【日帰り温泉行〜奈良県野迫川村雲之上温泉】
読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、いろいろありますが、私たちモーター
サイクリストにとっては、やはり「ツーリングの秋」ということでしょうか。

  さて、今回もミニトリップをひとつ。行き先は奈良県野迫川村にある「ホテ
ル開雲荘」を目指します。ここは紀伊半島北部伯母子岳北側、標高1,200
mにあり、6月から11月にかけて雲海が広がることから「雲之上温泉」と呼
ばれています。早速ツーリングマップル65Pを開きチェックします。うーん、
しっかりとコメント記載がある。改訂されツーリングマップルになってから温
泉情報がさらに詳しくなっています。バイク乗りと温泉、すっかり仲のいい関
係として認知されてきています。私がこの温泉を知ったのは、かのスパライタ
ー坂本氏の記事によります。’95年6月号で氏は公共の交通機関を乗り継ぎ
大阪から日帰り入浴を果たしています。その中には前日までに乗車予約のいる
「南海りんかんバスのマイクロバス路線」についての面白い記述もあります。
1日僅か2往復の路線ですが、バイクで行く私にはそのダイヤは関係ありませ
ん。往路に温泉から引き返してくるバスと対向しましたが、予想に反して?全
席満員(それもおばちゃんばかり)でした。ツーリングマップには記載がない
けれども、温泉手前にある「荒神社」への参拝客だと思われます。実は紀伊半
島は洞川といい高野近辺といい熊野界隈といい、宗教に大変深い関わりのある
エリアなのです。

 尼崎からのルートですが、余り選択の余地がありません。阪神高速湾岸線を
使い、そして紀泉山脈を越え24号線を少し走り、まずは高野山をめざします。
このあたりのルートについては『アウトライダー』11月号、ウィークエンド
ラン(奥高野ダート周回)の導入部分と同じです。ちなみに、巻頭特集も紀伊
半島ですが、『るるぶ』的な取材が多くて、私たちライダーに役立つ情報は余
りありません。アウトライダーのライターの中で野岸氏とはどうしても感性が
合わないようです。それと、昔からの読者のみなさん、最近太田氏の写真に昔
のような「切れ」がなくなったように思いませんか? 単に作風が変わっただ
けなのかなぁ。昔のような「青い空と」「白い雲と」「緑の山と」そして「走
るバイクと」がはっきりした作風が私は好きでした。あの「ナチュラルツーリ
ング」の復活ももうありえないことなのでしょうか。リターンズの連載化を切
に願っています。

 高野山道路、今は国道370号線。旧有料道路の時代から観光バス同士がす
れ違えないほどの道幅も昔のままです。狭いのにも関わらず通行車両は多く、
各地からの大型バスの運行も相次ぎます。また、高野山の境内は街としての機
能も持っているために商用車や住民車もこれに混ざります。前に観光バスが2
台黒煙をあげています。屈曲が多く抜くに抜けません。水温計がみるみるうち
に上昇します。オーバーヒート寸前でパッシングできてことなきを得ましたが、
山岳路の低速走行はエンジンに負担がかかります。国道にしたのであれば、最
低限の設備(ここでは追い抜きゾーンなど)の設置はお願いしたいものです。
高野山上の寺院の甍を縫って、高野天川線へと向かいます。おそらく路線バス
は高野龍神スカイラインを経由するのだろうけれども、プアーな私は料金所を
パスするためにこちらの道を使います。この道、もう18年も前になるPDラ
リー(QMではない)のコースでした。オンタイム走行を想定して作成された
コースはダートも多く220KM程度の距離もあり本当に走りごたえのあるもの
でした。いろいろ問題があってPDラリーは一時中止になり、クイジーマップ
として蘇ったけれども、距離が100KMあるかないかだし、ダートもなく本当
にイプサムでも走れてしまうようなドライブラリーになってしまい悲しいもの
があります。私個人としてはダートやハードな山岳コースを設定しておいた方
が、ある程度のエントリー抑制効果があって良いのではないかと思います。ド
ライブデートのつもりで参加するなんてPDラリーの頃には考えられなかった
ことです。PD誌の参加時の写真なんかをみていると、グループで参加してい
る人も多いようだし、クイズ地点なんかで地元の人たちに迷惑をかけてはいな
いのだろうかと心配してしまいます。また、中止などということのないように、
エントリーする方は、節度と自覚を持って欲しいと思います。

 荒神社を垣間見て、いよいよ「雲之上温泉」へ。平日というのにAX−1、
マグナ250が停まっています。入湯料525円を支払い、いざ大浴場へ。今
あがったばかりのマグナ氏とひとことふたこと交わし、湯船へドボン。良い湯
です。アルカリ単純泉なのでさっぱりしたお湯ですが、やはりツーリング中の
温泉は最高です。まだまだ寒くはない季節ですが、はやくも太股がとろけてき
てしまいそうです。30分あまり浴場と1,200Mからの景色を一人で独占
し帰路につきました。帰りは480号線でかつらぎ町へとつなぎ、途中の無人
販売所で柿とアケビを手に入れお土産としました。

 往復ピストンに近い、芸のないコースでしたが、天気の良さで充分に楽しめ
た1日でした。当日このあたりの小学校は運動会真っ盛り。なぜ日曜日にしな
いのかなぁー?

<データー>
 雲之上温泉
  ホテル開雲荘 奈良県吉野郡野迫川村 07473-7-2721
         宿泊12,000円から 入浴525円 昼食は予約必要。



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