デルス・ウザーラ (完全期間限定生産) [DVD] デルス・ウザーラ (製作年度: 1975年)
レビュー日:2014.6.10
更新日:
評価:★★★
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解説(Yahoo映画より):
シベリアのウズリ地方に、地質調査のための探検隊が入った。しかし同地の厳しい自然は、隊員たちの予想を遥かに超えていた。彼らは、たった独りで猟を営む男デルス・ウザーラと出会い、その案内で危機を脱する。やがて、探検隊の隊長ウラジミールは、デルス・ウザーラに深い敬愛の念を抱いていく……。アカデミー外国語映画賞受賞した黒澤作品。


大自然 vs 文明

昔から名前は知っていたけど見る機会がなかったクロサワ映画。

クロサワ映画なんだけど一切日本人は出てこない。舞台もシベリアの辺境。20世紀初頭、調査隊を率いてそこを探検するアルセニーエフと、現地人の猟師デルス・ウザーラの交流を描いた作品。

デルス・ウザーラと表記されているけれどアルセニーエフの呼び方は「デルスウ・ウザラ」に近い。デルスはアルセニーエフのことを「カピターン(キャプテン)」と呼んでいて、「デルスー」「カピターン」と呼びかけあうシーンが印象的。

デルスは先住民ゴリド人なのだが、明らかにモンゴロイドの血が入ってるだろうという容貌で、カタコトちっくなロシア語を話し、動物はもちろん周りの自然も人格的存在としてとらえ、「森の掟」に従って暮らしている。どことなく日本の「マタギ」に通じる感じがする。

作品は2部構成になっていて、素晴らしい狙撃の腕を持ち、自然を読み的確な行動でアルセニーエフを助けていくデルスが、後半では老いからくる体の衰えで森では生きていけなくなり、アルセニーエフに引き取られた街の暮らしになじめず、また森へ戻っていこうとする。
デルスの森暮らしを少しでも楽にしようと、アルセニーエフが与えた最新式の銃があだになって命を落とすデルスの末路が哀れ。


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