三線はじめに

 わたしが三線を習い始めるきっかけは、中野の沖縄居酒屋「山原船」でした。知り合いに初めてそのお店に連れられて行った時、たまたまお店に「三線の先生」と「三線の購入を代行してくれる人」がいたのが運のつき(笑)。気がついたら、マイ三線を入手し、そのお店の2階で当時月一回開かれていた「三線の初心者クラス」に通っている自分がいたのでありました。
 「初心者クラス」は諸事情により現在はもうありませんが、わたしはその後紆余曲折を経て、同じ先生が週一回そこで開いている「古典上級者クラス」に通うことに……早い話が、よりどっぷりと三線の世界につかることになったわけです。
 「三線をやりたいな」という希望は前からありました。大きな理由としては、以下のようなものがあります。
  1. 沖縄文化をより深く理解したい
  2. もともと音楽が好きなので、なにか手軽にできる楽器をマスターしたい
  3. 「老後の楽しみ」をひとつ確保しておきたい
 1については特に説明は必要ないと思いますが、2と3についてはちょっと説明を。昔はピアノをやっていたのですが、上京後は楽器にさわる機会がとんとなくなってしまいました。何年か前、一念発起してクラシックギターを買ったのですが、やはり続かずに挫折。でもなにか自分で音楽をやりたい、という気持ちはずっとありました。

 その点三線はギターより小振りで手軽に扱えるし、弦もギターの半分なので取っつきは簡単(奥は深いけど)。沖縄では80、90歳代のオジイ、オバアでもガンガン弾いているくらいだから、体力もそんなに必要ない。手先を使うし、弾きながら唄うから脳細胞も活性化されるし、歳を取って目が悪くなっても(最悪、見えなくなったとしても)弾けるから、老後の楽しみとして、これほど優れたものもない、と思うのです。

 はじめこのコーナーは「今月の三線」として、わたしが三線を習う過程で出会った唄を、なるべく習った順番にそって紹介していく予定でした。月に一回くらいのペースで連載するつもりが、それなりに調べなきゃいけないこともあって完全に企画倒れに……

 で、このほど、コーナーを改装して「唄三線雑記帳」として再スタートすることにいたしました。習った順番……はもう忘れてしまったので、今後はそれにこだわらず、なおかつ先生に習ってないものも登場させることにいたします。


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