ご質問 手術を併用した矯正治療の治療手順


お答え  外科矯正治療を希望された場合、どこの矯正医でも健康保険が適用になるわけではありません。施設基準といって、保険治療に必要な検査機器、そして歯科矯正治療を担当する矯正医が在籍しているかどうかが問題となります。健康保険が適用となるリストは、日本矯正歯科学会のHPにございます。(→こちら) 

  診療内容 費用の概算(保険適用の場合)
1 初診相談:現在の状態、予想される治療内容・期間、費用の概算をお話しします。 700円程度
2 歯磨き指導 500円程度
3 検査1回目(レントゲン写真、口腔内写真、模型など)

4000円程度

4 検査2回目(顎機能検査、筋電図検査) 1000円程度
5 診断(治療方針の決定) 、口腔外科への紹介 7000〜10000円程度
6 口腔外科受診 手術する口腔外科医と相談、意思確認を行います。  
7〜 術前矯正治療開始(手術の準備矯正) 手術した後で、しっかり噛めるように、歯並びを整えます。症例により半年から2年程度かかります。ブラケットを付ける時は、上下2回に分けて付けますが、7000点ぐらい((自己負担額 21,000円ぐらい)かかります。またワイヤーを変えたり調整したりすると688〜4500点の費用がかかります。  
8 外科手術:歯科口腔外科にて
 入院期間は10〜14日。
手術費用も健康保険適用で20万円ぐらいかかります。
9 術後矯正治療(手術後の仕上げの矯正)
手術の後、かみ合わせが安定するかどうか確認する、微調整が必要だったり、舌の正しい使い方を指導したりしてゆきます。
 
10 保定=ブラケットの撤去料、リテーナーの材料代がかかります。6302点 (自己負担額 18,910円)
だいたい歯を留めておく装置(保定装置=リテーナー)を用いて、後戻りが起こらないかどうか確認してゆきます。だいたい3ヶ月に1回程度の頻度で、2年間です。
 
11 終了 通院は終わりますが、歯や歯ぐきのお手入れは死ぬまでですよ。  


注意点!

1)歯科矯正治療による不具合(副作用)が起こる可能性があります。  どんな薬にも副作用があります。たいていの薬は肝臓や腎臓に障害を与える可能性があります。歯科矯正治療も歯に悪い影響を与えることがあります。具体的には、「歯根吸収」と言って、歯の根が短くなることがあります。最善の注意を払って治療いたしますが、可能性はまったくゼロと言うわけにはいきません。歯根吸収の要因としては、治療期間、歯の移動距離、患者さんの協力度、担当医の腕などが考えられております。
 あと、う蝕(虫歯)や歯周炎の危険性も増しますが、これは患者さんのご協力があれば乗り切れます。ウチでは、歯みがきしない人は装置を入れません。ご了承ください。手術における副作用については口腔外科医とご相談下さい。
2)外科手術におけるリスク

全身麻酔で手術しますので、麻酔のリスクがあります。

手術時に知覚神経を損傷する可能性があります。

3)後戻りのリスク 手術後にゴムを使わない、保定装置を使わないと悪い歯並びの状態に戻る危険性があります。


 外科矯正治療を希望される方は、上記の内容をよく読んでご理解頂いた上、担当医とさらにご相談ください。十分に納得されてから治療をされることを望みます。


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