「ゲーム」ネタばれ感想&解説


結局あれは莫大なお金と人手をかけて入念に仕組まれた、ただの“ゲーム”だった。
それも最初にコニーが言っていた通り、本当の“誕生日プレゼント”・・・・・。
観終わった時の正直な感想は“馬鹿にされてる”といった感じでした。
なぜそう思ったかというと、きっと私はすっかりニコラスの気持ちに入り込んでいて
「何でこんな目に遭わなきゃならないんだ〜っ!」と思いながら観ていたからだと思います。
それをラストで「だからさぁ、最初に言った通りただのゲームなんだってば」と言われたような気がして。
うまく騙されてしまった自分に腹が立ってしまい、
気持ち良く「やられた!」というふうに思えなかったからなのでしょうね。
“すっきりしない”と思ったのは、きっとニコラスがコニーに対して腹を立てなかったから。
それより“悪夢から覚めたこと”に対する喜びを表していたからだと思います。
自分は怒ってるのにニコラスは怒っていない、だから「え?何で?」という気持ちになってしまったのでしょう。

ニコラスが抱えていた“48歳の父の死”のトラウマについてはどうでしょう。
あれは映画を観ている人たちを心理的に混乱させるため、効果的に使われていたと思いますが、
それだけではないのですね。
コニーはニコラスの抱えていたトラウマを知っていたからこそ、父親と同じ48歳の誕生日にあのゲームを仕掛けた。
兄を愛していたからこそ、あのゲームを仕掛けることで兄を救ってあげようと思ったと考えられます。
ニコラスはあの“ゲーム”を体験して、きっとそのトラウマから脱することが出来たのではないでしょうか。

オチを知った上でもう一度観ると、きっと印象は全く違ったものになるでしょう。
なぜなら、今度は自分自身がゲームを仕掛けている人間の目で観ることが出来るからです。
あれもこれも全て仕組まれたことだと知った上で、
それに騙され、振り回されてるニコラスを観て楽しむのはなかなか面白いのではないでしょうか。


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