1時半、
もちろんフェリーでは昼食をとらずに、空いたお腹を抱えて、
早速ゼブラさんと向かうは、ゼブラさんお勧めの徳島ラーメン店。
多家良家という、フェリー乗り場からほど近いお店だ。
もう、とうにお昼時は過ぎているのに、
座る席を探すほど混雑している。
席についても、さらにお客さんがやってくる。期待大だ。
5年前の四国旅で
徳島ラーメンの大ファンになっている自分がいた。
なのでこの昼食の徳島ラーメンは、待ちに待ったものであった。
見た目は濃そうに見えるスープ、味はしっかりしているがサッパリしている。
間違いなく今回も美味かった。ゼブラさんありがとう!
阿波おどり会館
徳島ラーメンを食した後に向かうは、阿波おどり会館。
その中に入るのは今回が初めてだ。
阿波踊りのための建物で、資料館的な阿波おどりミュージアム、
実際踊りが見れる阿波おどりホール等がある。
建物正面には、
阿波踊りの編み笠を象ったタクシー乗り場があり、
とても印象的である。
さらにここは眉山の麓にあり、
ここからロープウェイで眉山の山頂までも行け、
それを思うとここは、徳島のシンボル的存在に感じてしまう。
眉山ロープウェイ
阿波おどり会館の五階にロープウェイの乗り場があるが、
このロープウェイは凄い!
2つのゴンドラが並んで繋がっているのも面白いのだが、
私が感動したのは、車椅子のままでゴンドラに乗り込める事だった。
しかも乗り場とゴンドラの間に、
隙間や段差がほとんど無いくらい、滑らかに乗り込めるのだ。
浅い経験ではあるが、
今のところ私にとってここは日本一のロープウェイだと確信する。
6分間、海までしっかり見える景色も最高のロープウェイだった。
眉山山頂
青い空と海と吉野川に挟まれながら、森の深緑に囲まれ、
徳島気質の、活気ある街が息づいてる・・・、
眉山山頂からの眺めは、それを物語っているように思えた。
画像の一番上が空、そして海、陸があって、
また青く見えるのが吉野川、その真ん中あたりに
斜めに走る飛び石のような白いものが見える。
ここに新たに橋が架かるのだという。
私の四国旅には、橋に縁がある。
ひょっとしたら次回の旅の時、そこを渡るかもしれない。。。
吉野川
ゼブラさんとの再会の時間はあっという間に過ぎ、
宿泊地である、香川の高松に行くために、
別れを惜しみながらも、香川道入り口まで先導してもらう。
その道すがら、ゼブラさんは美味い徳島ラーメンのお店や、
吉野川の綺麗な景色を魅せてくれる。
右の写真は別れ際、運転しながら撮ったが、
この時、
この心に残る吉野川の景色に、
私はゼブラさんとのさらなる再会を願ったのだった。
この景色後、香川道に入り、6時過ぎには無事高松へ。
まずはこの日の宿泊場所のホテルへと向かう。
高松市
今晩の宿となるのは、
ロイヤルパークホテル高松アネックス、
陽が落ち、暗くなった状況で探すにはちょっと大変だったが、
ホテルに連絡を取りながら、無事辿り着くことが出来た。
早速チェックインをすませ、
部屋に荷物を置いて、夕食場所確保の為にまたロビーへ。
そうここは高松、讃岐うどんの高松である。
ホテルの方に美味しいうどん屋さんのお店の場所を聞いてみる。
ホテルの方は、丁寧に車椅子でも大丈夫なお店を探し教えくれた。
私はそのマップを片手に、
マイカーを車椅子に乗り換え、高松の街を行くのであった。
川福
高松市は特に駅周辺は
上の写真のように、各通りはアーケードになっている。
聞くところによると、各アーケードを合わせた全長は、
この高松が日本一ともいわれるているようだ。
当然そういう道は、車椅子でも走りやすく、散策がてら
試しにこの川福まで行ってみた。
川福は讃岐うどんのお店で、20年前に入ったことがある。
うどんを喉で食べることを学んだ、懐かしいお店だ。
店の前で写真を撮り、
ホテル紹介の五右衛門へ向かうこととした。
車椅子転倒
五右衛門はアーケード街からホテルに向かう横の道にある。
あまりにアーケードで走りやすかったので、
横道に入った途端、左前輪を溝に入れてしまい、
不覚にも前のめりに車椅子ごと転んでしまった。
車椅子で転ぶことは、滅多にないことだと思っていたが、
それは、この旅でこれから何度も転ぶ第一回目だった。
肘や膝が痛いのは間違いなかったが、暗い夜道、
声を出して呻かなかったので、周りの人には分からなかったらしい。
車椅子を立て直し、なんでもない気持ちで動き出す。
そして向かうは讃岐うどんの五右衛門だった。
讃岐うどん「五右衛門」
五右衛門はカレーうどんが美味しいと評判のお店だった。
それだけでなく人も暖かかった。
まずこの店に入ろうとした時、車椅子がドアに引っかかり、
なかなか入れなかったのだが、店の人もお客さんも手伝ってくれ、
無事お店に入ることが出来たのだ。
いきなりそういうことがあると、お礼とともに会話もしやすい。
美味いうどんを教えてもらい、それを注文し、ビールも頼んで、
先ほど助けてくれたお客さんと、話し込んでみる。
このお店の常連のお客さんで、
徳島での阿波踊りの話し、街の様子などを教えてくれる。
私も今回の一人旅について話す。
出来上がったうどんは運ばれてくる。食べる。
その状況で食べられるうどんで、美味くないわけがない。
美味いと唸る。お店の人だけでなく常連のお客さんも笑顔になる。
全て食べ終わりカレースープも飲み干した後、帰り支度をしていると、
その常連のお客さんが、
このお店のカレースープのレトルトを差し出し、「旅から帰ってもここを忘れないで・・・」、と言って、そのレトルトをプレゼントしてくれた。
その行為を素直に受け取り、お礼を言い店を出た。
外に出て、ゆっくり車椅子を走らせながら、心はジーンとしていた、このお店に来て良かった、旅に来てよかったと思った。
ホテルに戻ると、お店を教えてくれたホテルの方がまだフロントにいたので、お礼をいった。
ホテルの人は私が無事帰ってきたので、安心したように微笑んでくれた。
部屋に戻った時、思わずグッと来る自分がいた。
それは寝つけなくなるほどの気持ちの高ぶりであったが、なんとか心を静め、明日からの旅に備えて、しっかり休むことにした。