クンドゥン [DVD] クンドゥン (製作年度: 1997年)
レビュー日:2013.9.16
更新日:
評価:★★★
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解説(Yahoo映画より):
名匠マーティン・スコセッシが、映画史上初めてダライ・ラマ14世の半生にスポットを当てた野心作。ダライ・ラマ14世の転生者である少年を発見し、彼がチベットを脱出してインドへ亡命するまでの22年間を、歴史的事実に即して描いてゆく。スコセッシが紡ぐ、壮麗で幻想的な映像も秀逸。1937年、チベットのある寒村に長旅を続ける僧侶が訪れた。彼らの目的は4年前に逝去した、ダライ・ラマ13世の生まれ変わりを探すこと。そこで彼らはハモという名の幼子に出会う。彼こそが、“慈悲の仏陀・観音菩薩”の生まれ変わり、ダライ・ラマ14世と僧侶たちは確信する・・・。


「選ばれし人」の物語

ダライ・ラマ14世の子ども時代からチベット脱出・亡命までを描く半生記。
以前読んだ自伝の世界がわりあいに忠実に映画化されている感じです。
毛沢東がダライ・ラマに「宗教はアヘンだ」と忠告するシーンは印象的で、今彼が行っている活動は、それに対するアンチテーゼ的な部分も含まれているんだろうなぁという感じがする。

そして中国国境の小さな村で普通の生活を送っていた男の子が、チベットの最高指導者ダライ・ラマと認定されてラサに迎え入れられ、多くの人にかしづかれ、崇拝される情景。思いのほか「ラスト・エンペラー」を連想させる雰囲気があり、中国がチベット侵攻を「圧制者から人民を解放する」と正当化した思考プロセスもわかるような気がします。もちろん似ているのは外見だけで中身はぜんぜん違うものだったのですが。

それにしても普通の男の子がいきなりこんな世界に投げ込まれ、長じては国の行く末を決める運命まで背負わされるって大変なことです。こういう試練をくぐりぬけてきたからこそ今の生き方があるんだろうなぁ。久しぶりに自伝読み返したくなりました。


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