オガクズびん栽培

栽培のあらすじ(きのこの形態から紹介)

 

滅菌済みの寒天培地に、きのこの胞子や組織移して菌糸を培養します。

 

寒天面に菌糸が成長したら、今度は滅菌済みのオガクズ培地移してさらに培養します。熟成期間を経てから発生操作をして、きのこの発生になります。

きのこの胞子や組織
 「趣味のきのこ栽培」では、きのこの胞子や組織を種として培養して育てて、きのこを成長させていきます。もとになるきのこはご自身で野外から採集したきのこを使います。栽培しやすいきのこはすでに栽培実績のある種類のきのこや、それらも含む木材腐朽菌、腐性菌と呼ばれるきのこです。


栽培のあらすじ(作業方法から紹介)


滅菌済みの寒天培地を作る
滅菌済みの寒天培地をあらかじめ作っておきます。滅菌済みの寒天培地とは、滅菌して無菌状態の寒天培地です。あとでここにきのこの菌を植え付け(接種)してそのきのこの菌だけを培養します。
シャーレに作る場合と試験管に作る場合があります。シャーレに作る場合は瓶に寒天培地をいれて滅菌してから、無菌操作で一枚一枚滅菌済みシャーレに分注していきます。試験管に作る場合は、最初に未加熱の寒天培地のもとを試験管1本1本に分注して栓をしてから、滅菌します(無菌操作は必要ありません)。寒天培地を作るときに雑菌が混入してはいけないので、クリーンベンチなどがなく、無菌操作が確実にできない場合は試験管に作るといいです。
 培地はPDA(ポテト、ショ糖、寒天)培地。滅菌は圧力鍋で摂氏120度で15分ほど。
(写真:試験管に寒天培地を作っているところ)


きのこの胞子や組織を寒天に移す(寒天培地への接種)
 接種といわれる作業です。きのこの胞子、組織を取り出して、寒天面に植え付けます。植え付けるときに雑菌が混入しないように気を付けてするのですが、クリーンベンチ等無菌操作のための特別の設備がなくても可能です。
(写真:畳の部屋のちゃぶ台で組織を接種しているところ)

菌糸を培養
 シャーレや、試験管の寒天培地に菌糸を培養するときは温度だけを気を付けて管理します。摂氏0度以下、25度以上にならないように。


オガクズ培地を作る(仕込み、詰め込み、滅菌)
仕込み:オガクズと栄養体を混ぜて、水分を調整します。オガクズ4対、栄養体1の割合。栄養体はきのこの種類に合わせて選択します。培地の水分は65%位がいいと言われています。培地を指で挟んでぎゅっと潰してみた水分の出加減を目安にします。
詰め込み:仕込みで調整した培地を瓶に詰め込みます。

滅菌:圧力鍋で摂氏120度、45分くらい。
 

オガクズ培地へ移す(細口瓶へ接種、広口瓶へ接種)

(細口瓶へ接種)
 圧力鍋で滅菌し終わったら、鍋から取り出して一晩ほど冷まします。十分冷めたら接種します。試験管の寒天培地の菌糸を細口瓶のオガ培地に接種しているところ。細口瓶を使うのは、雑菌の混入するのを防ぐ為です。口径が小さければ、それだけ接種中に落下菌が混入する確率が低くなります。そして蓋をして菌糸を培養します。


(写真:無塵服を着ての接種風景。注意、無塵服は演出効果をねらったもので実際の作業には特に必要ありません。)

 接種したら培養室で培養します培養、発生室のページ参照)

(広口瓶へ接種)
 細口瓶に菌糸が十分蔓延したら、そのオガ菌糸を広口瓶に接種します。広口瓶の培地面を覆い隠すように多めにオガ菌を落して、落下菌が万が一混入しても繁殖しないようにします。接種がすんだら細口瓶と同じように培養します。

発生操作
 菌糸が十分蔓延したら、熟成期間を経てから発生操作をして、きのこ(子実体)を発生させます。
瓶全体に菌糸が蔓延してそのまま培養室に置いておくと熟成して原基(きのこの赤ちゃん)形成してきます。その原基を立派な子実体にするためのひと工夫として発生操作をしたあと、発生室にいれてきのこを発生させます。発生操作はそのきのこに合った方法としていろいろあります。びんの蓋をとるだけのものや、芽掻きをするもの、注水するものや、覆土をするもの、土に埋めるものなど。よく観察してそのきのこにあった方法を見つけ出しましょう。

(写真:オリジナルビデオ1より)



 オガクズびん栽培での細かい作業を、オリジナルビデオ1「ビデオ オガクズびん栽培法」で映像として紹介しています。ぜひ参考にしてください。