2001年奄美の旅(2001.12.22 - 12.24)



もっぱら沖縄ばっかり出かけているわたしが奄美大島に行くきっかけになったのは、田中一村の絵でした。

田中一村は栃木県出身の日本画家。若い頃は天才画家といわれたものの、妥協を許さないその性格のゆえか、いわゆる「中央画壇」と決別し、たったひとりで自分の納得のいく絵を描き続けた人。自分が描くべき題材を探して南へ南へと旅してたどりついた奄美で、貧乏生活をしながらすばらしい絵を完成させました。
何年か前、東京で田中一村の個展が開かれたことがあります。そのころ「沖縄中毒」にかかりはじめていたわたしは、沖縄と共通するさまざまな動植物を題材にした絵に興味を持ち、出かけていって、その絵の迫力に完全にノックアウトされました。
そして今年、この田中一村の絵が常設展示される「奄美パーク」が完成したので、再び会いに出かけたというわけ。

奄美大島のアクセスは、沖縄のように豊富ではありません。船便を使うほど時間の余裕がないので、必然的に日本エアシステム(JAS)の東京〜奄美航路ということになります。JASには「バースディ割引」というありがたい割引制度があるのですが、わたしにとってはあんまりありがたくない。というのは、わたしの誕生日は12月の末。通常ならバースディ割引期間は誕生日の後半月間なのですが、わたしの場合年末年始にひっかかってしまうので、強制的に前倒しになってしまう……つまり、12月のいちばん忙しい期間しか使えない。
仕事を休むわけにはいかないので、旅行期間は12/22〜24の3連休となりました。で、結局、往路は直行便が取れたけど復路は鹿児島経由になりました。バースディ割引は1区間1万円なので、往復3万円。それでも正規運賃よりはぐんと格安です。
今回の旅にあたっては、ポイントを極力絞り込むことにしました。ただでさえ2泊3日の旅では奄美大島の観光スポットは回りきれないし、わたしは車の運転ができないので、移動手段は徒歩か路線バスしかありません。ということで、
  1. 奄美の島唄を聴く
  2. 奄美の名物料理、鶏飯(けいはん)を食べる
  3. 田中一村の絵を見る
を3大目標にかかげ、観光は、ま、できる範囲でぼちぼちと、ということになりました。



赤い実をつけたソテツ

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