ナイトミュージアム (製作年度: 2006年)
レビュー日:2007.3.20
更新日:2009.11.1
評価:★★★★★
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解説(Yahoo映画より):
真夜中の自然史博物館を舞台に、そこで働く夜間警備員の男が体験する不可思議な現象を描いた爆笑コメディ。『ピンク・パンサー』のショーン・レヴィが監督を務め、魔法で次々と動き出す博物館の展示物を止めようとする主人公の奔走をテンポよく演出。夜間警備員に『ミート・ザ・ペアレンツ』のベン・スティラー、人形のアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトにロビン・ウィリアムズがふんし、新旧実力派コメディアンが絶妙な掛け合いを見せる。恐竜が闊歩し、かつての英雄たちが動き出す映像も必見。


親子で楽しめることうけあい

残虐シーンはなし、エログロもなし、バイオレンス要素(?)は多少あるけど、それも物語上でちゃんと否定されてるし(「猿を叩いてはいかん」byルーズヴェルト)、軽い恋愛要素はあっても実に健全で、子どもと一緒に見ている親が目のやり場に困るようなシーンは一切ない。安心して子どもに見せられ、かつオトナも楽しめる作品ってやっぱり貴重です。

展示物の中で特に主人公ラリーに協力的な存在として配されているのがルーズヴェルト大統領、西部開拓者のリーダー、ローマ皇帝、ネイティヴ・アメリカンの女性にエジプトのファラオ、というのが実に興味深い。ネット上のさまざまなレヴューの中には、登場する展示物が白人中心主義だ、というのがあったけど、そりゃそうでしょう。なんか「平均的アメリカ人の深層心理」を見るような気もします。

特に、隣り合わせに展示されたジオラマで、毎晩喧嘩を繰り広げながらも、ラリーに「君たちは似たもの同士だ」と看破され、最後にはがっちりタッグを組んで陰謀に立ち向かうのがカウボーイとローマ皇帝、というあたり、「パックス・ロマーナ」と「パックス・アメリカーナ」というふたつの言葉を思い出させてしまうし、欧米人の精神的ルーツとしてローマ文化がいかに根深いものか考えさせられます。

すべての騒動の大元が、エジプトのファラオの副葬品だった「復活の力」を秘めた黄金の石版だというのも、アメリカ人がエジプト文化に抱く神秘的なモノに対する憧れのなせるワザじゃないかしらん、とも思えるし。

ちなみに、わたしの個人的笑いのツボは、

怖そうに見えて意外に可愛いティラノザウルス。尻尾ふりふりってあんた……
魔法の石版効果か、ミイラからしっかりイケメンになって復活のアクメンラー王。古代エジプト人なのに流暢に英語が話せるそのわけは……
歴史的イメージと違ってかなり体育会系ノリのローマ皇帝オクタヴィアヌス。
アッチラ大王を精神分析しちゃうラリー。
ジイサンの癖にやたらステップの軽い先輩夜警のセシル(無理もないです。ディック・バン・ダイクだもの。メリーポピンズ懐かしい♪)
最初登場したときはどーしょーもないダメ男なのに、クライマックスでは妙にカッコよく馬を駆るラリー(ま、ティラノ君に追いかけられた時の逃げ足の速さから、運動神経よさそうなのはわかるんだけど)。

これを見た後博物館に行って「これみんな動き出したら……」と想像するとまた楽しめます。
ミンパク(国立民族学博物館)の夜警はちょっとイヤかも……(^^;


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