【出会いの妙】
人には『運命』がさだめられているのだろうか
モーターサイクルに乗り始め、日本中を旅し海外にまで出かけるようになって、
いつしか「人生を賭けるような長く大きな旅をしてみたい」と思うようになって
きました。旅をし、旅を続けるに従って、新しい出逢いや感動を求める心はます
ます大きくなっていきますし、その出逢いや感動を受けとめるだけの力も僅かず
つであるけれども私たち自身に付いてきているように感じています。
果てしない地平線、悠久の大自然、吃立する山々、日本から出ていかなければ
決して見ることのできない世界の大自然。もちろん、これらの日本にない景色も
充分すぎるほど魅力的であり、私たちを旅に誘うものでした。現に、私たちもそ
のような「地の涯景色」をもとめ、アメリカやオーストラリアを走り回っていた
時期がありました。それはそれで楽しかった。楽しすぎたといってもいいのかも
しれません。大きな自然、荒々しい自然、優しい自然、地球という大地が本来持
っているパワーを感じさせてくれる自然。人間という存在も自然の一部なのだな、
ちっぽけなものだな、と思わざるを得ない自然。その圧倒的な圧力に「畏怖」を
感じることに旅の魅力を見いだしていたのかもしれません。
しかし、私たちが「畏怖」を感じ圧倒されてしまう大自然の中にも、必ずそこ
で暮らしている人々の姿はありました。荒野に暮らし砂漠に生きる。何もないと
思われるような所で根を張ってがんばっている。一瞬の旅人でしかない私たちが
憧れ恐れる自然でさえ彼らにとっては当たり前の日常なのかも知れません。この
ことについては、日本を旅していても感じることはあります。四国の山々で、ま
るで天まで届くような棚田の頂上付近に暮らしている老夫婦。ダートの林道の途
中にある忘れ去られたかのような集落に暮らす老夫婦、自然の恵みを充分に受け
てさえいれば生きていくことはできる日本の豊かさを目の当たりにすることがあ
ります。私たちが「ゆたか」と思っていることとはなんなんでしょうか。自然に
ついて考え人間について考えていくと訳がわからなくなってきます。
物質が満ち溢れていることが「ゆたか」なのでしょうか? これはどうも違う
ようです。「ゆたかさの質」などといわれ、QOL(クォリィテイオブライフ)
という言葉が使われるくらいですから、「ゆたか」さは単に量だけではいけない
ということは周知のことのようです。ですから「量」から「質」への転換と言わ
れているのでしょうしこの事自体もずいぶん言い尽くされた感さえあるくらいで
す。では「質」とは一体何なのでしょうか? これこそ千差万別、その人の価値
観、生活歴、経済状況、身体状況などあらゆるものを勘案してその人固有の「質」
を見いださなければならないのでしょう。
「質素で贅沢」という言葉がもてはやされています。物質の量的な贅沢に溺れ、
質についてもある程度の満足が得られるようになった今、人は、物質では得るこ
とのできない「贅沢」を求めているように思います。それが、「安らぎ」とか
「風情」とか「落ちつき」といったものなのでしょう。古めかしく朽ち落ちるよ
うな庵で茶と菓子をいただく。決して豪華な演出や高価な品は出てこない。しか
し、そこにいる人の間には何とも言えぬ時間と空間との共有意識がある。または、
設備の整っていないキャンプ場でBBQを行う。それぞれがそれぞれの動きを的
確にこなし、人数分の時間が時を同じくして流れていく。そんな時に、人は「贅
沢」を感じるのではないのでしょうか。物の量も質も満足のいくレベルに達して
しまった今、人はそれ以上の物を人の「心」に求めていくのだと思います。結局
の所、人の心を動かすのは物の量でも質でもなくて、その物に秘められた心では
ないかと思います。口はぼったいようなことになりますが、「人の心を感動させ
るのは人の心だけである」と思います。
人の心を感動させ、または人の心に感動するとはどういう事なのでしょうか。
私は、そこに「体験と共感」が必要だと思っています。同じ時間と空間を共に過
ごすこと、そしてお互いを共感しあえること、これが出来たのなら互いに感動を
分かち合えるのではないかと思います。
物を購入するとき、サービスを受ける時、マニュアル化された対応に辟易する
こともありますが、同じような商品の場合にはやはり担当する人の人柄によって
その結果が変わる場合が往々にしてあるような気がします。特に高額な商品を購
入する場合には、その商品自体を購入することももちろん大切なことに違いあり
ませんが、本当の目的はその商品を供給する人を選ぶことではないかと思います。
そのためには、こちらが試される場合もあるでしょうし、相手を試さなくては行
けない時も当然出てきます。そんな時の判断基準は、やはり「心」なのだと思い
ます。それも「あつい心」が大切なのです。
そんな「あつい心」を持った人たちにこの頃多く出逢います。
自分のやっていることに自信を持っている人、志や信念を持って行動している
人は輝いており、そして「あつい心」を持っているように感じます。こういった
人たちと話をしていくと、私たちまであつくなっていくような気がします。こう
なってくると自分も「あつく」ならざるをえなくなり、「あつい」仲間が増えて
いくように感じます。朱に交われば赤くなるではないけれども、自分の中に眠っ
ていた「あつい」なにかを目覚めさせてくれるきっかけになったのだと思います。
これからの時代、先ほどの「体験と共感」に加えて「アクション(行動する)」
が、キーワードになるのではないかと自分では思っています。
そう思って最近のことを思い返してみると、どうも運命めいたものを感じない
わけにはいけません。
1)ハービス大阪の開店(道祖神大阪営業所の移転)
2)道祖神担当者との出逢い
3)ナショナルジオグラフィック誌との出逢い
4)いままで興味のなかったエリアへの好奇心の発芽
5)深夜特急など地を這うスタイルの旅の認知
6)仕事への矛盾
7)家族や友人の理解
8)予算の調達
全てが、あまりにも順調に巡っています。
そこで、夢見ていた長期間の海外旅行に出かける決心をしました。
>道祖神案内リーフレット
アフリカ大陸横断エクスペディション200日
Guerba TRANS AFRICA EXPEDITION 200DAYS
河が、ジャングルが、砂漠が、動物が、人間が、
あなたを包み込む、リアル・アフリカ。
文明とは、地球とは、人間とは、何なのか?
あなたに問いかける魅惑の大陸を
ゲルバの改造トラックで縦断する
全200日の旅。
この旅を終えたとき、あなたの中の何かが
きっと変わる。
>マーチン・クラブ:ゲルバ社ディレクター
観光アフリカでない、本当のアフリカを、見たいのなら、
感じたいのならゲルバにジョイントすることだ。
12月19日出発です。いってきます。
ツアーについての詳しい説明や連絡先については
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