債権法改正 要綱仮案 情報整理

第18 保証債務

4 連帯保証人について生じた事由の効力(民法第458条関係)

 民法第458条の規律を次のように改めるものとする。
 連帯債務者の一人について生じた事由の効力に関する規定は、主たる債務者が保証人と連帯して債務を負担する場合について準用する。

中間試案

4 連帯保証人に対する履行の請求の効力(民法第458条関係)
 連帯保証人に対する履行の請求は,当事者間に別段の合意がある場合を除き,主たる債務者に対してその効力を生じないものとする。

(注)連帯保証人に対する履行の請求が相対的効力事由であることを原則としつつ,主たる債務者と連帯保証人との間に協働関係がある場合に限りこれを絶対的効力事由とするという考え方がある。

(概要)

 民法第458条は,連帯債務者の一人について生じた事由の効力が他の連帯債務者にも及ぶかどうかに関する同法第434条から第440条までの規定を連帯保証に準用しているが,主債務者について生じた事由の効力に関しては,保証債務の付従性によって保証人にも及ぶことから,同法第458条の規定は,専ら連帯保証人について生じた事由の効力が主債務者にも及ぶかどうかに関するものと解されている。そして,連帯保証人に対する履行の請求の効力が主たる債務者にも及ぶこと(同法第458条,第434条)に対しては,連帯保証人は主たる債務者の関与なしに出現し得るのであるから,主たる債務者に不測の損害を与えかねないという問題点が指摘されている。そこで,当事者間に別段の合意がない場合には,連帯保証人に対する履行の請求は,主たる債務者に対してその効力を生じないものとしている。この点に関しては,相対的効力事由であることを原則としつつ,連帯保証人と主たる債務者との間に請求を受けたことの連絡を期待できるような協働関係がある場合に限り絶対的効力事由とする旨の規定に改めるという考え方があり,これを(注)で取り上げている。なお,連帯債務に関する民法第434条についても,以上と同様の見直しが検討されている(前記第16,3(1))。

赫メモ

 規律の趣旨は、中間試案概要と同じである。

現行法

(連帯保証人について生じた事由の効力)
第458条 第四百三十四条から第四百四十条までの規定は、主たる債務者が保証人と連帯して債務を負担する場合について準用する。

斉藤芳朗弁護士判例早分かり