牛首林道、DJEBELで初めてのダート
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さて、前回に続いて今回も岐阜県・富山県の県境地帯、いわゆる合掌造り集落の白川郷、五箇山近辺を走ります。ただし、今回は「林道行」です。南米より無事帰国した浩BAJAも一緒なので、かなりのハードコースでも大丈夫、心強いサポーターです。雪解けの季節、雪国の林道の手応えはどんなものでしょうか?
今回も関ヶ原ICから地道で美濃ICに繋ぎ、そこからR156を一気に北上、白川郷から富山県利賀村に抜ける「牛首林道」をまずめざします。相変わらず観光地然とした萩町あたりを抜け、林道入り口へ到着。久々に見る林道看板に心躍ります。ザックのウェストベルトを締め直していざ出発、ほどなくダートに変わりぐんぐん標高を上げていきます。時折四輪車にもすれ違います。良く整備されているので生活林道なのでしょうか? 写真のような路面を軽快に飛ばし、久々のダートランを楽しんでいました。しかし・・・
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10kmほど走ったところで、大規模な道路滑落現場に遭遇しました。大型重機が入って修復工事中です。交通量がそこそこあるのか、林道資源現役地帯だからかで、とにかくこの林道は必要価値があるようです。必死の復旧作業のようでした。でも、私たちは引き返しを余儀なくされました。途中で何とか360号線に出る支線はないものかと走り回ったりしましたが、結局頼みの360号線自体が冬期通行止め中で、利賀村側に行くことは、全くかなわず、R156を北上するしか、宿泊地である五箇山に行く手だてはなくなってしまいました。もう一度チャレンジしてみたい林道ではあります。ここを越え百瀬まで繋ぐと30km程度のダートが楽しめそうです。また、来るかなぁー!?
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牛首林道から、冠雪残る白山連峰
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獅子越林道入り口
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このまま宿にはいるのも芸がないので、林道を一本走ります。ツーリングマップルに「ハードな細道」と記載のある獅子越林道にチャレンジです。入り口はご覧のように走りやすそうな路面です。でも、ツーリングマップルの記載は実走による記事なので(私も以前モニターをしたことがあります)間違いないはずです。3kmほど走ると崖崩れ跡があり、二輪車はすり抜け可能だけれども四輪車は通ることができません。四駆に乗ったお兄さんが私たちが崖崩れを越えていく姿を見ていました。この地点からがまさに廃道状態、川原並プラス泥の轍、ダート・ファースト・ランのDJEBELには堪えます。でもなんとか乗り切り次の崖崩れ現場へ到着しました。
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二箇所目の崖崩れ現場を突破したところです。まさに藪こぎでした。さて、バイクを停めている私たちの後ろに、林業作業用らしい四駆のピックアップトラックが駐車してありました。荷台に載っているチェーンなどがさびていないし、車自体にほこりもかぶっていないので、ここから先はどこかに通じているという確信が持てました。今回はふたりできているからいいようなものの、一人で走るとここまでハードな林道にアタックする気にはなりませんね。ただ、私たちの前にもオフ車の轍がひとつありましたので、結構心強くはありましたが・・・
しかし、この道もルート上の出口までは雪のため走ることができず、地図にも載っていないような林道を走って、あの忌まわしい相倉集落にたどりつきました。結局、心細いダートを10kmあまり走ることができました。この林道、きっとハード派のあなたも満足させることができると思いますよ。
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獅子越林道崩落現場突破
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晴天の五箇山、出発準備中
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今回も宿は国民宿舎五箇山荘です。土日をさけて旅する私たちには公共の宿はもってこいです。今回も天気をにらんで予約したのが宿泊前日の土曜日でした。ガラガラの駐車場を見てもらえばわかるように・・・と言いたいところですが、社員旅行などの観光バスが入っていて満員の盛況でした。こんな場所に平日バイクに乗っている私たちはなんだと思われているのでしょうか? しかし、これもバイクの利点ですよね。どこからみても旅をしているという感じ、甘えにつなげる気持ちはないけれども、どこかしら非日常を楽しんでいる自分が嬉しく思えたりします。浩BAJAと一緒に走ってはいますが、基本的にはバイクは自分一人ですものね。情報収集もその決断もそして行動も自分自身に即跳ね返ってくる。情報が多くて人の目ばかり気にしなくてはいけない日常からの逃避行、こんな側面がツーリングにはあるのではないかと思います。だから、仕事が忙しければ忙しいほど、僕はツーリングに出かけたくなるのかも知れません。一種のストレスコントロールなのかもしれません
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あと、私たちはとても身軽にツーリングをしています。浩BAJAがリアバッグに工具類と手荷物、私がディバッグにカメラ・地図と手荷物といたって軽装です。昔はフル装備でキャンプをしながら走り回ったこともあるけれど、いまは1泊2日から長くて3泊4日まで、宿泊施設利用というスタイルに落ち着いています。結局歳をとって、疲労回復に時間がかかるようになってしまったのが一番の要因でしょうか? でも、キャンプ&バイクがツーリングの醍醐味であることはそうだと思うけれども、いろいろな旅のスタイルがあってもいいと思います。歳をとってもバイクに乗っていたい、そのためにできることとはなんなんでしょうか?
さて、今日も快晴、DJEBEL&BAJAを走らせます。まずは、菅沼合掌集落からR304旧道に抜ける袴越林道です。
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菅沼集落奥、袴越林道入り口
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R304五箇山トンネル旧道
右側の道が袴越林道、ここが出口
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昨日は結局地図上のルートをトレースすることは一度もできませんでした。まぁ、これも林道行の面白さのひとつには違いないのですが、やはり、「抜ける道」を走ってみたいのが心情です。この林道も結構迷いました。山の上部でキャンプ施設の整備をやっていて、そこ向かう道がいかにも道なりらしく見えて、いきなり林道開削地点へ進入。やむなく引き返し、分岐を探ってようやくR304旧道トンネルの福光町側に出ました。林業関係者が入っているほどの道なので、走りやすい道でした。また、礪波平野の景色も広がるスカイラインダートですので、飛ばし屋さんにもおすすめです。
しかし、この旧道トンネルはオドロオドロしいです。夏はまだしも冬は通る気にはとてもならないでしょうね。今ははるか下に新道の五箇山トンネルがぶち抜かれています。
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前回来たときに雪のため通行不能だったR304旧道を五箇山側に戻って、たいらスキー場の直下から再び高落場山を回り込み、つくばね森林公園へとダートの入り口です。林道名が確認できていませんので、私たちは仮に高落場林道と呼んでいました。松本のR254三才山トンネルの上方を走る林道の雰囲気です。ただ、こっちの方が森も深いし道も狭く荒れている。特に谷を巻き込む部分では必ず沢が川を横切っており、その前後には泥がたまっている。また、雪解けとあってじめじめした路面で終始スリッピーではありました。でも高度を上げるに従って路面状態も安定して走りやすくなってきました。高原上の景色が現れ、ひらりひらりと飛ばしながら走っていくと、パラグライダー(セイル)の離陸場などがでてきて、つくばね森林公園に到着します。
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高落場山へ向かうダート
たいらスキー場直下、左手はR304旧道
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砺波平野のサンニョ(散居)が美しい
つくばね森林公園から
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つくばね森林公園からは舗装の高清水林道で再びR304に戻り、今度は医王山のダートに向かいました。期待していた医王山のダートも残りほんの僅か通算で2km程度でしょうか。そのいずれもが雰囲気のいいダートだけに、全線ダートだった頃に来てみたかったと思います。
さて、DJEBELのダートでの走破性ですが、浩BAJAにそう遅れることなくついて行けたのですから申し分ないのではないかと思います。サスは初期動作が柔らかくて踏ん張りが利くし、ハンドリングも素直、大きさは感じるけれども、そのもったりとした感じがむしろ落ち着いていて好ましい。ただ、舗装でも気にはなっていましたが、極低回転域でのトルクのなさ、ドコドコトルクのBAJAから乗り換えると、エンストを2回もしてしまいました(セルだからいいけど・・・) 林道でのGPS座標入力は入り口発見に効果絶大、同じく林道での燃費は25km/L程度のようです。(BAJAに比べてだいぶん悪い)
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医王林道を出て小矢部インターへ、このまま帰るのも芸がないので、今回も今庄インターで降りて、北陸本線旧線を越え敦賀へ。その後、三方町から小浜まで新しくできた若狭幹線林道を目指しました。私たちは向笠集落から入りましたが、どうもR162をもう少し小浜側に進んだ世久津集落からの方がメインルートのようで、向笠からの道との合流地点に「若狭幹線林道」と書いた標識が立っていました。路面状態はご覧の通りです。まだ、市販の地図にあまり載っていないので轍もほとんどありません。久々(DJEBELにとっては初めて)の6速ダートでした。しかし、ここも大規模な壁面崩により、通しで走りきることはできませんでした。
以上で、今回の林道行は終了しました。DJEBELでのダートランへの手応えをつかんだ楽しい2日間850kmの強行軍でした。サポートしてくれた浩BAJAに感謝しています。ありがとう!
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若狭幹線林道
まだ、あまり知られていないスーパー林道
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今回走った林道インプレッション
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牛首林道
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走りやすい路面、白山の景色遠望。途中路面崩落のため通過できず。
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獅子越林道
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途中廃道状態、ハード派のあなたにおすすめ、視界開けず。積雪のため通過できず。
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袴越林道
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ルートファインディングに正確さを要す。尾根まで登り切れば、走りやすいスカイラインダート。
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(仮称)高落場山林道
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細く湿った陰湿な道筋、高度を上げるに従って路面安定、景色開けてくる。
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医王林道
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尾根上のスカイライン(舗装)、北部区間の一部集落付近に雰囲気の良いダートが残る。
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若狭幹線林道
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R162世久津からはスーパー林道、向笹からは狭い農道風のダート、どちらも雰囲気眺望良い。途中大規模な壁面崩落のため通過できず。
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