口蓋裂の歯科矯正治療について

2.永久前歯交換期(6〜8歳頃))の治療

 6歳ぐらいになると永久歯の前歯が萌出してきます。このころになると、反対咬合や叢生などが確定してきます。また、レントゲン室でジッとしていられるようになりますから、検査も可能になります。(幼稚園ぐらいでできる子もおります。)

 レントゲン写真を撮影し、分析する事により、矯正治療の予定(見込み)が立てられます。顎裂部の大きさ、欠如歯がないか、上下顎の成長の分量に異常がないか、虫歯はひどくないか等々です。

 上顎が狭い事により、奥歯の部分が反対咬合になっている場合、拡大装置によって上顎の幅を広げます。顎裂部に骨がなく、歯の萌出が困難であれば、骨移植をして歯を助ける事もあります。

 前歯部反対咬合では、上顎劣成長のタイプ、下顎骨過成長のタイプ、その両方があるタイプ、前歯の前後的な傾き(歯軸傾斜といいます)を伴うかどうか、により治療法は変わります。

 但し、上顎骨の前方牽引装置は10歳前でないと効かないことがありますから、8歳ぐらいまでに一度ご相談に行かれることをお勧めします。

 

 いずれにせよ、検査をしてその分析内容をよく聞いて、治療方針(装置、治療期間、見通し)について、担当医とよく相談し、納得されてから治療開始される事を希望します。

 成長を追いかけながらの治療になりますので、どうしても長期間の治療になります。私としては、通常の歯科矯正治療と同じく、なるべく少ない装置、少ない治療期間で、最大の効果をあげるべく頭を使いたいと思います。


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