PC界’99年の予想(?)

               最終更新日 : 1999/01/25.   by m-kamiya


何を思ったか’98年のまとめと’99年の予想をしてみます。(^^;)
で、’99年が終わった時点で反省\(_ _)をしようかな?と思っています。
本当は、本Webの”正式”公開と一緒に1月1日に掲載する予定でしたが・・・
注意! 本文は雑誌&Web情報のまとめと、多分に私の予想が含めれています。
     本文を読んで信用しない様に!(笑)

内容(目次)

  CPU編

  GA編

  ’99年の注意点


CPU編

dot_5.gif (999 バイト) Intelの焦り,我慢が続く

 少なくとも、Intelの我慢は0.18μmプロセスのコア+ベースクロック133MHzを投入出来る’99年中期まで続く。#あくまでも”とりあえず”理由は後述

 このPen3?(Coppermine)+チップセット(i810,i820)は、Celeron(Mendoxino)と同じコア上にL2キャッシュを実装出来、その上チップの面積も従来と同じ大きさぐらいで納めることが出来る。
それまでは、Deschutesコア+KNI命令となるKatmaiコアで乗り切るしかない。
 また、このKNI命令は、「3DNow!」より高機能,高性能と思われるが、レジスタの変更も有り、OS側の対応が無いと使えないそうだ。

 パフォマンス用のPen3?がベースクロックを133MHzに上げれれば、ベーシック用のCeleronもベース100MHzに出来るし、KNI命令も与えることが出来る。
#KNI命令だって普及を考えれば、圧倒的にCeleronに乗せたいはず。

 それまで、Celeronの方は、FSB=66.6となるそうだが、ベースクロックup,KNI命令の対応も、AMDの動き次第では前倒しにされる可能性が高い。確率から言えば、ベースクロックを上げる方が先かな?現実に出来ている訳だし。
 また、モバイル用高性能CeleronとなるL2=256KB版、Dixsonをディスクトップに持って来るかも知れない。

 とにかく、Celeron 366,400MHzも新年そうそうに発表された。
メーカー系の担当の話では、Celeron400は4月頃発表と聞いていたらしい。
つまりまた予定の前倒しをした訳だ。
 このCeleron366,400は、Pen2設計時に用意した高倍率設定を使い5.5倍,6倍×66.6MHzとなった。”5倍以上の倍率は性能Upが少ない”と言っていたのに形振り構わずてところで有る。

 多分、Intelは対抗策を用意しておき、収益悪化を覚悟の上でAMDの動きの即応して来ると思う。逆にガンガン行けない所に今のIntelの苦悩と我慢が存在する。

 それと、Slot1の問題点の回答が今回のCeleronのパッケージ形式に含まれる。
Socket370(PGAパッケージへの回帰)が回答で有る。単純にコストもSEPP版に対し、10ドル程度安いそうだ。
#もしかすると、CoppermineもSocket370版が有るかも?
#そうなるとSlot1の終焉も近いかも知れない。

 しかし、問題はその先で”Solot1,2の限界”と言うより、P6バスそのものの限界が見えて来ているそうだ。P6バス&プロトコルでは構造上、ベースクロックを上げずらいらしい。
 来年以降、主戦場になると予想されている1GHzOverの戦いは、倍率を考えればFSB=200MHzが必要になって来るのでは?

 結局、AMDのK7の性能次第では、P6バスを変更すると思われるIA−64アーキテクチャのMckinley(予定では2001年)まで苦戦をするのかも知れない。
#IA−32も全面改良したコアもCoppermine以降投入予定だそうだが・・・

dot_5.gif (999 バイト) AMDの賭

 AMDは、K6-3(Sharptooth)とK7で勝負を掛ける。

 K6-3(Sharptooth)自体は、K6-2を基本にL2キャッシュ=256KBをオンチップ化し、そのL2キャッシュをバックサイドバス接続にする。予想される性能も、Pen3(Katmai)より上と思われる。
 予定の性能&リリース時期&価格を守れれば良いのだけど・・・

 K7にしても、完全なアウトオブオーダー,拡張された実行ユニット等も何か秘策が有りそうだし、心配なSlotA(EV6バス)のベースクロック200MHzも、P6バス133MHzと同じくらいの難易度らしい。
 自作系,メーカー系共に、Pen3?(Coppermine)+チップセット(i810,i820)が出る際には、拡張バス(PCI等)を除く、メモリー(D-RDAM)を含めたシステム全体を変更しなければならないから同じスタートラインだと思う。
 その上で、K7なら性能面ではアピール度は高いと思う。こちらも価格次第だと思うが・・・・

 とにかく、AMDはAm486訴訟時の和解によりP6バスを使えなくなっている以上、Socket370の互換CPUも作れない。この将来への回答がK7だから、K7の性能=AMDの将来を決めるポイントで有ることは間違い無いと思う。

 どちらのCPUも、その時期のIntelCPUを上回る性能が出そうだ。
 初めて互換CPUが本家を打ち負かす場面が見られそうだ。楽しみで有る。
当初は0.25μmプロセスみたいだから、0.18μmプロセスが実用になるまで発熱&コスト的(歩留まりも)に辛いとは思う。が、AMDには期待をしている。巨人Intelに対抗出来るのはAMDしか無いと思うから・・・

 一応、AMDではPen3 vs K6-3,Xeon vs K7と言っているが、実装トランジスタ数から考えると狙いはCeleron vs K6-3,Pen3?(Coppermine) vs K7の様な気がする。

 来年の今頃には、何らかの流れが見えて来るだろう。 

dot_5.gif (999 バイト) 復活するかCyrix、付いて行けるかIDT、?のRise Technology

 一時統合プロセッサ(MXi)しか出さないと言われたCyrixも、買収騒ぎから抜けだし、新しいCPUのアナウンスを行った。'98に出す予定だったFPUの強化,MMX命令ユニットを増強したCayenneコアの「Jedi」と、来年になるが新設計での「Jalapeno」が控えている。
 共に”PR”表示をやめ実クロックの表示と、パイプラインを増やし動作クロックを上げて来る。
結局、Intel&AMDと同じ手法に切り替えるみたいだし、性能面でも真っ向から勝負するみたいで有る。それにP6バスのライセンスを持つNational Semiconductor社が親会社(て言うよりCyrix自体が事実上無い)だから、Socket370に移行すると考えた方が良いかもしれない?
#’99.01.21にSocket370対応CPUのアナウンスを行ったそうだ。

 ローエンド重視のIDTもCyrixと同じ手法を取る。
L1キャッシュを128KBに補強したWinChip3,新設計でパイプラインを増やしたWinChip4を投入するみたいで有る。どちらも同時期の他メーカーのCPUには性能面で下になりそうだが、値段で勝負だろう。見えないのは将来像。Socket7が下火に成りそうな流れの中で、次のバスを何にするかは発表されていない。元々、リプレイス用CPUの意味合いが強かったが、PCの価格が下がっている&性能向上が速い以上、新規PCに採用されないと辛いことは事実。

 Cyrix,IDT共に共通することは、”パイプラインを増やす=クロックup重視”に変わったことで有る。
 2社共、設計思想は違え性能&コスト重視で考えて来た訳だが、Intel&AMDに大きく溝を空けられて来た上に、’99年は動作クロックが400MHz以上が主戦場となる。路線変更が必須となったのだろうね。たとえローエンドを狙いとしても、”市場=クロック表示”と理解した結果かな?(笑)

 で、解らないのがRise Technologyの「mP3」。
CISCプロセッサ+実行ユニットを大幅に増強したCPUみたいで有る。
 ただ、自分の目からは、1年前のIDTのWinChipにしか見えない。性能は結構高い(200MHz動作でPen2 266と同程度とのこと)と思われるが、こちらも動作クロックが上げずらいと思う。
 IDTもCyrixが路線変更をしたくらいなのだから、他の4社に付いて行けるか?&シェアを取れるか?すごく疑問で有る。

 他の3社に言えることは、Intel&AMDが争って開発速度を上げている上に、それなりのコストをすぐに出して来る以上、それに追従して行かないと難しいことで有る。
 このままでは居場所が無くなり、WinCE搭載の専用端末に飲み込まれてしまうかも・・・・

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GA編

dot_5.gif (999 バイト) 更に激化が予想されるGA、生き残るのは?

 ’98年に間に合わなかったチップが登場する。
 ATIのRAGE 128と3DlabsのPERMEDIA3である。

 RAGE 128は、0.25μmプロセスで作られていると言われ、128bitのビデオコアと128bitバスで接続されるメモリーで構成される。MPEG1/2のデコード支援機能を持ち、画質の良さにも期待が掛かる。ただし、出荷が延期されている様に、製造工程に問題を抱え、歩留まりが悪いらしい。

 PERMEDIA3の方も128bitのビデオチップで、前作のPERMEDIA2に更なる3D機能を追加するみたいだ。こちらのチップは、どちらかと言えばOpenGLに特化している可能性も有り、ゲーム用途よりCGデザイン等の業務用に力を発揮するのかも知れない。

 ’99年後半は、3DfxのVoodoo3,nVIDIAのRIVA TNT2が登場する。
RIVA TNT2は情報があまり発表されていないが、Voodoo3の方は256bitのビデオコアと128bitバスで接続されるメモリーで構成されるらしい。2D/3D兼用チップで有り、MPEG1/2のデコード支援機能も持つそうだ。Bansheeの性能を見れば、かなり期待を抱くチップで有る。

 とにかく、今のGAチップは、ちょっと前のCPU並のトランジスタ数とDACの内蔵化により発熱が増えたことも絡み、こちらもチップのプロセスが重要になってきている。
 どのメーカーも0.25μmプロセスへ移行を計画しているが、ファブ(工場)を持たなかったり、持っていてもかなり難しい様だ。

 低価格化になった今の市場では、CPUより安価にしなければならないことも含め、設備費,歩留まりの悪化による採算性が合わず撤退する企業も出そうだ。
 どうも、CPU以上に性能面等、評価をされないと値段の下落や売れない傾向が強いから・・・・

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’99年の注意点

 予想としては、CPU,GAだけしか出来なかった。
GAの方も各メーカーの発表した内容しか書けなかったし・・・

 CPU面では、Intel vs AMDの争いの激化により、値段面でも、開発スピードも速くなって来ている。その上で、アーキテクチャの全面変更が待っている。チップセット(FSBを含む),メモリもがらりと変わるのは必須で有ると思う。

 もし、PCの購入,自作機の製作を考えているのなら、従来の”将来を見越して・・・”の選択はもう無意味かもしれない。変更時期も微妙な所だろう。

 くれぐれも、情報に目を光らせ、値段面でも、性能面でも納得が行った上で選択をしてほしい。
良く”記憶が無くなって・・・買ってしまった”と言う(笑)が、時期を誤ると簡単に数万円の差と性能の差が発生しそうだ。

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