歯科矯正あるある

 ウチで初診相談した時によく聞く話のまとめです。


 その13: 前歯で食べ物をかみ切れません

 「ご飯をよくかんで食べましょう。」

そう言われても、かめない子どもがおります。下の写真のような前歯部開咬、上顎前突症(出っ歯)、反対咬合(受け口)だったら、当然かめません。かめないから丸呑みするしかありません。あるいは水で流し込みます。(学校給食なら牛乳で流し込んでいる?)

前歯部開咬

 前歯のかめない子どもは麺類が嫌いだったりしますね。あるいは、犬食いと言われる食べ方をします。

 

☆歯科矯正学では、機能と形態、という言葉があります。

1)機能=英語だとFunction。身体の働き。活動できる能力。ですね。

2)形態=英語ではForm。身体の形。ですね。

 

 歯だったら、上下の歯がかみ合った形になってないと、正しく機能しません。(=はたらけません。)

 このことは、裏表がありまして、機能が正しくないと、形が崩れます。上の写真の前歯部開咬の場合、舌を前に出す癖(舌突出癖)があると、上下前歯がかみ合わない形になります。

 

 ですから、歯科矯正治療をする場合、機能と形態の両方向から治療する必要があります。つまり、形態を変えながら機能の訓練もする必要があります。

前歯部開咬治療後

上の写真の症例の治療後です。非抜歯でマルチブラケット法で歯を動かし、舌のトレーニングを平行して行いました。

 

 ウズラの卵で窒息した事故がありましたが、かめない子どもは食物を丸呑みするしかありません。

 こういった噛めないかみ合わせを治した後、成長がすごく良くなった子どもさんを何人か見てます。しっかりかめると食べた物が栄養になるんだなあ、と考えてます。

※新幹線車両やスポーツカーがなぜ流線型なのか?の理由は、早く動くという機能のためなのです。空気抵抗を減らして速く走るために流線型という形になったわけですね。


 TOPに戻る | 前のエピソード  | このエピソードの目次へ戻る | 次のエピソード