歯科矯正あるある

 ウチで初診相談した時によく聞く話のまとめです。


 その12: なぜ、顎の成長が悪いのか?

 バングラティッシュの人の歯列を診たことがありますが、叢生はありませんでした。歯ごたえのある食品をよくかんで食べているからだと思います。その娘さんは日本食で育ったのでひどい叢生でした。

 日本食は、軟かすぎます。子どもが好むハンバーグやカレーなどほとんど噛まなくても食べられる食品が多いです。パンなどはしっかり感で唾液を出して飲み込むのでは無く、牛乳ふやかして流し込んで食べているようです。

 生野菜のように歯ごたえのあるものは(野菜の苦みのせいもありますが)ほとんどの子どもは嫌いです。

 離乳の失敗もよく言われております。噛むことを離乳の段階ででしっかりと教えていない場合があります。具体的には歯のはえかた(子どもの成長発達)に応じて、適切な食物正常形態を与えなくてはいけないのですが、「何歳までに離乳を完了させましょう。」みたいな指導をされて、離乳のステップをはしょっている例が多いです。離乳は乳児型の嚥下から成熟型(成人型)の嚥下に変化させる大事なステップなので、かなり(!)大切なことなのです。学校給食でも早く食べる子がエライみたいなところがあって、丸呑みの習慣を定着させています。小学校の歯科健診をやっていると3分の1近く、乳児型の嚥下が残っている児童がおります。

 よくかまないと舌も動きませんので、舌という筋肉の塊がフニャフニャなままになります。舌の筋肉が弱いと舌は前歯に寄りかかってゴックンする乳児型の嚥下のままです。また歯列が狭すぎて舌が歯列におさまりませんので、上下の奥歯の間に舌を挟んでゴックンするようになります。症例は、こちら

 こういった場合、歯列を矯正装置で拡大して、咀嚼訓練や舌のトレーニングをして、正常な成長に戻す必要があります。治療した症例はこちらからどうぞ

 この子、しっかり噛めるようになったら、身体がしっかりガッチリしてきました。噛んだものがすべて栄養になった感じで、親子共々喜んでます。


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