カッシーニも「合」を経験(2/21)
2/20づけカッシーニ主な出来事(Cassini Significant Event Report)の探査機ステータスからの翻訳です。カッシーニ計画関係の発表文は「最新ステータス(current status)」と「主な出来事(Significant Event Report)」の2種類が随時発表されていますが、総じて後者の方が頻繁に出されているようです。後者は今回掲載する「探査機ステータス(Spacecraft Status)」ほか4項目から成っており、搭載テープレコーダーの定期点検や地上のディープスペース・ネットワークの時間割など、細かな情報が掲載されています。MASAでは当分の間、概況報告にあたる「探査機ステータス」のみ掲載しますので、そのほかは原文を参照して下さい。カッシーニ探査機は現在、太陽に対して毎時約13万1000キロで飛行しています。また、10月15日の打ち上げから約3億2400万キロを翔破しました。
最新の探査機ステータスは2月19日(木)、DSN(ディープスペース・ネットワーク。遠距離宇宙通信網)のマドリッドで受信されたものです。カッシーニの状態は良好で、C6シーケンスを実行しており、正常に操作されています。
慣性姿勢制御(Inertial attitude control )は探査機のヒドラジン・スラスター(RCSシステム)を用いて行われています。探査機は引き続き高利得アンテナを太陽に向けた姿勢(High Gain Antenna-to-Sun attitude)で飛行しています。予定されている軌道修正の時を除き、飛行初期の14ヶ月にわたってこの姿勢をとり続けることになっています。
飛行初期の地球との交信は、探査機に2本搭載されている低利得アンテナの一方を用いて行われています。どちらのアンテナを使うかは太陽・地球・探査機の位置関係によって選択されます。テレメトリー(telemetry:探査機状態遠隔監視)の地球への読み出し速度は現在40bpsです。
探査機は2月9日に「内合(Inferior Conjunction)」点を通過しました。このとき太陽-地球-探査機のなす角は4.2゜でした。内太陽系を飛行中は「高利得アンテナ-太陽姿勢」を保持しているため、このような位置関係になる前後数週間は低利得アンテナの通信能力はガタ落ちしてしまいます(最近のガリレオも同様の状態です)。この間、ディープスペース・ネットワークの送信機と探査機通信サブシステムは航行のための探知と探査機状態監視のための両方に必要な信号強度を得るために調整されました。この追加措置は2月18日に終了しました。
通信割り当て時間が倍に(2/5)
(2/3づけステータスリポート)カッシーニ探査機の状態は良好で、時速12万キロで土星へ旅を続けています。すでに1997年10月15日(水)の打ち上げから2億7100万キロを翔破しました。
カッシーニは引き続き直径4mの高利得アンテナを太陽に向け、探査機の残りの部分への光を遮っています。この姿勢は、予定されている軌道修正の時を除き、内惑星領域を旅する最初の14ヶ月間保たれます。
探査機との電波通信は、現在低利得アンテナ2番(2本のうちのひとつ)を用いて行われています。この2番アンテナはこの期間、太陽と地球、探査機の位置関係によって選定されたものです。カッシーニからのテレメトリー・データ転送速度は、現在毎秒40ビットです。
来月、カッシーニとの通信に割り当てられるNASAのディープスペース・ネットワーク(DSN:長距離宇宙通信網)使用時間が増やされます。探査機誘導係が2回の長期軌道微調整(long-scheduled trajectory refinements)に備えるため、データを必要としているためです。1月末、DSNアンテナは週4回探査機に向けられました。2月には、これがおよそ2倍になります。軌道調整は4月26日の金星フライバイの準備の中で行われます。特別通信時間に収集される追加データにより、探査機の位置情報の精度が改善され、スラスター噴射中など軌道調整のため正確なパラメータをセットする助けになります。