ヴィクトリア女王 世紀の愛 [DVD] ヴィクトリア女王 世紀の愛 (製作年度: 2009年)
レビュー日:2011.6.4
更新日:
評価:★★★
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解説(Yahoo映画より):
「太陽の沈まない帝国」と呼ばれた19世紀イギリスの黄金時代を築いたヴィクトリア女王の愛と真実を描く大河ドラマ。巨匠マーティン・スコセッシが製作にあたり、脚本を『ゴスフォード・パーク』のジュリアン・フェロウズが手掛ける。ヴィクトリア女王には『プラダを着た悪魔』のエミリー・ブラントがふんするほか、『プライドと偏見』のルパート・フレンド、『ダ・ヴィンチ・コード』のポール・ベタニーらが共演。スクリーンを彩るゴージャスな衣装と宝石の数々に注目。


ロイヤル・ラブラブ・カップル

ヴィクトリア女王というと、晩年の写真の印象が強いせいか「怖いオバサン」というイメージがあるけれど、若い頃の話って確かに聞いたことなかったし、夫婦仲がよかったらしいその旦那さんのことってあまり知らなかったなぁ、とこの映画見て改めて思いました。

いやもう……ロイヤル・ラブラブ・カップルですね、ありゃ(笑)。
旦那さんがよくデキた人だった、というのは事実らしいけど、ここまで聡明でイケメンで女性を立ててくれて頼りがいがあって優しくて……などという「理想の王子様」がいるのかよ、と思っちゃうよね。そりゃ先立たれてそのあと一生喪に服したくなる気持ちもわかりますよ。

ヴィクトリアは気が強くて、でも時々折れそうになる心を必死に立て直していくところがけなげで可愛い。
しかしある意味この作品の真の主人公はこっちなのかも、と思わせるのが「偉大なるムコ殿」アルバート公(笑)。

貧乏貴族の次男坊というのは、日本で言えばどこかの大名の部屋住み御曹司の立場。部屋住み御曹司がどこかの大名の養子になるしか世に出る道がないように、アルバート君も叔父さんであるベルギー国王の思惑に動かされ、未来の英国女王にアプローチさせられるんだけど、ヴィクトリアと出会い、彼女が自分と同様大人たちの思惑に動かされる状況にいらだっている姿を見るうちに、だんだん変わっていくのですね。

彼女の機嫌を取るばかりでなく自分の意見をはっきり持ち、なおかつ彼女の支えとなろうとするアルバートの姿に、今まで自分の周りにいた、自分をなんらかの形で利用しようとする人たちとは違う何かを感じて、信頼をよせていくようになるヴィクトリア。

初めの頃、何度も書き直しをしながらヴィクトリアへの手紙をしたため、その返事を待ち焦がれるアルバートの姿もかわいいし、アルバートにプロポーズするヴィクトリアも初々しくてよい。

そして意外によく描けていたのは、イギリスに来て「女王の夫」という立場しか持ってなかったアルバートが、さまざまな出来事を通して、有能な実力と誠実な人柄で自分の居場所を勝ち取っていく姿。ヴィクトリアがデスクで仕事している間所在なげに新聞を読んでいた彼が、女王と向かい合わせの机に座るラストシーンは理屈ぬきに「よかったねぇ」と声を掛けてあげたくなります(笑)。

ハンサムなメルボルン卿がポール・ベタニーだったのもびっくり。
(ついでながらオーストラリアのメルボルンがこの人にちなんだ名前だったというのもはじめて知った)
あ、あと女王の愛犬がカワイイです。


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