高速道路標高日本一1085M
東海北陸道 高鷲〜荘川間
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日本最高所を走る有料道路、それが『乗鞍スカイライン』です。OUTRIDER誌を始め、数々のバイク雑誌のツーリングシーンを飾る天空の道です。私も今までに四輪では何度か走っているものの、残念ながら二輪で走ったことがまだありません。
平成14年度の営業終了をもって一般車両の通行制限というニュースを聞くにつけ、なんとか走れるうちに走っておきたいと思い、休みと天気とをにらめっこしながら日程を調整していましたが、結局実行に移せたのは10月も下旬、紅葉は申し分ない時期でしょうが、標高が高いところだけに積雪や凍結がないかと心配しながら、出発しました。
今回は時間が限られているので、高速道路も積極的に使います。いつもであれば、混雑する都市部のみを使いあとは一般道でツーリングを楽しむのですが、今回はやむをえません。でもこの東海北陸道は結構好きな道です。松本に行くときに、あまりの天気の良さに、中央道経由をパスして一宮で分岐してしまったことさえあります。何度も長良川を渡り、美濃そして飛騨の山々と長良川の美しさを楽しめる道です。そして白鳥町を過ぎ蛭ヶ野高原の登りにかかります。登り切ったところがこの看板です。当日の気温は4℃でした。いくら厳寒装備をしているとはいえバイクには堪えますが、山頂に雪を纏った山々、そして麓に降りるにつれて紅葉が鮮やかになる様子を見ると寒さも吹き飛びます。現在は南からは飛騨清見まで、北は五箇山まで完成しています。残り後わずかです、開通後は単調な北陸道に変えて、富山方面へもこの道を使うかも知れません。
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飛騨清見インターで高速を降りR158へ、高山市内を迂回して再びR158で平湯へと向かいます。途中、高山市内を迂回する県道がR158と合流するところにあるサークルKで休憩しました。そこで、同じく休憩中のアメリカンバイク氏が、乗鞍スカイラインは現在通行止め中とのことを教えてくれました。そういえば、R158の高山市内を出るところに情報板があったような記憶があります。氏は携帯電話をかけてさらに情報を集めていましたが、林道ライダーでもある私はたとえ「通行止め」と聞いても現場を見るまではあきらめがつかない困った性格なのです。ひと桁前半の気温の中を走り続け平湯峠に到着しました。そこで待ち受けていたのが写真にある無情の掲示板でした。出発前からインターネットで確認したりしていましたが、峠でひと桁前半の氷雨なら山頂付近の気温はおそらくマイナス、路面も積雪凍結しているのでしょう。ここまできたのだから、後悔なしと自分に言い聞かせて帰路につきました。この年は、この後わずかな開通の後に冬季閉鎖に入ったとのことです。これで『乗鞍スカイライン』を自分のバイクで走ることはもうかなわぬ夢となってしまいました。
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ラストランならず!
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ラストランに集まってきた四輪&二輪
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しかし、残念なことに変わりはありません。固く閉ざされたゲートの前で途方に暮れるドライバー&ライダーたち。平日にもかかわらずこの混雑ですから、週末などはもっとすごい状況になっているのでしょうね。夏に来たときも畳平あたりは相当の渋滞でしたから、車両の排気ガス、そして訪れる人間の屎尿や生活排水が自然環境を脅かすということであれば、一般車の流入規制もやむをえないことなのかもしれません。
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平湯峠を平湯温泉側に下りていきます。さらに奥飛騨温泉郷に向かうべくR471に道を進めます。安房トンネル開通と同時に付け替えられたバイパス道。昔の温泉街を通ることなく高原川沿いに上宝村をめざします。豪快な下りですからひらりひらりとコーナーを楽しんでいました。いくつめかのコーナーを抜け体制を立て直し視線を前に移すと、「紅葉が燃えていました」 平湯峠は氷雨が降っていました。峠を下ってきても天気はいまひとつでした。しかし、標高1300m程になると雲の切れ間から日が差すようになりました。
紅葉は旬が本当に一瞬です。有名な蔵王でも旬は一瞬らしく、ちょうどその時にスカイラインを走ると観光バスの運転手でさえ言葉を失ってしまうほどだという記事をどこかで読んだことがあります。今日この時間のこの場所の紅葉はまさにそんな感じでした。同じように感じた人が多かったのか、私がバイクを停めて撮影していると、次々に車が停まりだし、あたりは紅葉の撮影会の様相になってきました。
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紅葉の旬を捉えた一枚
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新穂高温泉から槍ヶ岳を望む
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新穂高温泉に向かう県道の突き当たり、新穂高バスターミナルから望む槍ヶ岳です。残念ながらその頂は雲で見えませんが、なかなか雄大な景色です。この裏側があの有名な上高地なわけですが、私はどちらかというと新穂高からの景観の方が好みです。上高地は渓谷が広く、池があるので得をしているのではないかと思います。むしろ渓谷が狭くそして深い新穂高からの景観の方が、標高差を感じて厳しくていいのではないかと感じています。あと温泉が豊富なのも素晴らしい。特にこのあたりの露天風呂は、雄大な槍ヶ岳を望みながら入れるという素晴らしさです。それと蛇足ですが、料理の味も(値段も?)上高地側は関東圏、新穂高側は東海関西圏のように思います。関西人である私は、上高地に行くともううどんを食べることはできません。
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安房トンネルの開通は、実に大きな変化をもたらしたと思います。信州側のR158を走っていると「高山行」とプレートを掲げた定期バスをよく見かけます。松本からや遠くは東京からの便もあるようです。それまでは、名古屋や岐阜を経由しなければ行くことのできなかった高山がこんなに近くになったわけですから、少々料金が高いと感じるものの、その恩恵はとても大きいと思います。事実、私も松本に行くのに、中央道を避けて東海北陸道から安房トンネル経由で行ったことがあるわけですから・・・
ここも素晴らしい紅葉でした。平湯の温泉街から離れていることもあり、真新しい道が錦の絨毯を切り開くという構図がなんとも美しく、大型車が通ると揺れて怖い高架橋の路肩にバイクを止めて撮影しました。
この後、高山に出て、そのあと飛騨せせらぎ街道で郡上八幡へ、そして少しの間長良川沿いに走って、帰宅の途につきました。
乗鞍スカイラインラストランはならなかったけれども、奥飛騨の素晴らしい紅葉を堪能できた素晴らしいツーリングとなりました。
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平湯峠方面から見る安房トンネル出口付近の紅葉
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