豚の報い [DVD] 豚の報い (製作年度: 1999年)
レビュー日:2010.7.19
更新日:
評価:★★★
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解説(Yahoo映画より):
芥川賞を受賞した又吉栄喜の同名小説を、同じ沖縄を舞台にした「友よ、静かに瞑れ」「Aサインデイズ」の崔洋一監督が映画化。神の島“真樹島”の豚小屋で生まれた正吉は、19才の大学生。心に癒せない傷を持つスナックのネーネー(お姉さん)たち、ミヨ、暢子、和歌子。ある日突然、豚に襲われマブイ(魂)を落として(気を失った状態になって)しまった和歌子のため、正吉は、真樹島へ行こうとネーネーたちに持ちかける。そこで和歌子のマブイ込めをしようというのだ。が、正吉にはもうひとつ別の目的があった……。


生きるということの生々しさ

ん、まぁまぁ面白かったです。

ロケ地が久高島ということで、見覚えのある懐かしい場所があちこちに……
真謝島生まれの大学生正吉と、スナックのネーネー三人が、店に乱入してきた豚がきっかけで厄落としの旅に出るわけなんですが、いや同性のわたしが言うのもなんだけどさ、女ってコワイよね(爆)。
特に過去の傷いろいろ背負ってるオンナ三人のグループの、時に慰め合い、時に裏で足を引っ張り合いして作り出す、どこかウエットで騒々しい世界がとてもリアル。
わたし自身はこういう世界が大嫌いで、なるだけ距離を置きながら世の中渡ってきましたが(笑)。

こんな女たちの魔の手(爆)をかわしつつ、どこかでその好意をしたたかに利用している部分もあり、なおかつ女たちにいいようにころがされている部分もある正吉というキャラを小澤征悦が好演。そのほかにも、民宿のおじさん平良進とか、豚を運ぶトラックの運ちゃん川満聡とか、おなじみの顔が(笑)。
診療所の医者役の岸辺一徳もなかなかいい演技してます。っていうかこの人、こういう脇役やらせるとホントうまいんだよな。

正吉の父親が英語のラジオ放送(FEN)聞きながら漁をしていて事故死する場面、ああいう危険性がウミンチュの宿命なんだな、と実感。風葬された父親とのご対面シーンは、ありゃないだろうという気はするけど、それなりにいい場面でした。


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