萌出方向の異常

症例:初診時年齢13歳3か月

主訴:下あごの左の奥歯の向きが変だ。

来院までの経過:住居地近隣の歯科医院に通院中。しかし、下あご奥の歯の異常については言われたことは無し。知り合いの奥さんに聞いて、当院受診。

初診時:上下顎第二大臼歯(別名12歳臼歯)が萌出しておりますが、はえている方向が変です。かみ合わせの面が斜め手前に倒れてます。→こういった場合、食べかすがたまりやすくすぐに虫歯になってしまいます。(この時はシーラントがされておりました。)

第二大臼歯(斜めになってはえている歯)の上に第三大臼歯がのっかってます。

この場合、第三大臼歯を取り除いてから、第二大臼歯をまっすぐにしてゆきます。

(第三大臼歯が上にのっかかっていると第二大臼歯を動かす時に邪魔ですから。)

しかし、浜松医大の歯科口腔外科に頼もうとしたら、受付の段階で「矯正歯科からの抜歯依頼は自費です。(保険が効かない)」と言われて、患者さんと親御さん激怒! これも、静岡県の技官が通達を出したせいでしす。

 

で、大学の後輩に無理を言って、第三大臼歯を取ってもらい、第二大臼歯を歯科矯正治療で立てました。専門用語でアップライト(Up-righting、整直)と言います。

 患者さんの幸せよりも、保険点数を削るほうに一生懸命な社保庁の技官もいるわけです。これぐらいは、人助けの範囲でしょう。虫歯にして、あるいは歯肉炎を作って、患者さんに痛みと苦痛を与えてから抜歯をすれば、保険治療が可能なわけですが、こうやって整直すれば使える歯なんです。おかしいでしょ?

※このような症例では、MTMの料金でウチはやってます。この歯を抜いて、ブリッジにして、10年に1回作り直すことを考えれば安い値段だと思います。(こんなのは人助けです。)あ、歯助けか?

※下から2番目の写真において、第一大臼歯と倒れた第二大臼歯の間に食べかすが入り、そこで発酵すると、歯槽骨に炎症を起こすことがあります。歯槽骨炎は結構痛いですよ。


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