東　ア　フ　リ　カ　５　ヶ　国　に
野　生　動　物　を　追　う
1998.4.19-5.29

セレンゲッティー（タンザニア）にて	マサイマラ・セレンゲッティーそこはまさに動物たちの楽園だった珊瑚礁のザンジバル、マラウィ湖を走り抜け、ビクトリア・フォールをめざすケニア→タンザニアタンザニア→マラウィマラウィ→ザンビアザンビア→ジンバブエ
サバンナの片隅にヌーの子供が所在なげに佇んでいた「どうしたんだろう？」一抹の不安が私たちの脳裏をよぎる「明日はもういないよ、ライオンの餌食になるから」とトーマスはこともなげに言ったここは、サバンナ。一見長閑にみえるここには、飼い慣らされていない自然と共に、実に厳しい自然の掟が今も存在している「奢ることなかれ」アフリカの大きなそして懐の深い自然は私たちに語りかけてくるようだ毎日のように大地の温もりを感じながら眠りにつき風を匂いをそして湿り気さえも感じながら旅を続ける私たちもしかしたら、自分の中の動物的な感性が目を覚ましだしているのかもしれない旅を始めて５ヶ月あまり、自分に正直になってきたいや、自分自身がわかりかけてきたのかもしれない・・・
ボーイさんがいなければ日本のどこかみたい・・・祝ってくれた松ちゃん＆ママと一緒に	食材はもちろんのこと水にさえ苦労した西アフリカから、東アフリカにやってくるとまさにデファレンス・ワールドでありパラダイスです。たとえ、バックパッカー御用達の安宿に泊まっていようとも、雨風の心配はないし、シャワーはもちろんのこと洗濯さえも好きなときにできます。こんな日本で生活していたらなんでもないことが、嬉しく思えてしまう私たち、やはり西アフリカはハードな旅だったとあらためて思い返していました。　ナイロビは赤道直下の高原都市、東アフリカの玄関口としての顔を持つ大都会です。ヒルトン、インターコンチネンタル、ノーフォークとそうそうたる高級ホテルも林立しています。旅のメンバーから「都会派」と言われていた？私たち兄弟、ヒルトンでサウナに入り、インターコンチネンタルのプールでくつろぎ、ノーフォークのガーデンカフェで手紙をしたためるというリゾートライフを満喫していました。写真のレストランは、日本料理店の「赤坂」です。ナイロビには他に韓国料理店や中華料理、イタリア料理店もたくさんあり、貧しかった食生活のうっぷんも一気に晴らすことが（？）できました。私の３６歳の誕生日はケニア・ナイロビのこのレストランで迎えました。　「赤坂」のご主人には、ホテルまで送っていただいたり本当によくしていただきました。極めつけは、ナイロビを離れる夜、私たちの泊まっているホテルの部屋に電話が入りました。フロントにお客さんが来ているとのこと・・・　誰だろう・・・　そこにはなんと「赤坂」のご主人の姿が・・・　これからも長い旅になるだろうからといって、おこげで作ったお菓子を持ってきてくれました。また、ゲルバ食を食べ続けなければならない私たちにとって、米の味は心温まるプレゼントでした。
１週間のブレイクの後、ゲルバの旅が再び始まりました。ここでスタッフが代わります。リーダーは、ピーター、コ・ドライバーにウィルソン、そしてキャンプマスター（クック）がデビッドです。三人とも陽気なケニア人。ピーターはケニアサファリ区間だけ（もう一人トーマスはセレンゲッティー往復のコ・ドライバー）ですがウィルとデビは終点のケープタウンまで一緒です。Ａ～Ｃコースまでのリーダーだったダグは、私たちが再びナイロビに戻った後からタンザニアに向かう時に合流することになっています。私たちメンバーも数名が入れ替わり、さあ、動物三昧の旅のスタートです。	ピーターと一緒に小綺麗な私たち！！！
	アフリカトップページの一枚を飾るマサイ族の長老です。スリムで長身な彼らが赤と青の鮮やかなマサイマントをまとい牛を追っています。その姿は実にサバンナに似合っています。　私たちはこの部落に一泊お世話になりました。牛の世話をし、羊を絞め夕餉の準備をしている傍らで私たちはキャンプを張りました。夕食が終わり夜の帳が降りてくると、彼らの踊りが始まります。「マサイダンス」　勇敢な彼らは、槍を持って高く高く飛び跳ねます。バックには単調なリズムが刻まれていきます。漆黒の闇の中、ぼんやりと薪に浮かび上がるマサイの表情。それは誇りと自信にあふれているように感じました。

ケニアのマサイマラといえば、「サファリ」です。今回のツアーに参加するまで動物写真にはあまり興味がなかった私でしたが、西アフリカ旅行中も多くの人に動物の面白さを聞き続けてきましたし、特にクールさん（ニコンの実に似合う４８歳男性）特製の写真はがきをみて、「どんな風に動物たちと出会えるのだろう」と楽しみにしていました。確かに、ヤンカリ（ナイジェリア）やワザ（カメルーン）などでも多少の象やキリンなどは見てきましたが、「こんなもんではない、もっともっとたくさん、それに近くにいる・・・」などと言われてきたので、いやがうえにもケニアに行くということは動物をたくさん見れることだと夢は大きく膨らむ一方でした。　みんなの話は本当でした。ガゼルがキリンがシマウマがそこらへんに一杯います。ライオンもいます。フラミンゴは湖を覆っています。カバが「ぶひーっ！」と大きな音を出します。大きなトラックで走っていても充分に３００㎜レンズで捕らえることができるくらいの近距離に動物たちが暮らしています。レンズを構え撮影態勢に入ります。動物たちの動きが一瞬止まり、訝しげに私たちの行動を観察している姿が良くわかります。少し時間が経ち私たちが危害を加えない存在だと見極めると、また元の暮らしのリズムに戻ります。ここでは、私たちの方が侵入者なのです。彼らの生活を垣間見せてもらう見学者なのです。
	ケニアのマサイマラとタンザニアのセレンゲティーとは国境を挟んだ同じ高原にあたります。高原といっても途方もつかない広さですが、つい最近までは、アフリカの多くの場所でこのように動物たちがたくさん暮らしていたわけですから凄いと思うと同時に、動物の一種族にすぎない人間があまりにも多くの土地や資源を自分たちの都合の良いように使っているのではないかと思いました。　サファリの朝は大変です。動物たちは朝夕に行動し、昼間は休んでいることが多いので、通常サファリは早朝と日暮れ前に行われます。ロッジやホテルに泊まっているのなら朝起きてすぐに出かけることが可能なのですが、キャンプ生活の私たちはそういう訳にはいきません。しかし、眠い目をこすりながらもライオンに出会いキリンの写真を撮っていたりすると、早寝早起きの生活も苦しく思うことなく過ごせるようになってきます。それと、サファリの合間、昼の時間は、リラックスタイムになります。ロッジに立ち寄ったり、キャンプ地に戻ったりしておもいおもいの時間を過ごすことができます。ＴＶもない、携帯電話の呼び出しもない、予定もない、これがなによりの贅沢ですよね。ぽっかりと浮かぶ雲を眺めながらいつしか時間は過ぎていくのです。

ンゴロンゴロクレーターです。がらにもなくお花畑の中でポーズをとっています。あー恥ずかしい。　　マサイマラ、セレンゲッティー、ンゴロンゴロと続いたサファリドライブも終わりました。季節が丁度、雨季に当たりドロドロ・ズルズルの道を走らなければならないこともありました。大雨に降られテントが浸水した夜もありました。しかし、楽しかった。明日はどんな動物が見れるだろう、どんな写真が撮れるだろう、そう考えるだけでわくわくしていました。
	タンザニア・ダルエスサラームの沖、インド洋に浮かぶザンジバル島。ここはイスラム文化の香りを強く感じる珊瑚礁に囲まれた島です。私たちは、ダルにゲルトラをおいて４泊５日のエクスカーション。スパイスツアーを楽しんだり、シュノーケリングをしたりして南国の休日を過ごしていました。ゲルトラでの移動とは違う楽しい時間でしたが、その中でもバイクを借りて、島の東海岸パジャに行ったのは面白い経験でした。パジャビーチは、まさに珊瑚礁のリゾート、エメラルドグリーンの海、白い砂浜、青い空、緑のパームツリーといったところで、誰もいないビーチを私たちが独占していました。写真はハンモックに揺られるmakoちゃんです。ゲル旅にはおおよそ似合わない貴重なショットです！？
ザンジバルでレンタルしたベスパを押す（？）Ｔｏｓｈｉさんです。タクラマカンを走り、ケープヨークに到達し、キャンニングストックルートを走りきったＴｏｓｈｉさんはサハラ砂漠横断の時からバイクに乗りたくてしょうがなかったのでしょう。私も機会があればとは思っていましたが、ここザンジバルで実現しました。１日借りて総費用約＄３０くらいです。ノーヘルで走る南国の島、実に気持ちよかったです。　しかし、オフロードライダーの二人、よせばいいのに、こんな道をベスパでチャレンジ、なんとか走りきったけれども、Ｔｏｓｈｉ車はマフラーのジョイントがはずれ暴走族になり、私のバイクはブレーキ不調、おおよそ快適なツーリングとは縁遠かったものの、風を切る楽しさを充分に味わうことができた１日でした。
	こちらに移ってキャンプでの食事も変わりました。クックのデビッドはナイロビのタラットリアというイタリア料理店で働いていた経験もあるし、ゲルバに入る前は国連に従事していたという気さくなケニア人でした。朝からおかずはたっぷりあるし、夜はステーキまででてくるし・・・　西で痩せた身体に栄養分が沁み入ります。　それと、浩が着ているのは全部モンベル製品です。気温差が激しい乾燥地帯では、朝夕はフリースを着て、昼はＴシャツ１枚という生活が続きました。汗をためないこれらの新素材製品は、私の体調を損なうことなく守ってくれました。
マラウィ湖にあがる朝日です。マラウィはマラウィ湖沿いにひろがる細長い国です。私たちもこの海のように大きい湖に沿って南下していました。　マラウィからザンビアに入るころになると、景色はすっかり冬の装いになりました。ザンジバルで暑さにうだっていたときから１週間あまりしかたっていません。１日６００㎞以上走る日も出てきました。これには、西アフリカとはあまりにも違う道の整備状況があるわけです。ついでですが、ケニア以降は左側通行です。日本車も多いし（ひまわり幼稚園などとペイントがそのままの中古車も多い）、なんか、走っていてもほっとしてしまいます。また、ゲルトラもベンツ製の２駆に変わりました。全長が長くて、車内はゆったり楽勝です。
	カリバ湖でのボートサファリ、丁度夕日が沈む頃です。サファリは車を使っていくのが最も一般的ですが、他にボートやカヌーを使った水辺からのサファリもあります。他にウォーキングサファリもありますが、動物の視線を同じ高さから見れるということでボートサファリには魅力があります。また、下草や木々などの障害物がないのも、写真を撮るには好条件です。ここ、カリバのマツサドナＮＰではボートとカヌーのサファリを楽しみました。これはその時上陸したときのショットです。モデルは現地ガイドとＤコース添乗員の福井さんです。真っ赤で燃えるような夕日がザンベジ川に沈んでいきます。
カリバの街を見下ろす展望台にて昼食タイムです。ジンバブエに入るとアフリカにいるというよりもアメリカ西部やオーストラリア中央部を旅しているような気持ちさえしてきます。乾燥した空気、赤茶けた大地、そしてどこまでも続くかのような道、大陸を旅するに当たっての魅力的な要件がここには揃っています。ただ、今回はゲルバでの旅、いつもは一人ですが、仲間がいます。同じ景色を見、同じものを食べている仲間たちがいます。たとえ同じ時間を過ごし同じものを見ていたとしても人それぞれに捉え方や感じ方が違うということも、なんとなくわかるようになってきたような気がします。これは、自分自身についてもいえるのかもしれません。今、自分が何に興味を持っているのか、どこに価値観を見いだそうとしているのかによって、たとえ同じ事象に出会ったとしても、その対処の仕方が大きく変わるような気がします。同じ風に当たったとしても感じ方が違うような気がします。優しい風を感じることができるように、自分の心を磨きそして開いておけるような人になりたいと思います。

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