党大会に見る情報公開・非公開傾向

 

by 大統領

 

()これは、上記テーマに関する大統領さんのメール論評です。下記の「党大会情報公開の2つの傾向」分析と別表データは、“共産党の柔軟路線と革命路線”併用という二面戦略および組織体質との関係でどう捉えるかを検討する上で、一つの重要な判断資料となるものです。別表中の空欄は、すべて非公開です。20、21回大会では、『前衛』大会特集での「資格審査委員会報告」もカットされ、非公開となり、代議員数さえも不明になっています。ただ、22回大会代議員数968人は、2003年12月24日『赤旗』が、第23回大会を前にして公表しました。 健一MENUに戻る

 

1、本編は、党における情報公開及び非公開傾向についての一考察です。

2、別表は、「党が一度に発表したもの」ではなく、『前衛』の各大会特集の「資格審査委員会報告」から抜粋して、私が一覧表にしたものです。

3、党の情報公開については、二つの傾向が見られます。一つは、党大会の「公開」で、20回大会からマスコミに公開を始めたことです。二つ目は逆に、党大会の「資格審査委員会報告」が、大会構成の内容について、9回大会からは常任活動家について、13回大会からは本質にかかわる重要な部分についての公開を止めたこと、すなわち非公開を始めたことです。

4、この別表で明らかなことは、8回大会後、常任活動家(職業革命家)すなわち党官僚(総数)が一般党員の前からも「姿」を隠したことです。公安(国家権力)からの防衛として党情報の機密化、隠蔽体質は、粛清を前提手段とする全員一致主義と一体のものです。8回大会において、常任活動家が6割を占めたことにより、党官僚すなわち執行部独裁が可能となりました。「規約の本質は、機能を分けることである」(レーニン)という定理を黙殺し、逆に「重層制」等として「機能を分け」ないという三権分立の否定が宮本教の「定説」です。

5、1991年3月4日、統制委員会若林某の「敵対的な人だと統制委員会が判断した場合は、文書回答を求められても、しないこともある。」という私に対する発言は、「どのような上申、提訴にたいしても」「かならず文書によって回答し」という、8回大会統制委員会報告(『前衛』187176頁)との質的な違いを示しています。

6、「私に対する発言」は、私が地区委員会の指導に従わないから処分するとして査問が行われたことに関連して、中央委員会に電話で糾問した際の応答です。結果としては除籍とされましたが、事実上の除名扱いであり、この手続きは規約違反とも思われましたが「こんな党なら」と、そのままにしました。

7、しかし、8回大会時といえども、よりましなだけで、多段階小選挙区制による議院内閣制的なものという意味で外見的三権分立です。

8、情報公開のあり方は、三権分立の肯定、否定、折衷の態様に相関すると思われます。

9、評議員の数の10回大会の1人から19回大会の109人という増加も注目です。

 

=参考文献=

 

『前衛』号

ページ

大会名

タイトル

1958

なし

187

1961

245

資格審査委員会報告

231

1964

164

資格審査委員会報告

258

1966

150

10

資格審査委員会報告

312

1970

200

11

資格審査委員会の報告

363

1973

275

12

資格審査委員会報告

400

1976

158

13

資格審査委員会報告

419

1977

182

14

資格審査委員会報告

450

1980

178

15

資格審査委員会報告

484

1982

160

16

資格審査委員会報告

530

1985

184

17

資格審査委員会の報告

558

1987

135

18

資格審査委員会の報告

596

1990

152

19

資格審査委員会の報告

651

1994

20

なし

693

1997

21

なし

735

2000

22

なし

および『日本共産党の六十五年』

 

以上  健一MENUに戻る

 

=別表=

大会名

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

2

23

人数

代議員数

1063

961

947

1013

1116

976

1037

1047

1036

1000

976

968

1013

出席数

1061

957

938

1009

1115

973

1035

1034

1034

999

974

評議員数

1

8

9

12

86

94

109

出席数

2

1

47

56

64

80

96

構成

常任活動家

59.0

労働者

82.7

77.0

74.1

70.9

(現業)

13.0

47.5

45.6

41.5

(事務)

8.0

29.5

28.5

28.9

(農業)

0.5

小市民

2.0

知識人

3.0

大衆団体員

10.0

議員

4.0

農民

2.0

6.1

5.3

6.0

4.0

(貧農)

2.7

2.8

(中農)

2.6

3.2

勤労市民

11.2

6.0

5.5

4.4

知識層

10.0

12.7

17.3

その他

1.7

1.8

3.4

性別

95

94.5

94

92.3

89.4

88.0

87.0

5

5.5

6

7.7

10.6

12.0

13.0

年齢

25歳以下

3

4.1

4

2.1

2635

44

27.5

27

23.0

3645

46.5

49

48.4

4655

12.0

10

16.5

56歳以上

9.9

10

10.0

3650

38

51歳以上

15

20歳以下

0.3

2130

12.6

3140

26.6

30.5

4150

43.7

32.8

5160

9.3

27.0

6170

6.4

71歳以上

1.1

60歳代以上

3.3

30歳以下

6.5

党歴

2年以下

4

1.4

1.2

0.2

0.5

35

5

610

14

25

10.2

7.6

4.5

4.0

510

9.7

17.6

18.5

13.1

10年以上

77

78.7

73.6

76.8

1020

33.3

20年以上

49.1

30年以上

21.0

前大会参加者

28