転医=現在、診察を受けている医者から、別の医者に変えること。

項目 説明
転医について

 父親の転勤やご結婚などの理由で、今までの担当医のところへ通えなくなるのは仕方ありません。装置のトラブルがあった時にすぐに直せるぐらいの距離の所へ通院するのが理想だと考えます。

 転医をされる時には、資料(レントゲン写真・模型・治療経過・料金の支払い状況)を前医から受け取るか、直接転医先に送付してもらってください。

 転医先では、新たに検査し直して、新たに治療方針が示され、料金の提示があります。1カ所に通うよりは割高になることは、ある程度は覚悟しておいてください。

 この他には、「なかなか治らない。」とか、「治療内容技術に不信感がある。」などの理由で転医される方も多いようです。歯科矯正治療の知識や技術は個人差が大きいモノです。全く研修をしていない人間から、歯科矯正の臨床専門で10年以上のベテランまでおります。患者さんはドクターを選べますから、我慢しなくても良いと思います。

転医症例の特徴

 一般歯科治療(歯を削ったり、詰めたり、入れ歯を作ったり)は、ほとんどが蓋をしてしまう治療ですので、治療の上手下手というのは、非常にわかりにくいものです。すぐに、腫れたり、外れたりしないかぎり患者さんは理解できないでしょう。

  歯科矯正治療の場合、歯が動いているという目で確認できる事項があり、装置の終了や後戻りしないかどうか(観察)の終了など、治療の節目が存在します。そうです。治療の進行度と終了結果が誰にでもわかるのです。(歯根吸収などレントゲン写真をとらないと見えないものもありますが。)

 歯科矯正の技術的なレベルというのは、患者さんには分かりにくいと思います。異常に痛かったり、治療期間が異常に長かったり、最初の説明と話が違ってきたり、だんだん「おかしいな?」と思うことが増えてきたら、他の専門医に相談した方が良いかもしれません。素人(専門教育を受けていない、の意味)の矯正治療というのが存在します。法的には違法ではありません。

 私は、これまでこういった事は、公にしてきませんでした。公にしても、私には何の利益もないからです。困っている患者さんがいて、治療を頼まれれば、治してきただけです。転医症例は、ほとんどが再治療です。崩れた状態を立て直し、新しい秩序に導く治療です。手間も時間もかかるので、なるべくやりたくはないのですが、頼まれたら仕方ありません。

※世の中には、転医症例をすべて断る歯科医師もおります。前医とのやりとりもストレスですし、非常に難しい症例が多いんで、関わりたくないんでしょう。

セカンドオピニオンというもの ※セカンドオピニオンがえらいわけではなくて、ひとつの意見、治療結果がでているから、二つ目の意見が出るだけです。ただ、セカンドオピニオンのほうが症例において、気を付けなくてはいけない点がすでに明らかになっているので、ちょっとエラク感じるような話になるのは確かです。繰り返します。セカンドオピニオンをする医者歯医者がエライわけではありません。失敗したり、うまくいかなかった理由を考えることにより、よりよい治療を考える余裕があるだけです。
一般歯科からの転医

一般歯科では、頭部X線規格写真(セファログラム)を撮影せずに治療している場合が多いので、骨格的な異常に対する診断はされていない場合が多いです。また、成長発育、治療の限界、機能の問題などには、知識が少ないか、全く考慮されていないので、それなりの治療内容になるのは否めません。

 的はずれな治療になっている可能性があります。

 自然治癒するような症例やちょっと生活を工夫すれば治る症例でも、ひどい状態であると言って、大層な装置を入れ、お金を取る不届きな歯科医もおります。

転医時に必要な資料

治療継続依頼書、初診時のレントゲン写真、口腔内写真、顔面写真、治療経過、治療費の精算書。(別料金がかかる場合があります。)

※一般歯科からの転医の場合、これらが一切送付されない例が多いです。(というか、全部だ! この30年、送られてきたことは一回もない。)

その他

転医する予定がございましたら、矯正専門で開業されているところを受診されたほうがよろしいです。

転勤直前に装置を入れて、お金を払わないでください。治療に対する責任を取らずに、装置代だけ取る例が非常に多いです。

あと、レントゲン写真もとらず、治療方針を明確に示さず、ダラダラと治療を始めるようなシロート矯正で、治らなくて治療が長引いた場合、子供の患者さんでは治療に対する不信感がどんどんふくらんで、転医先での治療が上手くゆかないことがあります。あまり治らない時は、さっさと転医するか、そのような歯科医を選ばないようにしてください。

症例の供覧 これまでは、作っておいただけで、表のページからリンクは張ってませんでした。でも、検索エンジンで探し出す人がいるんですね。一番遠くは栃木県からいらしてくださった患者さんもおります。(転医症例の実際は→こちら
もう一点

別に、ウチまでいらっしゃらなくても結構です。近隣の歯科矯正専門で開業されている歯科医にご相談ください。

装置が壊れた時、何らかのトラブルがあった時、すぐに直しに行ける所を選んでください。