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「お盆だっていうのに何も予定がないんだよぉ、もう暇で、暇で。」 っていう大学の友達からひさしぶりに電話がかかってきた。 28歳、独身、自宅通いのフリーター、もちろん子供はいない。
「暑中見舞いありがとね。民ちゃん、赤ちゃん抱いてる写真見てさぁ、私、誰の子抱いてるのかと思っちゃったよ。」 ずばり、私の子である。
「今、どれくらいなの?」 こんくらい...じゃなくて、生後4ヶ月である。
「おっきくなった?」 みちがえるほどである。
「離乳食とか食べてるんだ?」 まだそこまではいかなかったりする。
「え?じゃー何食べてんの?」 「食べる」までもいかなかったりする...「飲む」のみである。
「え?赤ちゃんってさー、何ヶ月もお乳だけで生きていけるのぉ?ええええ、うっそー、はじめて知ったよ。」 私も最近になってはじめて知った事実である。 |
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その彼女から見ると、私はずいぶん悠々自適の生活を送っているように見えるらしく... 「でも、民ちゃんはいいなぁ。毎日が日曜日なんだもんねぇ。」 でも、ほんとの日曜日でさえも、ゆっくり寝れないなんてことは知らなかったりする。
「うらやましいよ。子育てって、なんだかすっごい楽しそうじゃん。」 でも、たいへんだったりもするということは知らなかったりする。
「今、私、プール行ってるんだけどさぁ。ねぇ、赤ちゃんとかって水浮かべたら、なんか浮きそうな気がしない?ちょっとお風呂かなんかで試してみてよ。おもしろそうじゃない?」 おもしろそうだとは思うが、自分の子でためす勇気はなかったりする。 |
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友達は海外旅行が好き。 「エジプトもいいけど、やっぱインドだよ。民ちゃんもぜひ行ってよ。子連れでインドなんておしゃれじゃない?」 おしゃれ?...ん〜、子連れでインド...あと3年くらいかかりそうである。 そ・れ・に、まずその前に「宝くじ」を当てて旅行資金を稼がなければならない。
28歳、独身、自宅通いのフリーター、彼女にもちろん子供はいない。 そして、子供が生まれてはじめて知る事実は”実に”多い。 |
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たとえば... 赤ちゃんは「大の字」で寝るんだとか...
最初は指をしゃぶろうにもうまく指が口に入らないんだとか...
ほっぺばっかりが大きくなるんだとか...って、それはうちだけか...
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