sweet rock & pops   0 1 2

 

  「north marine drive」 Ben Watt (1983)

EVERYTHING BUT THE GIRLのBen Watt ソロ・アルバム。ちょっぴり内省的なボーカルにアコーステックなギターがからむ大好きなレコード。静かな夜に針を落とすたび、せつなくなる。防波堤で戯れる子供達のジャケットも最高。A-1「on box hill」のネオ・アコな響きやB-1「waiting like mad」B-2「thirst for knowledge」がお気にいり。
CDでもってたんだけどレコードが手頃な値段だったんで購入。裏ジャケには本物か判らないけどBen Wattのサイン入り。

「A Brand New Me」 Dusty Springfield(1970)

PHILIPSからATLANTICへ移ったダスティーがフィラデルフィアのGamble-Huffと作ったアルバム。シグマで録られたにしてはさほどフィーリー色は強くないがA-3「Never Love Again」やB-1「Brand New Me」などGamble-Huff、Thom Bellによる黄金トリオによる作品ではフィラデルフィアらしい美しい楽曲に仕上がっている。得にB-1とA-1「Lost」では先のトリオにJerry Butlerを加えたフィーリー最強クァルテットによる楽曲をダスティーが情感込めて歌いあげる。

  「Lark」 Linda Lewis (1973)

歌姫Linda Lewisの名盤。アコースティク・ギターが晴れた青空に染みてくような、この季節にピッタリA-1「Spring Song」。エレピにのびやかな歌声がとけてゆくA-2「Reach For The Truth」、タイトル曲のA-6「Lark」ではピアノの伴奏で歌い上げるゴスペルのようなスピリチアル・ソング。B-5「Waterbaby」ではミニマムなセットによるスウィート・グルーヴがカッコイイ。全般に余分な音を排したメロディーと少女のようにキュートな歌声がアルバム全体をつつむ。

「Pandemonium Shadow Show」 Nilsson (1967)

Nilssonのデビューアルバムにして、すでに多才なソングライティングをみせる好盤。マーチング・バンド風ドラミングのカウントものA-1「Ten Little Indians」、とても優しい子守唄A-6「Sleep Late.My Lady Friend」では得意のバラードを。BS&Tもカヴァーした有名なB-3「Without Her」のオリジナルは弦楽によるしっとりと仕上がりに。そしてB-6「River Deep Mountain High」ではスペクターに負けないウォールサウンドに仕上がっている。フルクサスなジャケットもナイスなアルバム。

  「Kalapana」 Kalapana (1975)

ハワイ産のサーフ・ロック(日本で命名?)らしいのだけど、実際に聴いてみるとむしろ5th ave bandのようグリニッチ・ヴィレッチな味わい。A-3「Night bird」の涼し気なフルートとコーラス・ワーク。B-3「To be true」しっかりしたリズム隊にからむアコースティク・ギターなどはハワイというよりは西海岸の青空のよう。休日の昼下がりに聴くにはピッタリの爽やかな風のようなアルバム。

「The Don Costa Concept」 Don Costa (196?)

プロデューサー/アレンジャーであるDon Costaのポップなイージリスニング・アルバム。ラテンのオールドチューンA-1「Adios」(Enric Madriguera)は女性スキャット入りでキュートに。ブラジルの名曲A-5「Goodbye Sadness」はホーンとストリングスでゴージャスに変身。ロジャ・ニコのB-1「Love So Fine」も軽快なインストルメンタルに。ソウルからはB-3「I.m Gonna Make You Love ME」と選曲が素晴らしい。共同でアレンジを担当しているのはPaul Ankaのアルバムなどで仕事をしている僚友Sid Feller。

  「Moon Bathing」 Lesley Duncan (1975)

メロウな歌声。シンガー・ソング・ライターLesley Duncanの本アルバムはアルバムタイトル通りひっそりと静かになった夜、「月光浴」をしながら聴きたくなる1枚。特別凝ったギミックがあるわけではなくシンプルでストレートな演奏でフォーキーに、そして時にポップに歌い上げる。B-2「Pick up the phone」のエレピにスライド・ギター、ジャズチックに刻まれるハイファット。やさしく、そして力強く歌う彼女の声。B-5「Jumpeed right in the river」はリズミカルで高揚感溢れるメロディーは今宵、月へのイメージトリップのための道しるべ。静的な力を感じる作品。

「Hirthy form earth」 Hirthe Marzinez (1975)

夏の夜、ふと涼しい風がふいてくる。そんな日にぴったりのアルバム。名曲A-1「Altogether Alone」の涼し気なメロディーにとってもやさしい歌声。どこかスペイシーな雰囲気をもった楽曲。全体にアコースティクでカントリーな雰囲気が薫る。ベースとブラスがカラミながらもどこか温度の低いグルーヴを奏でるA-3「Djinji」。A-6「It」はユニークなギターのメロディが響く、子守唄のよう。B-2「Thats ths way its gotta go」のスライドギターによるリリカルな世界はただ、せつない。エレピによるフワフワとしたメロディーがカワイイらしい、B-4「I dont know why the hell」。アルバムのラストを飾るB-7「You are a star」はプリファヴスプラウトのようなどこかセンチメンタルなナンバー。
ダミ声なのにどこかやさしくせつない気持ちにさせる不思議なアルバム。

  「An original by」 Tony Bruno (19??)

パンチが効いているのにどこかイナタイ雰囲気のボーカルのTony Bruno。小西さんが「田舎のフランク・シナトラ」と言っていたのも聴けばわかります。グリニッチビレッジ系のメロディーのA-2「Somewhere theres someone」、A-3「Hard to get a thing called love」でのR&Bっぽい黒さ。B-1「Yesterday」なんかB.B.Kingのよう。なんかひさしぶりに聴いてすごくツボにはまった。ソフトロック系のやわらかい声にあきた人。でもあのメロが好きな人。うまくいえないんだけどバカラック好きでビーチボーイズ好きの人におすすめ。けっこうクセになる声です。

「Lemuria」 Lemuria (1978)

ジャケットの黄金色に輝く海岸のひかる水しぶきのようにキラキラとしたメロディー。複数の国の音楽が混じりあったゆえに完成したハワイ産の素敵なメロディー。A-2「Hunk of heaven」そのタイトルのように天国にある海岸ではきっとこんな音楽が聴こえてくるのかもしれない。涼し気でやさしく、懐かしい。つづくA-3「Dreams」のリラックスしたムード。ロッキン・チェアでカンパリ・ソーダをどうぞ。日が沈めば今度は月の光りで輝く海をみながらロマンチックにB-2「Moonlight Affair」を。夏の終わりの夕暮れに聴くのに最適のアルバム。