転医症例1

 2年近く歯科矯正治療に通って、下の写真のような状態であったとします。

 「このまま、今の先生の所に通って、治りますか?」と、聞かれたどうお答えしましょうか?

 患者さんがおかしいと感じたことは、おかしいことが多いのです。勘違いや理解不足の場合もありますが。この方の場合、私の所に来るまでに、5〜6軒矯正専門医を受診し、どこでも断られておりました。前の担当医との面倒、治療を立て直すことの困難さからからでしょう。私だって正直嫌です。

 矯正治療の技術的なレベルというのは、知識と経験の蓄積の結果ですから、素人レベルと専門医レベルでは雲泥の差があります。剣道なら構えを見た瞬間、柔道なら組んだ瞬間に相手の力量がわかると言います。ギターやドラムだって、うまい人はスキがありません。

 「どうしても、ココでやりたい。」と、患者さんがおっしゃったので、付いていた装置を取っ払って、全部やり直しました。(下の写真が装置撤去時です。約1年でこの状態にしました。)

 私としては、前の担当医を悪く言うつもりはありません。患者さんの幸福のために、お引き受けしただけです。

 前医(前の担当医)は、未払いの治療費を請求してきたり、転医資料を渡さなかったりしました。また、歯科医師会を通して圧力をかけてきたりもしました。それらすべて、患者さんの「ため」になるんでしょうか? 出身大学のメンツだとか、個人のプライドも大切でしょうけど、患者さんが幸せになるほうが優先されるべきでしょう。上記の写真二枚がしめすように、技術レベルの差は明らかでしょう。

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