98年日本シリーズ総評


 王者西武と・・・

 38年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした横浜の相手は、希にみる混パを征した王者西武に決まった。横浜権藤監督曰く「相手にとって不足はない!」まさにその通りの日本シリーズとなった。

 権藤、東尾両監督とも投手出身という、今まで有りそうでなかった戦いとなったが、野球ほど監督の個性がそのままチームの個性になり得るスポーツはないと思う。
 ここ数年キャッチャー出身監督がシリーズを賑わし、キャッチャー特有の腹のさぐり合いから始まるシリーズ前の舌戦が一転、第3戦まで先発ピッチャーを予告するという、今までにないベースボール的な面白いシリーズとなった。
 この件については、各解説者から賛否両論の意見が出ていたが、私はプロ野球の力と力の対決を日本で初めて見せた両軍監督に、敬意を表したい!

 10人目の選手・・・

 さて、今日本シリーズは、38年ぶりに進出した横浜に対し、驚異的な横浜ファンが集中した。どこにこれほどのファンがいたのか?と疑うくらい横浜球場は9割方横浜ファンで埋め尽くされた。
 3万人という球場のキャパシティも急増ファンにとって都合が良かったのかもしれない。
 王者西武も過去対巨人との日本シリーズを経験しているにもかかわらず、そのファンの応援に今回は圧倒されたと思う。38年ぶりのあがってもしょうがない横浜ナインに対し、ファンはまさに10目の選手となった。
 ジャン、ジャン、ジャンジャンジャン、という単純な拍子に歌をのせただけの応援歌が、球場を覆い尽くし、そのすべては選手の勇気となった。

 超2流から一流へ・・・

 一戦一戦の試合経過・コメントは前ページに述べたが、私は今回の日本シリーズに於いて、横浜ベイスターズの選手たちは、大きく生まれ変わったと思っている。今まで、横浜というチームを支えていたものは超2流であった。たとえハマの大魔神佐々木が前人未到の記録を残そうが、それは超2流チームでの成績であって、一流、超一流には紙一重届かないものであった。

 しかし、今年セ・リーグを征し、日本一となって、まさに一流・超一流とのし上がったと言っていい。イヤ、佐々木だけではない、キャッチャーの谷繁も、首位打者の鈴木にしても、助っ人のローズにしても、盗塁王石井、ハマの核弾頭波留、優勝請負人駒田、メカゴジラ佐伯、左殺しの中根、巨人キラーの進藤、みんな超2流から一流、超一流に生まれ変わったと思う。
左のエース野村、右のエース斉藤隆、ひげ魔神五十嵐等々ピッチャーでも一流に生まれ変わったと思う。

日本シリーズは4戦先勝の短期決戦、それで両チームの真の実力差が出るわけでもないと思うが、1戦集中のトーナメント戦から見れば、これもまた一つの大きな実力の姿であったであろう。

 38年ぶりという歴史的節目を後世語り継ぐためにも、
今後の横浜ベイスターズをしっかり追い続けたいと思う・・・。





 
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