CPUの対応度と現状,将来への考察

                       最終更新日 : 1998/06/15.   by m-kamiya


注意! お約束ですが、本記事を参考にして、生じた損害は自己責任にてお願いします。

     なお、本内容も雑誌&各情報が載っている内容を、私なりに予想してものです。
     間違った内容を書いているかもしれませんので、疑ってかかってください。(笑)


内容(目次)

   対応度と現状

   CPU関係の現状

   将来への考察


対応度と現状 1998/06/08
    X*/W**型番(以後、「W型番」)で動作が確認されているのは、
   P54C,P55C,K6,Winchipです。まあ、私が知らないだけかも。(笑)
    P54C自体は、MyPCがP54Cの最上級の200MHzてことも有り、とりあ
   えず説明からはずします。また、K6とP55Cの部分評価等は、「K6の情報&
   評価結果」の方でやっていますので、ここでは総合的な私の評価を書きます。

   選択の際の参考になればと思います。

    ただし、実装にはCORE電圧の変更が必要で有り、ノーマル状態では、最
   高3.5倍設定しか出来ません。
   ひとつの方法として、
「CPUの高倍率化(MTC−40001(改))
   「CPUの電圧変更(MVR−MX2(改))」が有ります。(自分がやった方法)

    最近は、CPUアクセラレータや、ゲタが多数発売されているため、そちらを
   選択するのも良いでしょう。(簡単だしね。)

   P55C(MMX ペンテアム)
     絶大的なCPUメーカー Intelが送りだしたMMX命令をサポートした初め
    てのCPU。従来型のクラッシックペンテアム(P54C)の改良型で互換性が
    高い上に、一次キャッシュを2倍の16KBにし、MMX実行パイプラインを2
    系統用意するなど、P54Cと比較して結構性能が上がっています。
     雑誌等の評価では、P54C−200=P55C−166と言われていますね。

     MMX実行パイプラインが2系統(K6は1系統)有るため、MMX対応ゲー
    ムでは、同一クロック比較でK6を大幅に上回る性能を出すそうです。
    また、グラフィックドライバーの対応次第では、K6より良い性能が出ます。

     一説によれば、ペンProの歩留まり&16bit命令の処理の遅さ,MMX普及
    に心配が有る点からリリースされたと言われていまするが、真相は不明。
     互換CPUの追撃により、Socket7→Slot1への移行を決断したため、Int
    el最後のソケット7CPUとなりました。(もう言い切っても良いでしょう。(笑))
    最高クロックは233MHz(3.5倍×66.6MHz,ノート用には266MHz有)
     人柱の評価では、耐クロック性にすぐれ280MHz(3.5倍×80MHz)での
    動作の実例が多いのですが、Slot1用低価格の「Celeron」の発表により、
    そろそろ生産中止?(’98,06時点)
     W型番には、3.5倍設定(=1.5倍設定,倍率設定ジャンパをすべて抜く)
    が標準で有るため、「CPUの電圧変更」のみで動作します。
    (内蔵IDE−HDD&CD−ROMも動作します。)
   K6(モデル6)
     インテルにソケット7→Slot1への移行を決断させた(と思っている)AMD社
    のCPU。
     同社のK5の失敗点(互換性の低さ)を考慮しているだけは有って、互換性が
    高い上に、値段が安い。(P55C,P2に張り合っているだけとも言えるが・・・)
     MMX実行パイプラインを1系統を含む、各実行用パイプラインの構成や実行の
    させ方に工夫が有り、どちらかと言うとペン2に近いCPUと言われ、普通のアプ
    リケーション動作のために有効な整数演算能力が高い。
    最高クロックは233MHz(3.5倍×66.6MHz)
    (一部のロットに266MHz(4.0倍×66.6MHz)有り)

     HDBenchでは、下記の様に表記される。

     Processor AMD K6 ***.*MHz [AuthenticAMD family 5 model 6 step *]

     W型番には、3.5倍設定(=1.5倍設定,倍率設定ジャンパをすべて抜く)
    が標準で有るため、「CPUの電圧変更」のみで動作します。
    (内蔵IDE−HDD&CD−ROMも動作します。)


  
K6(モデル7)

     K6(モデル6)の改良版。内部のCOREが0.35μmプロセスから0.25μm
    プロセスに変更、一部手直しにより若干の速度Upがされているとのこと。
     プロセスの細分化により、CORE電圧が「2.2V」駆動に変わり、消費電力が
    大幅に少なくなった。
    最高クロックは300MHz(4.5倍×66.6MHz)
    (最近のロットまでは、333MHz(5.0倍×66.6MHz)が多数報告されている。
     ただし、2.2Vでは安定動作しないものも多数有る。(←自分のがそう。))
     HDBenchでは、下記の様に表記される。
     Processor AMD K6 ***.*MHz [AuthenticAMD family 5 model 7 step *]

     「CPUの電圧変更」,「CPUの高倍率化」が必要となります。
   K6−2(K6−3D)

     K6(モデル7)に、Super7(*1)の部分対応&3DNow!(*2)の命令の追
    加したCPU。現時点(’98.06)でのSocket7最強。

     ただし、現在の環境(Win95+DirectX5)では、K6(モデル7)と同じ性能しか
    出ないみたいです。(だから、未導入・・・・(笑))
    値段差も数千円・・・・。K6にするか、K6−2にするかは、各自の判断で!

     スペックシート上では、下記の設定になっているそうですが、現在の流通ロットで
    は、4.5,5.0倍設定が有るみたいです。

      ・266MHz=4.0倍×66.6MHz
      ・300MHz=3.0倍×100MHz
      ・333MHz=3.5倍×95MHz

     W型番で、”動作した”て報告も有り。

   *1:Super7
     事実上、Socket7を放棄(?)したIntelに変わり、AMD社提唱した規格。
    ハード的には、Socket7のソケットをそのまま使い、性能をUpさせるものです。

       1.AGPの対応
       2.ベースクロックを上限だった66.6MHzを、100MHzまで引き上げる
       3.バックサイド2ndキャッシュの採用

     上記の3項が主立った規格ですが、ほとんどがチップセットを含めないと実現
    出来ません。

   *2:3DNow!
     細かい説明は、PC雑誌で説明されているので省きますが、最近騒がれている
    3Dグラフィック処理を高速化するのが目的みたいです。
     3Dグラフィックは、座標計算等に浮動小数点演算を多用しますが、P55C&P
    2に対し浮動小数点が弱いK6では、ここが弱点になります。
    そのため、”MMX命令の機能拡張を行う”と思って良いでしょう。

     そのため機能を使うためには、MMXの時と同じで、
      1.アプリケーションが直接対応する
      2.APIが対応する
      3.デスプレイドライバーが対応する

     上記3点が必要となります。

     1項は、やはりゲームが対応するかどうか?となり、有名なゲームの対応が不
    可欠となります。

     2項は、来年の春に正式リリースが予定されている「DirectX6」(β版はリリー
    ス済み)が対応するそうですが、「OpenGL」の方は未定だそうです。

     3項は、すでに「3Dfx」,「nVIDIA」,「Matrox」,「Trident」等が対応を表明。
    (「3Dfx」,「nVIDIA」は、ドライバーをリリース済み)

     ただし、奈落の底に落とす様ですが、2項の場合、NEC版DirectX6が「3DN
    ow!」に対応するか?は何とも言えません。
    また、3項は既に諦めるしか無いでしょう。(現時点で、各ドライバーはDirectX5
    内のグラフィックドライバーに頼っている・・・・)

   Winchip
     AMD,Cyrixに続く第三のメーカー「IDT」がリリースしたCPU。
     どちらかと言えば、P54Cの搭載PCに無改造で載せ換えるために作られたみ
    たいで、CORE電圧=3.3V,I/O電圧=3.3V,3.52Vの2タイプ有り。
    同一クロックで比較しても、P55Cには到底追いつかないみたいですね。
    (自分の情報収集リストからはずれています。(笑))
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CPU関係の現状 1998/06/14

    みなさんも良く知っている様に、CPU戦争が激化しています。

    AMDは、K6(モデル7)を3月から投入し、更にK6−2(K6−3D)の
   266,300,333MHzを5月に投入しました。
   価格も、数ヶ月前の値段が信じられない程の価格設定をしています。(;_;)
    そしてK6−2の機能にバックサイドL2キャッシュ(*3)をチップ内に追加し
   たK6−3(K6−3D+)を年内に投入する予定みたいですね。
   (8月にも出るとの噂も・・・)

    IDTは、Winchipに対し、浮動小数点演算とMMX命令処理を2倍に上げた
   Winchip2の発表(発売は7月)。3DNow!に対応したWinchip2 3Dを投
   入する予定みたいです。

    これに対し、業界トップのIntelは、P55C−233を最後(ノート用を除く)にS
   ocket7用の投入をやめ、低価格PC用にSlot1のCeleronの投入。
   Socket7→Slot1,2への移行を進めています。現時点では、Celeron−26
   6,300の価格が高いため、有名なPCベンダーもP55C&K6を採用してます
   が、今度のIntelの価格改定で採用が進むと思われます。

    また、米国のRISE Technology社からも、Socket7の「mP6」を発表。
   ただ、Cyrixの動きだけが・・・・・・

   Socket7の存続を巡って、完全に混沌としています。


   
*3:バックサイド2ndキャッシュ
     Socket7とSlot1のアーキテクチャを比較した場合、一番大きく違うのは、
    L2キャッシュが繋がっているバスが違うことである。

     Socket7は、チップセットにL2キャッシュが繋がっており、ベースクロック
    で動作する。(フロントサイド動作)
    それに対してSlot1は、CPU内部で繋がっており、CPUクロックの1/2で
    動作する上に、チップセットのバスが占有されていても、L2キャッシュにアク
    セス出来る。(バックグランド動作)

     そのため、K6−3ではCPU内部にL2キャッシュを内蔵させ、CPUクロック
    で動作させようとしているみたいだ。ここで”??”と思った方は昔からCPU
    に詳しい。(←そんな大層なものでは無いか・・・・)
    これは、PentiumProで行っている方法で有る。

     かなりの性能Upを見込めるが、Intelですら歩留まりの悪さにPentiumU
    に切り替えたくらいである。K6の歩留まりの悪さは有名で有るが、果たして
    これが、吉と出るか?凶と出るか?

     ちなみに、従来のL2キャッシュは、L3キャッシュとして動作させるとのこと。

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将来への考察 1998/06/15

    IntelがSlot1への移行を進めている以上、Socket7の将来は、互換CPUメ
   ーカーの動向次第にならざるを得ないが、新しいCPUの基本構想を見ると、チッ
   プセット込みの性能Upとなっている。当然、旧式型のチップセットで有る現有の
   PC−98は苦しくなる。(ベースクロックも上げずらいし・・・・)

    また、BIOSの変更が出来ないのも致命的で、ドライバー類も何とも言えない。

    とりあえず、K6−3,Winchip2が動作することを祈るしか無い・・・・・
    (K6−3が本命。たのむよAMD!(笑))

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