ファースト・ミッション プレミアム・エディション(2枚組) [DVD] ファースト・ミッション (製作年度: 1985年)
レビュー日:2010.6.26
更新日:
評価:★★★
Yahoo映画リンク
IMDBリンク


解説(Yahoo映画より):
サモ・ハン自ら演出のジャッキーとのコンビ作で、人情コメディタッチのアクション映画。両親を早くに亡くし、二人きりで育った兄弟の兄(サモ・ハン)はちょっとオツムが足りず、刑事の弟(ジャッキー)の足を引っ張ってばかり。ある日、弟が追う密輸組織が兄貴を人質にとる。組織の悪逆非道に、ジャッキー拳法が炸裂!


ジャッキー屈指のシリアスドラマ

うーん、かなり痛かった。
ジャッキー(弟)とサモハン(兄)の演技重視でコメディ要素ほとんどなし。
(題材が題材なだけに、コメディのつもりの演出部分もあまり笑えない)
この話の場合、お兄ちゃんが知的障害があってその面倒見る責任はすべて弟にかかってきて……という救いのない展開がツラい。
でも「要介護」の家族を抱えた人って、たぶん多かれ少なかれこういう状況に置かれているんだろうなぁ。
精神的に追い込まれた弟がついにキレて兄を殴りながら号泣する場面はやっぱり泣けます。

そういう辛さはなかなか周囲の人たちにもわかってもらえなくて、気の置けない友だちさえもが「兄貴の面倒見てもらうために彼女と結婚するのか」とか「もっとちゃんと面倒見ろよ」なんて心無い言葉を投げかけるし……
そんな友だちやガールフレンドが、最後、兄のために自分の有望な前途をなげうって服役することになった弟のかわりに交代で兄の面倒を見ているシーンはちょっと救いでもあるけど、そこまで追い詰められないと周囲の理解って得られないんだな〜というのがまた辛かったりして。

ドラマ重視でありながら、いやそれだけにアクションシーンはかなり激しいです。最後の戦いでは何人か殺しちゃってるでしょ、というブチ切れぶりがちょっと怖い。わたしの今まで見てきた作品の中では、ジャッキーの戦い方って、いつもどんなに激しくてもどこか自制のきいてる感じで、相手に必要以上のダメージを与えるところまでいくことはめったにないんですが(そのへんは戦ってるうちに狂気さえ感じられるところまでいっちゃうジェット・リーとは対照的)、この作品では背中からメラメラ炎が立ち上っているような激しい怒りの感情を見せています。

それだけにすべてが終わった後の哀しげな表情が……ああ胸が痛む。


INDEX