「ろくべえまってろよ」

ろくべえが、あなに おちているのを、
さいしょに みつけたのは、えいじくんです。
「まぬけ。」
と、かんちゃんが いいました。
いぬのくせに、あなに おちるなんて、
じっさい、まぬけです。
あなは、ふかくて、まっくらです。
なきごえで、ろくべえ という ことは、
わかりますが、すがたは、みえません。

「北極のムーシカミーシカ」

これは北極にちかい氷の国にうまれた、

北極グマのふたごの物語です。そのあたりには、

九月からはじまる長いきびしい<冬>と、

六月から八月ごろまでつづく、みじかいあかるい<夏>との

二つのきせつしかありません。自然の力のおそろしくつよいこの北極で、

ふたごの子グマたちは、くろい目をかがやかせ、

アザラシや白鳥やエキスモーの子どもと、

愛情をかわしながら、げんきにそだっていきます。

やさしくて、しかりもののかあさんグマに、

まもられながら・・・・・

「いやいやえん」

チューリップ保育園には、約束が七十ぐらいもあります。
いちばん、大切なのは、

なげないこと。ぶたないこと。ひっかかないこと。

の三つです。あとは、

はをみがくこと。かおをあらうこと。てをあらうこと。
つめをきること。ひとりでようふくをきること。
ならぶときは、まえの人を押したりよこ入りしないこと。
だれとでも手をつなぐこと。すききらいをしないこと。
洋服やクレヨンをたべないこと。 遊んだ後は、片付けること。
呼ばれたら、「はい」ということ。

‥‥‥まだまだありますが、みんな、
「なあんだ、かんたんなことばっかり!」です。

「はれときどきぶた」

5月26日火曜日  雨のちはれ

学校から帰る途中、水たまりを飛び越したら失敗して
水たまりの中におちました。
どろ水が おできはれ子のスカートにかかりました。
おできがおこって かさで僕のランドセルをたたきました。
「十円やす」と いいました。
僕はおできに どろをひっかけて にげました。
おできはれ子の ばかたれ
おできが はれてしまえ。

「エルマーのぼうけん」

 どうぶつ島とみかん島とのあいだには、いわがてんてんとあって、

二つの島は、とび石づたいにつながっているようなものでした。 

 けれども、だれもどうぶつ島にはいきません。なぜかっていうと、

どうぶつ島は、ジャングルばかりで、とてもおそろしいもうじゅうが、

すんでいたからです。

 そこで、わたしは、いわづたいにしまへわたって、

たんけんしてみることにしました。

 たしかにおもしろいところでした。ところが、そのしまで、

なきたくなるほど、かなしいものをみたんでございますよ。」

「なぞなぞライオン」

口をあけて、女の子にとびかかろうとしたとき、
女の子がいった。 
「ちょ、ちょっとまって。そのまえに、なぞなぞしない?」 
ライオンはとびかかるかっこうのまま、ぴたりととまった。
「なぞなぞだって?」
「そう。あたしの出すなぞなぞに、こたえられたら、  
あたしをたべてもいいわ。でも、こたえられなかったら、
あたしはこのまま、おうちへかえる。どう?」

「百羽のつる」

  そして おちていく子どものツルを おいぬくと
  くろぐろとつづく大森林のま上あたりで 
  九十九羽のツルは さっとはねをくんで 
  いちまいのしろいあみとなったのでした。

  すばらしい九十九羽の鶴のきょくげいは 
  みごとに あみの上に子どものツルをうけとめると   
  そのまま空へ まいあがりました。

「おしいれのぼうけん」

    ここは さくらほいくえんです。  

    さくらほいくえんには、   

    こわいものが ふたつ あります。    

「おじさんのかさ」

「あめが ふったらポンポロロン・・・・。」
そういいながら、おじさんとかさは あめのなかに
はいってしまいました。
おじさんの りっぱなかさに、あめが あたって、
ポンポロロンと、おとがしました。
「ほんとだ ほんとだ、あめが ふったら
ポンポロロンだあ。」
おじさんは、すっかり うれしくなってしまいました。

「おおきなきがほしい」

ほらあなの中のはしごをせっせと上ると・・・・。
おや、いきなり可愛い部屋の中に、ひょっこり入ってしまいます。

「ここはね、枝が三つに分かれていて、その枝に丸太ん棒を渡して
縄で縛り付けて、その丸太ん棒の上に板を並べて、釘で止めて、
その板の上にぼくの小屋を造ってあるのさ。」

かおるの小屋の中には、隅っこに台所があります。

水も出ますし、こんろもおいてあります。部屋の真ん中には、
テーブルが一つと、小さいいすが一つあります。

かおるは、ここでホットケーキを焼いて食べたりするのです。

「ぼく、ホットケーキなら、一人でできるんだ。」

「いえでぼうや」

「はんたいことばって しっていますか」
マサト君のうけもちの たえ子先生は いいました。
だれも 手をあげません。きょうしつがしーんとしたので、
たえ子先生は あわてました。
「はんたいことばを しっているひとは いませんか」
たえ子先生は 大きな声を だしました。
「はい」 マサト君が一ばんに 手をあげました。
うしろでみていた マサト君のお母さんは むねをどきどきさせました。
たえ子先生は ほっとしたように、マサトくんをゆびさしました。
マサト君は たちました。そして 大きな声で言いました。
「マサトサマ」 たえ子先生は きょとんとしました。
「上から読んでも マサトサマ、下から読んでも マサトサマ。ね。」
マサトくんは とくいになって いいました。
うしろの おかあさんたちが どっとわらいました。
マサト君の おかあさんは、顔を まっかにさせています。

「ごんぎつね」

これは、私が小さいときに、村の茂平という おじいさんから
聞いたお話です。
むかしは、私たちの村の近くの、中山というところに 小さなお城があって、
中山様と言う お殿様が、おられたそうです。
その中山から、少し離れた 山の中に、「ごん狐」という狐がいました。
ごんは、一人ぼっちの子狐で、しだのいっぱいしげった 森の中に
穴をほって 住んでいました。
そして、夜でも 昼でも、あたりの村へ出て来て、いたずらばかりしました。
はたけへはいって 芋をほりちらしたり、菜種がらの、
ほしてあるのへ 火を付けたり、
百姓家の裏手につるしてある とんがらしをむしりとって、いったり、
いろんなことをしました。

「光る砂漠」

   あなたの手は

   あなたの手は   
   握りしめるとあたたかくなる手だ       
   あなたの手は   
   あたためるとひよこが生まれる手だ

「もりのえほん」

  

「風の旅」

ほんとうの ことなら
多くの言葉はいらない
野の草が
風にゆれるように 
小さなしぐさにも
輝きがある
淡い花は
母の色をしている
弱さと悲しみが
混じり合った
温かな
母の色をしている

「おいしい料理のほん」

きょう、パンケーキをおとうさんと作りました。

おかあさんはお出かけです。

りおわって やっと朝ごはんになりました。

とてもおいしかった。