築城せよ! [DVD] 築城せよ! (製作年度: 2009年)
レビュー日:2010.8.22
更新日:
評価:★★★
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解説(Yahoo映画より):
400年もの昔の侍の霊が城を築こうとする様子を描く奇想天外なコメディー。廃材の段ボールを使い、町民を巻き込んでの築城計画を、町の権力者たちとの争いを絡めながら展開していく。築城に執着する武将を演じるのは、上方歌舞伎の人気役者である片岡愛之助。武将の夢に共感して築城に挑む女子大生には、『犬と私の10の約束』の海老瀬はながふんする。監督は本作で長編デビューをする古波津陽。高さ約25メートルにも達する巨大な段ボール城に注目。


これぞ文化祭

地元なので公開時にはけっこう話題になってて、見たかったけど見そびれた映画。
戦国時代にお城を完成できずに死んじゃった殿様の霊が、さえない役場のあんちゃんに乗り移って、無念をはらすためふたたび築城にいどむが……というお話。

正直言って最初のうちはテンポも悪いしカメラワークも悪いし、やっぱ町おこし映画じゃこの程度かな、と思ってたんだけど、殿様の情熱(ていうか怨念?)が伝染しちゃってか、町民たちが城作りにノリノリになってしまうあたりから俄然面白くなってきます。

近づいてみるとあちこちに農産物の名前やいろんな雑貨の製品名が入ってたりして笑えるダンボールが、いざ城の形になってライトアップされた光を浴びると黄金の輝きを放ってしまうところがなんだかスゴい。

殿様(とその霊に乗り移られる豆腐屋の息子)を演じてる片岡愛之助がまたスゴイです。二役が全然別人なんだもんね。それと殿様になったときの立ち居振る舞いはやっぱりさすが。動きのキレや存在感や迫力が全然違う。普通えたいのしれないやつにいきなり上から目線でなにか命令されたって、そうそう言うこときく気にはなれないものですが、この殿様に言われたら、いくらトンチンカンなことでも従わなくちゃいけないか、という気に一瞬なってしまう町民の気持ちもよくわかる(爆)。

自分の気持ちを即興で謡にして舞ってしまうところとか、城の広間に襖絵を書き上げるシーンとかは、動作のひとつひとつが決まってて、萬斎さんといいこの人といい、さすが伝統芸能の人は違うなぁと感心。

しかしみんなで一緒になってひとつの大きなものを作るのって、どうしてこんなに燃えるんだろう(笑)。
これに参加できた愛工大の学生たちがうらやましい。さぞかしいい勉強になったと思います。


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